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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
1章 ママは自分を救えない
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8 離陸

 バッテリーがへたっててアイドリングが安定しないけど、待ってられない。アクセルペダルを踏み込んだ!でも堅くて動かなかった!うぅ、女神様はアクセルを踏む力すらなかった。もちろん念動でアクセルを踏み込んだ。念動ではペダルのバネの反発や触覚は感じ取れないので、べた踏みしてしまった。こりゃブレーキ踏むのも一苦労だ。

 もっと難しいのがクラッチワーク。そうだ、足の力で押せなくとも、ペダル踏み込み具合の確認に足を使おう。そして、一速に入れてっと、さすがにシフトレバーは手で…押せなかった…。いや、二速以降には入れられたんだけど、一速は時々なんか引っかかって入りにくいんだよ。しょうがないので念動で一速に入れた。

 恐る恐るクラッチをつないで、発進!ってか、いままでサイドブレーキすら引いてなかったね。


 発進は順調。でもすぐに二速に入れなければ。念動のアクセルを少し緩めて、クラッチを踏んで、そしてシフトレバーだけは手で動かした。あ、ハンドルを握ってはいるけど、回せない気がする…。パワステなんだけど、ファミリーカーにしてはハンドル重いんだよね。道にハンドルを取られたら制御できないだろうなあ。そして、アクセルをやや踏み込みながらクラッチを戻す。がっこんがっこん前後に揺れる。自動車教習所を思い出すね…。


「ママ!ジェットコースターみたい!」

「もっと、もっと」

「えー…もうやらないよ。」


 三速には入れない。そのままアクセルべた踏みで、百キロまで引っ張るから。四千回転からジェット飛行機のような加速が始まる。この感覚が好きだ。


「ふははは、たかが馬五十頭では、STIの三百八馬力にはかなうまい!」


 ハンドルを握って、魔王のように高笑いする女神。それもつかの間。六千回転まで行ったあたりで突然加速が失われ、いっきに八千回転まで吹き上がってREVった。これはカラふかしだ。ギアは二速につながったままで、クラッチを切ったわけでもない。

 離れたのはタイヤと地面だ。

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