12 出産チート 二
「ママぁ、どうしたの?」
ゆうきが心配している。あいかを生んだとき、ゆうきはばぁばに面倒見てもらってたので、出産現場には立ち会ってない。
破水したら入院と言われていた。早く生まなければならないはず。たぶん…。ここには医者はもちろん、人っ子一人いない。ああ、騎士がいたね。文明たいしたことなさそうだよね。
隣の島に行って産婆を探そうか?今からそんな余裕はない。
「ねぇ、ママぁ!」
「……あのね、ママ今から赤ちゃん産むの…」
何この流れ。唐突すぎる!
「へーっ!じゃあ今度は弟が良い!」
「やだー、私は妹が良い!」
君たち少しは疑おうよ。よし!
「じゃあ、二人とも手伝ってね。まず二人とも、身体をきれいにしようか。赤ちゃんに、ばい菌入っちゃうからね」
念動で空気中の水分を手のひらに集めて、子供たちにシャワーを噴射。
「あはははっ、ママやめてよぅ」
「顔にかけないでって、いちゅも言ってるのに!」
美奈子にやったのと同じように、子供たちの体内と皮膚表面、服についた雑菌とウィルスを瞬間移動。海水の成分って何?塩?カリウム?マグネシウム?カルシウム?うーむわからん。皮膚表面と服についた海水を瞬間移動!大雑把な指定でもいけたかな?あとは砂も。
「わぁ!もう乾いた!」
同じように自分の身体と車の中もお掃除。しょうがないじゃん、これ以上衛生的な場所がないんだよ。荷台の荷物とチャイルドシートをアイテムボックスに入れて、念動で後部座席を前に倒して、荷台を広くする。
準備は整った。でも肝心な陣痛が来ないのだ。やっぱり臨月じゃないんだ。このままだと帝王切開…。自分で自分を火葬するのはもちろん、腹を切り開くも無理だよ。こっちに来てからこんな決断ばっかだよ!




