71 報酬のなすりつけ
「えっと、焼けた大トカゲは、食えるところがあまり残ってないから、んー、一匹銀貨五枚だ。トリは…損傷は頭だけだな。それなら満額、一羽銀貨三枚だ。ウサギも一羽銀貨三枚だな。全部で…、銀貨五十枚だ」
「四三枚ですよ、サブマス。計算分からないからって、いつも適当すぎです。そんなんだから、帳簿が合わないんですよ」
「すまん…」
サブマスは、右のお姉さんに頭が上がらなかった。
「あ、でも、一匹はスローが攻撃したんです」
「そうだったな。えっとスローの分は銀貨五枚だ。嬢ちゃんのは、えっと…、四十ま…」
「三八枚です!」
頭脳は小学一年生、その名も、サブマス!ゆうきと一緒に勉強したらいいんじゃないかな。ゆうきは学校の授業について行けなくて、勉強嫌いだけど、神父さんの授業は小学一年生にとっては復習みたいなもんだから、優越感に浸っていられるようだった。あいかも、ひらがなを覚え始めていて、ちょうどいレベルみたいだ。
うちの子は発達が遅いんだと思う。小学校に入らないで浪人できればよかったんだけど、日本の義務教育にそんな制度はない。
でも、二人ともここに来てから楽しそうだ。ばぁばんちに行く予定だったことも忘れて、コンデとインダスと走り回って遊んでいる。ゆうきとあいかは、日本に全く未練がなさそうだ。
「なあ、もしかして、嬢ちゃんは貴族なのか?その魔力と言い、その服装と言い…」
「それが…、記憶がなくて、よく覚えていないんです。今はただの孤児ですし、みんなと同じに扱ってください。」
「ああ、わかった」
そして、報酬をもらって、帰路についた。
「なあ、俺は倒してないだろう。この五枚は返すよ」
「本当のことしか言ってないから、大丈夫」
「……」
「いいなー、次は私も頑張るわ!」
「その調子!」
「……」
スローは報酬だけじゃなく、功績もついたはずだ。次はコネットにもお小遣い渡せるといいな。
しかし…。思ったより報酬が少なかったなぁ。トカゲ焼きすぎた…。もう、私が倒せることは理解してもらえたし、戦功もいらないから、今度から、外傷の少ない方法で倒そう。でも、二人を連れてると、あまり突拍子もない倒し方できないんだよな。二酸化炭素中毒が一番スマートなんだけど、何の前触れもなく倒れるのって、かなり怖いよね…。




