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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
2章 ママは普通に暮らしたい
40/551

40 戦闘

「うわぁあ!」


 スローは驚いて声を上げた。ごめんね、手でも押したけど、念動は衝撃もなく等速運動だから、びっくりしたよね。もっと実際の現象に則した力の使い方を練習した方がいいかな。


 さて、私の戦闘能力は、少なくとも一・五トンまでは扱える念動と瞬間移動だけなのだけど、どう考えても過剰だ。どちらも加減を間違えると、スプラッタまっしぐらだ。お産の時に思いついた方法は…、試したくない。

 危ない!とか言っておいて、何も心配してないのだけど、丸く収めるのは難しい。


 そこで、今朝習った魔法だ。水を出すのとブロワーだ。ブロワーは自分では試してない。あと、こっそり火の玉も出したね。森で火の玉はやめよう。

 そういうわけで、水を使おう。でも水をかけただけで、引いてくれないよね…。大量にぶっかければ…、MP足りるかな?超能力と違って、限界が分からない。あっ、超能力の限界も把握してなかった。

 少量の水でなんとかする方法…、水鉄砲…、水のレーザー、ウォータービーム…。水魔法は水が出てくるだけで、運動エネルギーを与えられないから、そこは念動を併用しよう。念動は発射時だけじゃなくて、発射したあともずっとエネルギーを与え続けられるから、ずっとレールに乗ったままのレールガンのようにできる。重力で放物線を描くこともない。


「精霊よ!ウォーター!」


 私は正式な手順で魔法を行使して、指先から一リットルの水を出しつつ、念動で直径一センチ、長さ三〇センチくらいの水の柱にした。透視でイノシシの目に狙いを定める。まるでスローモーション。目の直前まで、念動で高速で移動させて、そこで念動から手放した。


 ちゅんっ!


 イノシシは倒れた。


「ふぅー、怪我はなかった?」


 この問いは社交辞令。上から見て何もない所にチェスのコマを動かすように、スローを移動させたのだから、なんともないはず。しかし、スローは固まったまま動かない。念動で金縛りなんてかけてないんだけど?


「今朝、神父さんにウォーターの魔法を教えてもらってよかった!」

「あれがウォーターなわけないだろ!」


 あれ?なんか間違えた?呪文は合ってたよね。

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