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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
3章 ママの生き方
93/551

93 エルフめし

「あれ?フォーサスさんが五歳の時、私が生まれた?」

「はい、私は五八歳です。エルフと人間のハーフで、寿命は二倍くらいだそうです。だから、三十歳くらいに見えるでしょう」

「なるほど、そうですね。でも、相変わらず、寿命の計算が分かりません」

「オプテイシアの貴族は、魔力をもとめますから、エルフとの混血が多いです。寿命のことは、私も分かりません…」



「ふう。今までの苦労の原因がだいたい分かった気がします…。ありがとうございました。それではそろそろ、おいとましますね」

「ちょ、ちょっとお待ちください。王位やこの国のことは…」

「あの…記憶喪失で、魔力の爆弾みたいな娘を、この国の王にしていいんですか?残った貴族に、王になる気概はないんですか?センソルズ家も、王位を狙って、魔力の高いエルフの血を取り入れてるんじゃないんですか?」

「ひぃっ…」


 もう、私がちょっと強く言うだけで引くのやめてよ…。はあ、疲れた。



「あの…子供が寝てしまいましたので、今晩、泊めてください…」

「最初からそうしていただくつもりでしたので…。夕食を準備しています。あ、オーナル王家は朝食しか召し上がらないんでしたっけ…」

「王家のことは記憶にありませんが、私は朝食しか取らないです。でも、せっかく用意してくださったので…少しだけいただいてもいいですか」

「喜んで!」


「あっ、その前に、この子に授乳したいので、一人になれる部屋を」

「申し訳ございません、今は乳母がおらず…」

「自分でやりますから」

「は?あ、はい」


 姫様は授乳したりしないんだっけ?そんな常識知らないよ。



 肘掛け付きの背の高い椅子を三つ用意された。私は子供じゃないから、肘掛けでガードしなくても落ちたりしないってば。お尻が狭いから肘掛けだけでもないものがほしい…。


 出されたものは、根菜の煮物や、サラダなどの野菜が多め。タンパク質はサラダの中の蒸し鶏くらい。パンは小さいのが一つ。


「これ、美味しいですね!」

「そ、そうですか…?王家の方にお褒めいただくとは光栄です」

「野菜を中心としていて、優しくて自然な味わいです!」

「エルフが野菜や、そのような味付けを好むのです。メリディ様はエルフの混血ですから、きっとお口に合うだろうと思い、お作りしました」

「なるほど!お気遣い感謝します!」


 エルフめしはエルフに聞けってことか…。私の身体の悩みは食の悩みもあったね。それもここで解決してしまった。

 ああ、なんだか、食事が美味しいだけで、ここに住んでもいい気がしてきた。私、王女なのに餌付けされちゃったみたいで恥ずかしい…。でも食を楽しめないなんて、人生三分の一損してたよね。


「すみません、美味しいのに残してしまいました…」

「いえいえお気になさらず。メリディ様は小さいですし、それは妖精の特性なのかもしれません。まあ、ハーフエルフの私も、一日二食ですが」

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