70 もくろみ外れ
「ごめん、私がおなかすかないから、二人の昼ご飯、忘れてた…」
うわ、またさくらのこと忘れてた。
「おう…。俺もおまえの魔法を見てただけだから、ハラはあまり減ってないさ…」
「思い出したら、急におなかが減ってきたわ!」
「でも、早く売らないと痛んじゃうな。血抜きをすればマシになるらしいけど、俺はやったことなくて…」
「じゃあ我慢して、急いでギルドに行きましょ」
「二人ともごめん、私はいつも無計画で」
「最初から計画外のことだけやる計画だったろ…」
「へへへっ」
「そこは謝らないのね」
「ご、ごめんなさい…」
「反省するつもりないんでしょ」
「うん」
「「……」」
ハンターギルドに着いた。右のお姉さんに買い取りを申し込んだ。右のお姉さんは、サブマスを呼んで、相変わらず丸投げ。右のお姉さんが買い取ってくれるのは、小さくて手間のないものだけらしい。
私はストレージをひっくり返して、大トカゲ五匹、トリ三羽、ウサギ三匹を、一気にカウンターテーブルに…置けるはずもなく、ほとんどは床に落ちた。
「おい!何だこれは!」
「獣です」
「…嬢ちゃんが魔法で仕留めたのか?」
「はい、あ、この一匹のトカゲは、スローが攻撃しました」
「ちょっ、俺は…」
嘘は言ってないよ!
「今日はどうやって倒したのか、教えてくれるのか?」
「はい」
「外の訓練場で見せてくれるか?」
「はい」
外の訓練場には、雑な的が何本か建ててあった。
「あれを獲物だと思って、魔法を撃ってみろ」
「ファイヤボール!」
直径三十センチの火の玉を出した。神父さんと同じなら、優秀な魔道士ってことで行けるでしょう。
「ムーブ!」
火の玉は的に当たった。的は少し焦げ付いた。火の玉に質量はないので、倒れたりはしない。
「トリをやったのは、何の魔法だ?」
「ストーンアロー!ムーブ!」
ストーンやソイルは手で投げるのが常識らしいけど、私が投げたら肩がすぐ外れちゃいそうで…。
石の矢は的に当たった。今度は、的は倒れた。
「なるほど…立派な魔道士だ。それだけやれれば、ランク3にはなれそう…」
「やった!ありがとうございます!」
「…だが、必要な功績は戦力だけじゃないって言っただろ。嬢ちゃんはまだ、ランク1の野草摘みを一回しかやってないだろ。まあ、あれは四回分の量があったが…。次のランクに上がるためには、最低でも十回の依頼達成が必要だ。それも、期限付きの依頼なら期限とか、納入物があるなら品質とか、色々な条件を満たした上でだ」
「がーん…」
「だから、危ない狩りばっかりやってないで、採集とか掃除とかの依頼をこなしてくれ。狩りはランク1の仕事じゃねーんだ」
「だから言わんこっちゃない…」
スローがあきれていた。
「今日は、戦闘の功績は付けてやる。ランク3に必要な戦力の功績は十分だ。あとは、しっかり依頼を九回こなしたら、ランク2に上げてやるよ」
「はい…がんばります…」
私は、こつこつやるのは苦手だ…。今日は飛び級を狙ってたのに…。




