69 狩りは絶好調
「よし、倒れた!」
こんがり焼けた大トカゲは、生命活動を停止した。
「今のって…、神父さんが昔、見せてくれたファイヤボールじゃないかしら…」
よし、予想通り。水とか風とかの威力から、神父さんの魔力は二十倍から三十倍くらいだと思ってたんだ。五から十倍くらいで、魔道士って職業らしいから、それよりちょっと優秀だね。
「いや、神父さんの火の玉は、三十センチくらいだったよ。コネットねぇは、あのときうずくまってて、よく見てなかっただろう」
あれー?おかしいな…。あ、体積が二十倍、三十倍か。大きさ…直径じゃなかった…。
あれ?それじゃ、直径二十倍って、魔力八千倍とか?魔力百倍って種族もいるようだし、許容範囲じゃない?
いいんだよ、とにかく一般の魔法で倒して、功績とお金とを稼ぎたいんだよ。
大トカゲに、袋をかぶせるようにして、ストレージゲートをかぶせる。もちろん、アイテムボックス行き。
「よしっ、次は~…キミに決めた!」
私は間髪入れず、次々に、火だるまになった大トカゲを五匹ほど量産した。あたりは鶏肉を焼いたような香ばしい匂いで充満した。
「お、おい、楽しんでるところ悪いんだが…、食用肉は焦げてたら値段が下がるぞ」
「いいんだ。ギルドに私が倒したって、説明するためのものだから。でも、そろそろいいかな。もったいないし、今度は売却用にしよっかな」
「ちょっと、どこに行くのよ」
大トカゲが絶滅するのはまずいので、透視で定めた次の目的地へ。
再び森に入った。ちょっと獣道すぎた…。ドレスに引っかかったら嫌だな。私の進む先の木枝を、念動でパキパキ折ったり、草を退かせたりしながら進んだ。
どうせ、いずれ出て行くんだ。多少、おかしな能力を使って、怪しまれるのも、それはそれでいい。
森に入ったのは、隠れているトリとウサギが目的。
「ストーンアロー」
小声で唱えた。鉛筆程度の短い石の矢を作成。
「何かいるの?」
「あっちにトリが」
五十メートル先にいるトリに透視で狙いを定めた。肉眼では見えない。そして発射。
「くえぇ」
「当たったのか?」
遠くでトリの断末魔。
「次はウサギ」
これまた五十メートル先のウサギにストーンアローを放った。と、見せかけて…、射線が確保できなかったので、途中から瞬間移動で飛ばしてしまった…。
ウサギの鳴き声はないらしい。
動くのも面倒になって、同じ場所から二羽のトリと二羽のウサギを追加で撃破。
回収はもっと大変だった…。枝や草を念動でバキバキ折りながら進み、やっとの思いで三羽のトリと、三羽のウサギを回収。その頃には日が傾…かないで、遠くに行っていた。




