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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
2章 ママは普通に暮らしたい
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66 男子の葛藤

 俺の名はスロー。十二歳、男。



 今日も美奈子は仕事には行かない。でも町に出かけるようだ。よかった。少しは元気がでたかな。コネットと話していたけど、コネットは一緒には行かないらしい。

 またこの前みたいに、こっそりついていてやろうかな。と思ったけど、町中だから大丈夫だろう。今日は俺は仕事に行こう。


 仕事を終えて帰ってきたのだけど、美奈子の姿がない。昼メシにも帰ってこなかったし。よし、探しに行こう。


「ただいまー」


 よかった。心配したんだ。

 服を買いに行ってたのか。そうだよなぁ。その服は…ダサい。美奈子の魅力が台無しだ。


「これ、みんなの分なんだ」


 はぁ?まず自分の服をどうにかしてくれよ!こうなったら、俺が明日買ってこよう。服屋には貴族の使い古しがあったのを覚えてる。あれなら美奈子に似合うはずだ。今までの稼ぎを全部、はたくことになっても手に入れる。

 ん、俺の分もあるのか?俺も着替えろってか。ってコネット、ここで着替えるのかよ。俺が出ていくしかないじゃんか。インダスはここにいていいのかよ。コネットも女っぽくなってきたとはいえ、コネットの着替えを見ることができても羨ましくはないけどな。



 美奈子がくれた服。これは高そうな服だな。服なんて、どうでもいいと思ってたけど、俺がこれを着て、ドレスの美奈子と並んだら…。そう考えたら、こういう服も悪くないものだな。

 早くしてくれないかな。コネットとか子供の着替えなんて、十秒あれば良いだろ。 


「もういいわよ~」



 ……そこで俺が出会ったのは、女神だった。…いや、女神のように美しい姿をした美奈子だった。なんで美奈子まで綺麗な服を着てるんだ。自分の分は買ってないんじゃなかったのか。


 美奈子が着ているのは、紫色で飾り気は少ないものの、落ち着いた雰囲気で、品のある服。スカートの膨らみこそないけど、これはドレスだ。

 大きく露出した肩の下から…飛び出しそうな…、む、むむむ、むね…。くびれたウェスト。素肌や身体のラインをアピールしてる。

 そして、下ろした髪。いや、髪に隠れて気がつかなかったけど、背中が丸見えじゃないか。

 もともと大人びた顔をしていると思ってはいたけど、今日はドレスの効果も相まって、まるで大人の女性だ。


 彼女は完全に貴族のお嬢様だ。俺なんか相応しくない。彼女は高価な服を選んでくれたけど、これじゃ馬子にも衣装だ。並んで歩くことはできない。悔しい、俺はただのガキだ。

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