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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
3章 ママの生き方
109/551

109 脱出準備完了

 二週間、つまり十日経って、再び仕立屋がやってきた。あれ、なんだかんだ、一ヶ月近く居座ってるような…。


「ママかわいい!」

「私も着たーい」

「あいかは、こういうゴテゴテしたのは、すぐ脱いじゃうでしょう」


「メリディ様…か、かわいいです…。」

「この世で唯一咲くことを許された一輪の花…」


 ピンクのフリフリドレスを着た私に、ウィズは賞賛の声。イメールのポエムはよく分からない…。

 でもかわいいだなんて、もとのメリディの精神年齢は知らないけど、私は…。


 そして、次のやつ。


「こ、これは…」


 黒いレースのワンピーススカートから覗く、白いフリルの膝上丈のスカート。これってドレスというよりゴスロリというやつ…?


「い、イメールさん…こんな文化をどこで取り入れたの…」

「これは百年ほど前にオプテイシアで発祥したと言われており、大商人の娘から伯爵令嬢くらいまでに広く受け入れられている、根強いデザインです」

「そ、そうなんだ…」

「メリディ様くらいの年齢である、十歳…から十二、三、四…いえ十七歳くらいまでの、かわいらしい令嬢を着飾るのに…」

「私の人間年齢を無理に入れなくていいよ…」


 百年前の日本にこんな文化はないよね…知らんけど。じゃあ、本家?ゴシックってどこの文化?ヨーロッパ?そんな趣味はないから、とにかくしらないよ!

 でも…


「気に入られましたか?」

「えっ?あ?えーっとぉ…こんなの…しゅ、趣味じゃないんだからね!」

「メリディ様…素晴らしいツンデレです…」

「えっ…今なんと…」

「ツンデレです。意図に反した行動を照れながら取るさま、でしたでしょうか…。これも百年くらい前に作られた言葉だとか」

「私、照れてなんか…」

「なかなか良いと思いませんか?スカートの丈は長すぎないので動きやすいし、着やすいので、メリディ様の普段着か、町に出るときに、と思って。…だって、メリディ様ったら、マジ地味でババ臭いのばかり…」

「ちょっと、マジとか…」

「はっ、失礼しました。子爵家のメイド…いえ王女殿下の侍女ともあろうものが、町娘の使うような日本語を使ってしまいました…」

「それが町娘の日本語なんだ…」

「かく言うメリディ様も、最初の頃とは打って変わって、今は町娘のような日本語の口調になってらっしゃいますね」

「昔は日の本(ひのもと)語って言ってたんだっけ?」

「はい。今でも、オプテイシアの周辺国では、日の本語を使っているそうですが、あまり日本語と変わらないそうですよ。あ、メリディ様は今まで、インテラスにいらしたんですっけ?」

「そう。あまり日本語と違和感はなかった」

「さようですか。しかし、新しい名詞は、オプテイシアで作られて、他国に広まっているそうです」

「へー…」


 それにしてもこれ、結構良いかも…。



 よし、これで私の着られる服がたくさん増えた。

 まず、孤児院からずっと着てる、お忍びドレス。これも胸を調整してもらった。ほつれとかも直してもらった。最初に着た思い出のドレスと言ってもいい。まだまだ捨てられない。

 それから、今回作ったお忍び用三着と、室内の普段着用三着。

 あと、メリディが持ってたドレスで、比較的落ち着いたヤツ十着。胸を調整してもらった。


 全部で十七着。サイズの合わないTシャツ着てたのが信じられない。


 あとは…着もしない、メリディのドレスが三十着くらい…。売る機会があったらいいな。

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