61 魔力量の謎
「ねえ、私だってウィンドもウォーターも使えるけど、あれは本当にウィンドとウォーターなのかしら。だって大雨が降っていたし、すごい風がぐるぐる回っていたわ…」
コネットが神妙な顔をしている。あれ?一般の魔法だったのに、何か間違えたかな。あ、手以外から出しちゃいけないのか?
「え、えっと、神父さんに教えてもらったことと、本に書いてあったことだけだよ」
「神父さんはそんなこと教えてくれなかったけど。じゃあ本なの?私も見たいわ!」
「やめとけ、あれは俺も読めなかった」
「なんであんたが読めないからって、私が読めないことになるのよ。私は年上なのよ」
「コネットねぇは俺より漢字の勉強してないだろう」
「なっ……美奈子は漢字を読めるのね…ずるいわ!」
「私は記憶がないんで、どこで勉強したのか覚えてなくて…」
「ほらほら、君たち、手を洗ったなら、運ぶのを手伝ってください。おや、なんだかみんな、顔が白くなりましたね…」
「さっき美奈子に体中洗ってもらったんだー」
孤児院に入ってやりたかったこと。みんなの身体を洗ってあげられた!みんな臭かったんだよ…。突然きれいになったらおかしいからできなかったけど、これからは毎日洗ってあげるね!
おっと、私は昼を食べないの忘れてた。さくらを連れて、授乳室じゃなかった、物置部屋に、そそくさと退散。授乳前提だと、泥だらけになる遊びなんて普通できないけど、すぐに清潔に戻れるから安心。
少しは飲む量が増えてきたかなぁ。早く大きくなれよ。未熟児なんだから。
「どうしたの?あ、また泥だらけ」
インダスとコンデは気分が悪そうだ。
「ご飯のあと、こっそり二人で作ってたんだけど…建物一つ作ったら、魔力が尽きて気持ち悪くなっちゃったんだ」
「そうなの、さっきはあれだけたくさん作ったのに、一つだけで嫌になっちゃったの…」
「あれ?でも治ってきた」
「ホントだわ、ねえ、午後も庭で遊びたいわ!」
「ゆうきとあいかも、行こうよ!」
「「うん」」
「水浸しにしたから、さっき作ったやつ、全部壊れちゃったのよねー」
「また作ろうよ」
また、いろんな物を作り始めた。子供は泥遊び、好きだよねぇ。私は最初だけやって見せただけで、あとは子供だけで勝手にやってる。
「ねえ、大きい物は、相変わらず作れないんだけど、やっぱりいくつ作っても魔力が尽きないんだ」
「そういえば、さっきウォーターを、コップ二十杯分くらいだしたのよねー」
「魔力上がったかな!」
「魔力量だけ上がったってこと?」
そんなこと、あるのかな?魔導書には、だいたい魔力と魔力量は比例って書いてあった。
「ねぇ、ゆうき、何作ってるの?」
「土じゃすぐ壊れちゃうから、鉄にしたんだー」
「へー、鉄って何だろ、よく分かんないや。でもこれなら壊れなそうだねー」
インダスとゆうき。同じ歳くらいの男の子同士、仲良くやってるね。日本では、ここまで打ち解けた子は、いなかったなぁ。なんか初めて親友って感じの友達ができたよ。ここだと兄妹になるのかな。ここに長居する気はないんだけどねぇ。




