50 物色二
もっとこのドレス姿を堪能したいけど…ああ脱ぐの、もったいないな。念動を使ってドレスを剥いでいく。まるで十二時の鐘が鳴って、魔法が解けたよう。
もう一つ、気になってるのやつ。地味で暗めの紫色で、お忍び用町娘風ドレス。でも、これも背中がかなりひらいてるんだよねえ。どんだけ背中見せたいのやら。いや、髪長いから背中見えないよね。でも相変わらず胸がきつい。
これなら町娘に…見えないなあ。お忍びのお嬢様にしか見えないなあ。まったくお忍べてない。うー。
他には…この部屋ドレスが四十着くらいあるんだよね…。まあほとんどがフリフリとか宝石まみれとかで、趣味じゃないから、もうドレスはいいや…。
あとは、ネグリジェ。姫様のネグリジェ。これは女神という職業なら普段着にできるのかもしれない。
なんか外で着られる物…ないの?
胸当ては固定できないけど、どうせ手ブラだから、天使の衣装のトップス代わりに持って行こっと。
ボトムスは結局、天使のミニスカート以外に庶民の前に出られそうな物がなかった…。いや、これもパレオみたいな丈しかないから、人前に出られないけど…。
よし、お金を稼いで、普通の服を買おう!そして孤児院にたくさん寄付して、さっさとおさらばしよう。
あ、ここの金貨は封印。
あ、そろそろみんな起きてるかも。透視で外を見たら誰も寝てなかった。あいかが、ママぁどこ、と泣いている。
こっから外に瞬間移動できるかな?逆に、ここに瞬間移動で来られるのでは?
っとその前に、化粧落とさなきゃ。皮膚の化粧を海底へ瞬間移動っと。
それで庭の誰もいないところに瞬間移動っと!
何事もなかったように、庭から建物に歩いて行く。
「ママぁ、どこ行ってたのぉ!うわーん」
「ああ、ただいま。ごめんね、お散歩行ってたんだ」
「あら美奈子、おはよう。今日は髪を結んでないのね。ホントにきれいだわ…」
「おはよう、コネット」
化粧は落としたけど、髪を結ぶの忘れてた。
今日も午前は魔法の勉強をして、午後は仕事をしよう。早くお金を貯めて、早く服を買って、早く恩返しして、ここを出て行こう。そのため、今日から本気出す!
まずは朝ご飯を食べて…ってまた、おなか減ってない…。残したら、またコネットに怒られる…。憂鬱。これじゃ野菜食べないうちの子となんら変わらない。なんか食事は一日一回でよさそうなんだよね。そういう生物なんだよ。ほっといてよ。
だんだん記憶が戻って来ることにしよっと。それでそういう種族だってことにしよう。




