77 捜索依頼の報酬
救出した子、アサスの住んでいる町のハンターギルドに来た。
「職員さん、先ほど出した捜索依頼、こちらのハンターの方が解決してくれました。娘もこの通り」
「なんと!無事で良かったですね」
報告のお姉さんが、カウンターの右側にいるのは、どこも同じなのかな?
「私は奴隷商人に捕まっていたの。そうしたら、この子も…、この子がやってきて、あっという間に逃がしてくれたの」
「それはそれは。奴隷商人はどうしたんですか?」
「えっ?あ、その」
アイテムボックスに入れて保留にしてたけど、汚物を入れたままなのは嫌なので、あとで海に捨ててこようかなと思ってたんだ。大陸と大陸の中間五十キロのあたりに…ではなく、陸から一キロくらいに…。ギルドに突き出すことは考えてなかったんだけどね、この際だ。
まずアイテムボックスからストレージに瞬間移動させた。透視と透聴で監視していると
「くそ、牢に戻りやがれ!って、うわ!真っ暗だ」
「痛い目、見たいのか?っな、何だこれは」
彼らは一時間ぶりに現世に帰ってきた浦島太郎。私たちが逃げ出したのを発見したときから時間が止まっていた。おなかは減ってない。老化もしてない。出てきたときに老化を促進する魔法は知らない。
つまり、彼らの視界は、私たちを捉えていた場所から、私の真っ暗なストレージに、突然変わったということだ。そりゃ驚く。
私たちを縛っていた縄を返してあげよう。うーん、そのままの形で入るわけないね。女の子の手足と、おっさんの手足だし。しょうがないので、ほどいてから結び直し。こういうのは触覚がなくても、だいぶ慣れてきたよ。
「うわぁ、手がぁ」
「くそっ、縛られたのか」
よし、これで安全かな。
「オープンストレージ!」
下向きにゲートを開けたら、縄で縛られた悪党どもが落っこちてきた。
「はっ?ストレージ内に捕獲していたんですか?なんて容量…」
「うわぁ、痛てて、ここはどこだ?」
「ここは?あ、お前!早く牢に戻れ!」
「そうだ、売り飛ばす前に、俺がかわいがってやる」
商人風の悪党さん、まだ夢の中のようです。良い証言をしてくれたね。突き出しても経緯が説明できないから、面倒だし捨てようと思ってたんだけど、これならすんなり行きそう。
「犯人で間違いないみたいですね。一応、軽く調査しますので、悪党捕縛の件については、また明日おいでください。それではこちら、捜索依頼の報酬の金貨十枚です。ハンター証も見せてください」
「ありがとうございます。はい、どうぞ」
大銀貨が一万円くらいかなと思うんだけど、金貨って十万円玉?ってことは、報酬百万円?やった!ほくほくだ!あ、でも、裕福な商人なら大事な娘の捜索に、それくらい出すか。
「えっ?ランク2なの?捜索依頼は妥当だけど、悪党退治はランク4以上なんだけど…まあ、今回は依頼とは無関係に、功績をつけられると思います」
おおー、ランク4の仕事しちゃったよ。でも危なかったし、何より面倒だった…。




