111 今度こそ脱出
さて、準備はできた。
ストレージゲートを閉じるところをスパイに見られてしまうと、上に報告されると思うので…、二酸化炭素中毒で…気絶させた。致死量ではないと思う。着替え見たやつは死んでも知らない。
部屋の監視がこれ以上いないことを透視で確認しつつ、屋敷の部屋に通じるゲートを閉じた。
そして、別のゲートをクローゼットルームから開いた。
出口はセンソルズ領から西北西、二つ町を挟んだところ。西に二十キロ、北に五キロくらい行ったあたり。あまり近いと、すぐ見つかるだろうし。でも、ほとんど滅びてて、残った領は四つ?五つ?だっけ?そんなにスキップできる町はないね…。そもそも、一つの領に町っていくつ?
「じゃあ、こっから出るよ」
「森だ!」
「ママぁ、だっこぉ」
ゆうきとあいかはいつも通りだ。
「メリディ様…、ここは一体」
「センソルズの屋敷の庭ではない?」
イメールとウィズは困惑している。
「ここはセンソルズ領から西北西に三つめの町付近の森だよ。ここから十分くらい歩くよ」
「メリディ様…神の御業…」
「え、えーっ?」
イメールは崇拝モード。ウィズはまだ混乱中。
「あるくのやだぁ。ママぁだっこ!あ、あいか飛ぶ!」
「これから町に入るから、飛んじゃダメ」
「やだー!じゃあだっこ!」
私だって飛びたいよ!この前、ふよふよ生きるって決めたばかりなのに。
くそぅ、一番手間の掛かる、四歳の赤ちゃん。あれ、そろそろ五歳かな。この世界に来てからどれだけ経ったか、あとできちんと数えなおそう…。
「えっと、イメールにはさくらの篭を持ってもらうとして、ウィズにはあいかを抱っこしてもらえないかな…」
ウィズは青ざめている。日本で私も限界だったのだ。二十キロの赤ちゃんを抱っこするのは。でも、
「大丈夫、重さは十分の一にしておくから安心して」
「そのような魔法が…」
「ムーブで浮かない程度に持ち上げてるだけだよ。私のそばならウィズもイメールも、一キロくらい軽くできるんじゃないかな。一度にできる量とか大きさには限りがあるけど、無制限にできるのだから、いろいろ考えて試してね」
「「御意!」」
フォーサスさんにはいろいろ教えてもらったし、タダ飯も食らってたけど、何も返してないな。でも、うざかったし、もう会いたくない。自分で王位、狙ってね。さよなら。




