59 泥遊び
孤児院に入って三日間、子供の面倒を見てもらえるのを良いことに、魔法の勉強とか金策とか好き勝手なことばかりやっていた。
「すみません、私、自分が母親だということを忘れて、勝手ばかりしてました…」
「何を言っているのですか。あなたもこの孤児院の子供ですよ。仮に宿泊費や保育料が必要だとしても、もう大銀貨をもらってますから、何も気にする必要ありません」
そういう設定だけど、神父さんは私が大人だって分かってるじゃん。
「じゃあ今日は、子供と一緒に遊びます。コンデとインダスも一緒に!」
「ふむー、そういうことならお任せします。外出するなら言ってください」
「はい!コンデ、インダス、ゆうき、あいか!今日は一緒に遊ぼう!」
「「「「わーい」」」」
「お庭に行こう!」
「「「「はーい」」」」
「今日は土の魔法で遊ぶよ。まずは見ててね……精霊よ、ソイルウォール!」
地面の土が集められて、高さ十センチくらいの土の壁…ではなく土のお城ができた。そのようにイメージしたから。
「何これすごーい」
「お城だ!」
「ママぁ、触ったら壊れちゃった!」
「私のプリンセしゅのお城がぁ」
「ソイルウォールは土の壁を作る魔法だけど、他の形をイメージすれば、形を変えられるよ。みんなもやってみて。まずは小さい物からね」
「「「「精霊よ、ソイルウォール!」」」」
コンデとインダスは、何やら十センチ以上の建物を作りたかったみたいだけど、十二センチくらいのところで途切れて、中途半端なものができた。
「コンデとインダスは、これくらいの大きさで作り直してみてね」
ゆうきは二十センチくらいの高さで自動車を作った。この世界にないものはやめてほしい…。
「ママの車!」
「うん、よくできたね…」
あいかは三十センチくらいで、お人形…細部はよく分からない。土なので、細い部分がすぐもげてしまったし、不安定ですぐ倒れてしまった。
「うゎーん、私のプリンセしゅがぁ」
「あいかは、ムシムシくん作ってみて」
ムシムシくんは、蝶々の幼虫の芋虫のぬいぐるみ。今も車に積んである。横長なら壊れにくいはず。
二人とも作る物が大きいんだよ。神父さんもびっくりの魔力みたいだから、覚悟はしてたんだけど。
こういうのができる量は大体、二十歳で一リットルが基本のようだ。コンデとインダスは子供なので、四百ミリリットルくらいかな。十センチくらいで細長い物か、平たい物しか作れなかった。
それに対して、ゆうきとあいかはその何十倍かの体積のものを作ってしまうので、コンデとインダスが劣等感を感じずに頑張ってくれるといいんだけど…。
コンデとインダスは、めげずに頑張ってるね。一回でできる物は大きくできないんだけど、代わりに低い建物をいっぱい作ったり、重ねたりして、最終的にはそれなりの広さの町を作ったりしていた。
あれ?でも、魔力が低いと、魔力量も低いから、数も作れないんじゃ?どうなってるの?




