53 位置情報サービス
私が書斎にこもっている間、ゆうきとあいかは勉強。今日は文字や計算。ゆうきの算数は普通に一年生レベルだけど、神父さんは驚いていた。ひらがなとカタカナだけでなく、一部の漢字を読めるのは褒められた。でも書く方は筆がうまく使えなくて落第。あいかは、まだひらがなの一部が読めるようになっただけ。四歳の赤ちゃんなので。これでもゆうきのときより、覚えるのが早いんだよ。
コネットとスローが午前の仕事を終えて、昼食に戻ってきた。
今日は私も昼食を作るのを手伝ったよ。うちの子らは、凝った料理は全く食べてくれないけど、一通り料理はできるよ…。でも、ここに来てから包丁は握らせてもらったことがない。子供だと思われてるのかな。
でも私はもう、昼食を食べるのは拒否。朝だけ食べることを宣言した。
「今日は、午前に勉強した魔法を実践したいから、依頼を受けずに、一人で森に行くね」
「えっ、一人はあぶ…、まあ大丈夫か…。」
スローは昨日のイノシシ狩りを思い出したのか、言葉を飲み込んだ。よし、一人で動物狩り、やりたい放題!
そうは問屋が卸さなかった。透視で上から見下ろしていると、スローに尾行されているのが見えた。気がつかない振りをして先に進んだ。
上からの視点で何匹か獲物を見つけた。イノシシ、鹿。
小さい物は隠れていて、上からでは分からないので、透視で森の中を高速で巡回した。録画再生機能で見返して、小動物を探そうと思ったら、丁度小動物が視界に入ったシーンを再生できた。指定した人物が動画内に映っているシーンを検索してくれる、写真アプリのサービス…。
さらに、小動物のいた場所と時刻を、先に撮影した上から視点の写真内にプロットできた…。写真にGPS位置情報を付加して、撮影場所を地図に表示してくれるサービス…。
いや、そういうケータイアプリみたいな機能があったらいいなと思ったら、それが実現できちゃったんだよ。これが物理化学なわけないから古代魔法ではないのかな。情報処理の分野だ。だんだん魔法とか超能力から離れてきたよ。
そんなこんなで、森の中の獲物の位置を一瞬で把握した。瞬間移動で行きたいけど、スローが見てるからなぁ。走って行こうと思ったけど、重力が三分の一でも体力がすぐ尽きそうだし、それ以上軽くするとぴょんぴょん跳ねすぎて走れなそう。結局、歩くしかなかった。




