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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
2章 ママは普通に暮らしたい
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56 男子の使命

 俺の名はスロー。孤児院に暮らす、十二歳、男。


 今日も美奈子と一緒に、ギルドの仕事をこなそう。昨日は野草集めしかできなかったから、今日は別の依頼を残しておいてやったんだ。ランク1の依頼なんて、時々近所の子供が受けに来るだけで、基本は俺ら孤児に小遣い稼ぎや仕事の訓練をさせるための、慈善事業だ。


 それなのに、美奈子は一緒に仕事をせず、魔法の練習をしに、一人で森に行くと言い出した。危ないので止めようと思ったのだけど、昨日のあのウォーター…。心配はいらないかな…。絶対俺より強いし。

 でも、見た目はか弱い天使なんだよな。服装は変だけど。やっぱり、危なっかしいから、こっそりついて行こう!

 コネット?適当にやってると思うよ。あいつは危ないことはしないし、自分の身くらい守れる。いつも一緒にやってるわけじゃない。美奈子の方が大事だ。



 森までやってきた。美奈子は何やら考え込んでる。

 歩き出した。昨日もそうだったけど、まるで獲物の場所を知ってるみたいに、一直線に向かっていく。


 美奈子が立ち止まって、草むらに隠れた。獲物を見つけたのか?イノシシだ。って、十メートルくらいしか離れてない。なぜこの距離だと匂いや音で気がつかれないんだ?俺の距離で気がついてもおかしくなのに。


 美奈子はファイヤボールの呪文を唱えた。相変わらず精霊への祈りを忘れてる。なぜ発動するんだ。

 火の玉が現れた。神父さんは、火は危ないって教えてくれないけど、俺は使い方を知ってる。


 美奈子は続けてムーブを唱える。そう、ファイヤボールで出した火の玉は、ムーブの魔法で飛ばすんだ。

 今朝、美奈子は魔導書を読むと言ってたから、それで覚えたんだな。俺も見せてもらったことあるけど、難しくて読めなかったのに…。


 火の玉はイノシシに向かっていく。今日はどんな結果が見られるのか。また貫通か?

 だが、待っていた結果は拍子抜け。毛皮が少し焦げただけで、ひるんだ様子もない。


 俺はすでに走り出していた。美奈子を守るために。


 イノシシは怒って、美奈子に向かっていく。美奈子は慌てていて、何もできそうにない。だから言わんこっちゃない!


 俺は美奈子に体当たりして、突き飛ばしてしまったけど、イノシシに当たるよりはマシなはずだ。

 美奈子と入れ替わった俺は、イノシシに体当たりされて、突き飛ばされた。腕が折れた!身体も痛い。

 まだイノシシはいるのに…、美奈子を守らなきゃならないのに…意識が遠のく…。


 気がついたら…雲の中にいた。頭は柔らかい雲の枕に支えられている。目の前も雲に包まれていて、何も見えない。

 俺は死んだんだ。美奈子を一人残して。美奈子は落ち着けばイノシシを倒せるはず。無事でいるといいな。

 ここは雲の世界。何もないのか。あたりを見回すため、身体を起こそうと思ったら、顔が柔らかい雲に包まれた。なんて心地良いんだ。ずっとこうしていたい。

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