41 反省
「いま、出した水を飛ばしただろ?物を動かす魔法もあるんだけど、相当魔力がないと無理なはずだ。ほら、見てみろ」
と言って、地面の小さな石ころを拾いつつ、手の平に載っけた。
「精霊よ!ムーブ!」
すると、石ころが手の平から五センチほど浮き上がった。おおー、念動の魔法もあったんだね!めっちゃ感激!
「すごぉーい!そんなこともできるんだね!」
私は満面の笑みを浮かべて言った。だって、人目のあるところで念動を使えると思ったら、本当にうれしかったんだよ。
そしたら、スローはまた顔を背けてしまった。顔近かったかな?
「これくらいは、誰だってできるさ。でもこれが限度だ。長くはできないし、重い物は一秒も持ち上げられない。速く発射しようと思ったら、かなりの魔力が必要だ。それに、こうやって手から離すと、すぐに落ちちゃうんだ…って、あれ?落ちないな?おかしいぞ」
「私もやってみるね!精霊よ!ムーブ!」
地面の小石が浮かび上がった。おおー、魔法でも同じことができたよ!
「おいおい、手の平から始めないと…俺も手から離して魔法を維持できてるから、離れたところから始められるのもあり得るか…」
あっ、間違えた…。うっかり念動と同じようにやっちゃったよ。でも結局、速度も方向も思い通りに動くし、念動となんら変わらないみたいなんだよね。
スローも小石をあたりにふよふよさせて遊んでいる。しかし、自分から五メートルくらいまで離すと、力を失って落ちてしまった。
「ああ、制御できなくなった。でも、いつもは五センチくらい離れると、こんな風に落っこちるから、役に立たなくて、使う人はいないよ」
「じゃあ、スローの魔力が上がったんじゃない?よかったね!」
「あ、ありがとう…」
スローが自分の両手を眺めて不思議そうにしていたから、その両手をつかんで言ったら、スローはまた顔をそらしてしまった。顔近くないよ。小顔だから多少近くでも見られるでしょう?そんな理論はない?
「あ、そうだ!イノシシも持って帰ろうよ」
ストレージのゲートに手をかざしながら、フラフープのように垂直に立てて、イノシシをくぐらせた。
「えっ、そんなのありかよ…」
あれ?呪文忘れた!ゲート移動の呪文ってなんだっけ?横たわっているイノシシと一緒に、少し土をえぐり取ってしまった。…また怖い使い方を思いついてしまった…。




