67 プレゼント 二
「スロー!かっこいいね」
「あ、あぁ…」
照れちゃったかな。
「あんた、レディが着飾ってんだから、なんか言いなさいよ!」
「えぇっ?き、きれいだ。女神のようだ…」
「まあ、照れるわっ!あんたも気の利いたこと言えるじゃない」
ばしんっ。コネットがスローの背中をひっぱたいて、良い音が響いた。
「いっっってぇー。何すんだ、おまえのことじゃねえ!」
「何言ってるの?私が女神で合ってるわよ」
おしどり夫婦だね!私の夫は…日本に置いてきたよ。一人でうまくやってるかな。私たちがいなくなってショックはあると思うけど、それで死ぬような生き物じゃない。
「おやおや、華々しいですねえ」
神父さんがやってきて、目をむいた。
「この服はどうしたんですか?」
「美奈子にもらったんだー」
「ねえ見て見て!かわいいでしょ!」
「おやおや、かわいくなりましたねえ。」
「明日もこれ着るー!」
「これはあなたがお金を出したのですか?」
「はい」
木を隠す森を育みたかったんです。
「あなたの自由なお金だとは言いましたが…これ以上は私が口を挟むことではありませんね」
「はい、私は好きにやります」
実は、姫様のクローゼットにあったネグリジェも、一緒に買ってきたって設定にした。あのドレスで寝てたら、すぐにダメになりそうだし。
「あなた、そんなのも買ったのね。そんなの売ってたかしら。よくお金が足りたわね」
「あ、う、うん」
よく考えたら、ネグリジェの古着って嫌かも…。他人の汗がしみた肌着とか…。いや、この身体から出た汗なのだし、そもそも、私が他人の身体を着ているというか…。そうじゃない!今はこの身体は自分なのだから、ネグリジェにしみた汗は自分の汗なのであって…。もう何言ってんのか分かんない…。
いや、ちゃんと念動で綺麗にしてから着るよ。もちろん、みんなの服も綺麗にしてから渡ししたよ。
「あなたの金銭感覚とか、服装とか、それが自然だって思えるのなら、あなたはそういう世界から来たんでしょうね」
「た、たぶん、そうなのかも…」
「あなたの記憶が戻ったとしても、私たちは家族よ!」
「う、うん、ありがとう」
出て行きにくくなるようなこと、言うなよぅ。まだ数日なのに、情が湧くもんだね。




