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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
3章 ママの生き方
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98 新たな能力発覚

 前にもこんなことがあったような。私がいるときだけ…。私がいなくなったら…。私が帰ってきたら…。私がトリガー…。


「ねえ、ゆうき、ムーブで低く飛んでみて。低くね。落ちても痛くないくらい」

「ムーブ!」

「やっぱ、魔力は戻ってるね。じゃあママが部屋から出て行くけど、ずっとその高さでいてね」

「はーい」


 私は、透視でゆうきのことを監視しながら部屋を出て、しばらくすると、


「うぅ、ママぁ、気持ち悪い」


 ゆうきは、すとんと落ちてしまった。二十センチの高さだったし、足で着地したので、被害はない。

 そして、私が戻ると、


「ママぁ、落ちちゃった。あれ、気持ち悪いの治った。変なの」


 つまり…私は周りの人に魔力を与えているってこと?パーティ自動MP回復、みたいな?


「ねえ、飛んで遊ぶのは、ママがいるときだけね。あと、このおうちの中だけね」

「えー。また、ママがいるときだけー?」

「どうせ、ママがいないと、たいして鉄も出せないし、飛べもしないって分かったでしょう」

「「もっと飛びたい!」」

「ママは厨房にいきます。だからダメ!」

「「いやだ、もっと飛びたいぃぃ」」


 うぅ、せっかくメイドさんが面倒見てくれてたのに…。私がいないとダメな理由を作ってしまった…。そうだ!


「ねえ、あなた。あ、名前も聞いてなかった」

「イメールと申します」


 私専属のメイドなのに、名前も知らなかった。名前も知らずにメイドをこき使う。私、暴君タイプ?


「ねえ、イメール、ここに料理長を呼んできてください」

「は、はい、かしこまりました」



「…料理長のピックと申します」

「ここに料理の材料や器具を持ってきて、私に料理を教えてくれませんか?」

「はっ、はぁ?」

「フォーサスさんはハーフエルフなので、昼食は取らないのでしょう。なら暇ですよね」

「いや…家臣の方々は人間ですので」

「んー、それでもフォーサスさんの昼食を用意しないのなら、何人か空いているでしょう。あなたが忙しいなら、空いている方にお願いできませんか?」

「そ、それはできますが…。でもここでは火も使えませんし…」

「火を使う料理は、また今度でいいです。ドレッシングの作り方とか。そう、調味料とか味付け関係を知りたいです」

「うぅ、しかし…」

「子爵家秘伝のレシピとかあるんですか?」

「いや、そういうのはありませんが…」

「じゃあ、よろしくお願いします!」

「ひぃぃ…、かしこまりました」


 あれ?私、傍若無人な姫様?二ヶ月我慢してた食への欲求が、いっきにあふれ出したんだよ!そしてやっぱり、女王になることなんて考えてないから、この味を自分一人で再現できるようになっておきたいんだよ!

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