105 陰謀
「…メリディ女王陛下…」
「…女王…様…?」
「ちょ、ちょっと何言っちゃってんのぉ!」
イメールとウィズは、崇拝するような目で私を見る。
何このドレス。純白で宝石がちりばめられ、神々しい。女王のためのドレス。
仕立屋さんも目をうるうるさせている。
「地方の小さな仕立屋の私ごときが…女王陛下のドレス製作に携わることができようとは、なんたる栄誉…」
「わ、私、女王なんかじゃありません!」
部屋の扉が開いて…フォーサスさんが現れた。おい、着替え覗いてたんじゃねえだろなぁ!勝手に開けんなよ。
「…メリディ様……メリディ・オーナル女王陛下…。やっと女王が君臨なされた…」
みんなあんまり勝手を言ってると…マジで…世界を…崩壊…させたりはしないけどさ…。
「あのさ…ドレス着ただけで、女王になったりはしないから…」
「何をおっしゃる。誰がどう見ても、あなたは女王だ」
「そんなことを言うのなら、このドレスは没収です」
私は、私の身体に反射した光子をアイテムボックスにしまう。徐々にその量を増やしていく。それはまるで、私の姿が闇の霧に包まれていくように見えた。
みんな神々しいのが好きなら、その逆をやってあげるよ。その名も、魔王誕生エフェクト!今思いついた!
「め、メリディ様が、メリディ様の身体が、闇に包まれた…」
私は思い出した。孤児院を出るときに魔法少女変身ごっこをしたときのドレスが、着たままの形でアイテムボックスに入っていることを。
光子が漏れ出ないようにしつつ、今着ている女王のドレスと、アイテムボックスの中のドレスを瞬間置換した。
私はアイテムボックスに入れ続けている光子を、徐々に減らしていって、だんだん黒い霧が晴れるようにしていった。
現れた私は、置換したドレスの姿。このドレスは宝石がちりばめられていて、それなりに豪華なんだけど、これも普段着なのかな…。少なくとも、女王のドレスというよりは、まだ姫様って感じだし、他に用意してないので、これで行くしかなかった。
「はい、試着はこれでおしまい。お代は払いますけどね、あのドレスは忘れてください。あのドレスは最初からなかった。いいですね」
「な、なな、なんと…今度は魔王が降臨なさった…」
「そうですよ。勝手なことばっか言ってると、魔王がやってきて、この地を滅ぼしますよ」
「ぎ、ぎゃあー」




