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ママは育児休暇につき世界を救わない  作者: はぴぴ
3章 ママの生き方
105/551

105 陰謀

「…メリディ女王陛下…」

「…女王…様…?」


「ちょ、ちょっと何言っちゃってんのぉ!」


 イメールとウィズは、崇拝するような目で私を見る。

 何このドレス。純白で宝石がちりばめられ、神々しい。女王のためのドレス。


 仕立屋さんも目をうるうるさせている。


「地方の小さな仕立屋の私ごときが…女王陛下のドレス製作に携わることができようとは、なんたる栄誉…」

「わ、私、女王なんかじゃありません!」


 部屋の扉が開いて…フォーサスさんが現れた。おい、着替え覗いてたんじゃねえだろなぁ!勝手に開けんなよ。


「…メリディ様……メリディ・オーナル女王陛下…。やっと女王が君臨なされた…」


 みんなあんまり勝手を言ってると…マジで…世界を…崩壊…させたりはしないけどさ…。


「あのさ…ドレス着ただけで、女王になったりはしないから…」

「何をおっしゃる。誰がどう見ても、あなたは女王だ」


「そんなことを言うのなら、このドレスは没収です」


 私は、私の身体に反射した光子をアイテムボックスにしまう。徐々にその量を増やしていく。それはまるで、私の姿が闇の霧に包まれていくように見えた。

 みんな神々しいのが好きなら、その逆をやってあげるよ。その名も、魔王誕生エフェクト!今思いついた!


「め、メリディ様が、メリディ様の身体が、闇に包まれた…」


 私は思い出した。孤児院を出るときに魔法少女変身ごっこをしたときのドレスが、着たままの形でアイテムボックスに入っていることを。

 光子が漏れ出ないようにしつつ、今着ている女王のドレスと、アイテムボックスの中のドレスを瞬間置換した。

 私はアイテムボックスに入れ続けている光子を、徐々に減らしていって、だんだん黒い霧が晴れるようにしていった。

 現れた私は、置換したドレスの姿。このドレスは宝石がちりばめられていて、それなりに豪華なんだけど、これも普段着なのかな…。少なくとも、女王のドレスというよりは、まだ姫様って感じだし、他に用意してないので、これで行くしかなかった。


「はい、試着はこれでおしまい。お代は払いますけどね、あのドレスは忘れてください。あのドレスは最初からなかった。いいですね」

「な、なな、なんと…今度は魔王が降臨なさった…」

「そうですよ。勝手なことばっか言ってると、魔王がやってきて、この地を滅ぼしますよ」

「ぎ、ぎゃあー」

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