36 ギルドデビュー
「こんにちは、お嬢ちゃん。名前を教えてくれるか?会員証を作ったり、功績を記録するのに使うんだ」
「美奈子、です」
「ミナコっと。聞いたことのない感じの名前だな。少し待ってろ」
ギルマスは紙にカタカナで名前を書いて、奥に行った。遠くてよく見えなくなったので、透視に切り替えた。名前とランク、達成依頼の報酬とかが書いてある紙束に、さっき名前を書いた紙を新しいページとして加えた。
引き出しから銅のプレートを取り出してきて、ナイフでごりごりミナコと彫っている。裏には西洋数字の1を彫っている。かなり雑だけど、ミナコと書いたプレートができあがって、首掛け用の紐を通した。そんなんでいいの?偽造し放題じゃん。
「ほらよ。登録はプレート代の分が大銅貨五枚だが、依頼をこなして出世払いでもかまわないぞ。なくしたら、再発行にはまた同じ分だけ払ってもらうからな」
「私がプレート代を出すわ」
「ありがとうございます。報酬が出たらお返しします」
「そんなの気にしなくていいわ。もう家族だもの」
「すみません…」
私はギルドデビューした。
「んー、コネット、おまえ暇か?ミナコに依頼の受け方の説明できるか?依頼扱いで、報酬は銅貨一枚だが、やってくれねーか?」
「いいわよ。任せて!」
「美奈子のランクは1よ。ここに1と書いてあるでしょ。依頼をこなして、実績を積んだら、ランクが上がるわ。ランク2になったら、2と書いたプレートに交換してもらえるの。ランクによって受けられる依頼が変わるのよ。
あの掲示板には依頼が張ってあるでしょ。ランク1と書いた依頼を探すの。右側のは常時依頼で、常に誰でも受けられる依頼。受けたいのがあったら、左のお姉さんに依頼の名前を言うの。
左側のは一回きりの依頼で、受けたいのがあったら、剥がして左のお姉さんにもって行くの。それで受け付けは終わり。
物を集める仕事は、右のお姉さんに物を渡せば達成。お掃除とか物運びは、依頼達成のサインを依頼主からもらって、右のお姉さんに渡せば達成。
達成したら報酬がもらえるわ。どう、簡単でしょ?」
「はい。分かりました」
「これで依頼達成かしら?」
「ああ、慣れたもんだよな。おまえに頼むのは三回目だったか?ほら、達成証明だ」
「そうよ、私、もうギルド職員になれるわ!」
「はっはっはっ。空きが出たらな。早く報酬をもらってこい」
「はーい。美奈子、こっちよ」
コネットは右のお姉さんに達成証明を渡した。
「これお願いします」
「はい、報酬よ」
「ありがとう!」
コネットは銅貨一枚を受け取ってスカートのポケットに入れた。
「どう?今のは依頼を受けるところを飛ばしちゃったけど、達成のサインをもらうところから、報酬をもらうところまでは、大体こんな感じよ」
「分かりやすいです」
「じゃあ、依頼を見に行きましょうね」




