60 水遊び
「そろそろ昼食にしましょう。はっ、これは一体…」
神父のペンタムさんが私たちを呼びに、庭にやってきた。そして、庭を見て呆然とした。
「ソイルウォールで遊んでいたんです」
「見て見て!車作ったの」
「ムシムシくん見て見て」
「「私たちはこの町を作ったの、見て見て」」
見て見てマン参上。下手すると、一日に百回以上、見て見てと言ううちの子ら。そこに二人の子供が加わった。作った物を見せたくて、うっとうしい。
「ソイルウォールで作ったんですか?壁じゃなくて?」
「はい、一昨日、魔導書の魔法を練習してたらできました」
「はぁ…あなた方には驚かされてばかりですね…」
「すみません…」
「ごはんにしましょう。私は準備していますから、手を洗ってきてください」
「「「「「はーい」」」」」
「精霊よ、ウォーター」
泥遊びしてのだから、全身泥まみれ。子供たちの全身に水をぶっかける。
「何すんだ、あははっ」
「わーい、びしょびしょ!」
「ゆうきも!ウォーター!ママぁ、食らえ」
「あいかも!ウォーター!」
「私も負けないわ!精霊よ、ウォーター!うーん、うまく飛ばない」
「僕もやってみる!精霊よ、ウォーター!僕も飛ばないや。でも近くで出せば掛けられる!」
全員びしょびしょ。
「ただいまー、今日は午前の仕事が長引いちゃったわ、うわっ、冷たっ、何?」
「ただいま、おい、おまえら何やってんだ、ぎゃー俺に掛けるな!」
コネットとスローが帰ってきた。庭に顔を出した途端、水難に見舞われた。
「ちょっ、びしょびしょになっちまったじゃねーか!あ、美奈子っ、す、す、す、透け、…」
「何してくれるのよ!」
「はーい、みんなおしまい」
「「やだぁ、もっとぉ」」
「はいはい、もうおしまいにしてご飯だよ。精霊よ、ウィンド!」
「「「「「「ぎゃー」」」」」」
竜巻レベルの風を出した。だけど風ごときで乾くわけがない。分子運動で風を三五度くらいに加熱。それでも短時間で乾かすのは無理なので、皮膚と衣服の水分を、瞬間移動で段階的に除去。ついでに汚れや雑菌も除去。むしろそれが本命。水洗いは、ただの水遊びとカモフラージュ。
一般の魔法に見せかけて、超能力を使うのが、だいぶうまくなってきたよ。




