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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
1章 ママは自分を救えない
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5 さらば、私の身体

 マイナス三十度の美奈子を荷台に置くのはやだなあ。車内が寒いよ。他に何か方法はなかったかなぁ…。とりあえず時間稼ぎができたからいいけどさ。

 ってか子供はよく寝るね。死んでないよね。呼吸で肩が上下してるね。よかった。

 起きないのは都合がいいな。やはりこのままでは、母親を殺してぐるぐる巻きにして埋めようとしている犯罪者にしか見えないし…。


 車に積んでたらいつかばれるよね…。何か隠す方法ないかなぁ。それか他に腐敗を止める方法…時間を止める方法…ときよ止まれ!おらおらおらっ!無駄無駄無駄っ?



 できなかった。


 気を取り直して…、アイテムボックス…。四次元目の座標が少しずれた空間。そう、そこは時間の概念のない世界。


 絶対零度のペットボトルから、小さな氷のかけらを瞬間移動で取り出して、常温で五秒たてば溶けることを確認する。

 では、同じ大きさの氷を、先ほど妄想したアイテムボックスに瞬間移動させる。すると、ペットボトルの中の氷が一部欠けて消えた。ちゃんとアイテムボックスに移動したのかな。時間が止まってなければ、もう一分はたったから溶けてるはず。

 そしてアイテムボックスの中の氷を自分の目の前に瞬間移動させる。すると溶けていない氷が現れ、五秒たったら溶けた。アイテムボックス…原理は不明だけどできたよ。

 他にも飲みかけのペットボトルを逆さまにして、すぐにアイテムボックスに入れて出したりとかして、確かな感触を得た。


 最初からこれにしておけばよかったね。わざわざ解凍のリスクを負ってしまった。こういうのって、やった後で良い方法が見つかって、後悔するもんなんだよ。まあ、念には念をってことで…。

 ってなわけで、ぐるぐる巻きでカチコチの美奈子をアイテムボックスに瞬間移動させた。元の場所に戻せることも確認して、もう一度収納した。ばいばい、また会う日まで。私はいつかこの身体に戻る!



 さて、車には大量のお菓子が積んである。実家で夕食として食べようと思って作ってきた惣菜もある。これらも腐らないようにアイテムボックスに入れてしまおう。

 アイテムボックスの中で美奈子はお菓子に囲まれて幸せだね。でもこういうときは普通お花だよね。

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