表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

[第4楽章:加速]

こっから一気にラストへと持っていきたいところですが…

とりあえず、全部で10話までいかないのは確かかと。

結局、親父は「行ってきます。」とだけ言って友達のところに泊まりに行ってしまった。

「えぇっと、何だ、きっと親父なら心配要らないよ。」

アリス「はい…」

少し暗い。

「そんな暗い顔するなよ。」

アリス「ですが…」

「ですが、何だ?理由でもあるのか?」

アリス「…いえ……ただ、また迷惑を掛けてしまうのではないかと…」

「それなら大丈夫だよ。」

アリス「でも…!!」

「じゃあ、親父の為に何かしてやれるのか?」

アリス「……………。」

「だから、気にするなって。親父はあれでも喜んでるんだよ、きっと。」

アリス「喜んで…?」

「あぁ。俺だって、お前の話くらい親父から聞いたことあるぞ。あんな娘がウチの娘だったらどれだけ頼もしいことか、なんて豪語してたくらいだ。」

アリス「そう…だったんですか。」

「そもそもお前が人間と同じような存在だからって、何が変わるんだ?お前はもう、ここの立派な家族だろ?」

アリス「…ありがとうございます。そうですね、こんなのちっぽけな悩みかもしれません。機械だとか人間だとか、気にしていては全くダメですね。それこそ、ロボット失格です。」

そう言うと、クスリと笑って見せた。

「あぁ、だから楽しく過ごそう。な?」

アリス「そうですね…頑張ります。」


“ちっぽけな悩み”か。

きっと、急に“人間としてではなく”生まれてきた存在にはとても辛い悩みなのかも知れないな…


次の朝、起きてまずはTVをつける。

そしてアリスの焼いてくれたトーストを頬張ってニュースでも見ることにした。

が……

TV:「……現象デフラグは、拡大スピードを急速に増して、ついにアメリカ大陸とロシア・アフリカ・ヨーロッパの一部、地球のおよそ半分は暗黒化するという事態に陥りました。これらから、緊急時世界政府館の会議では………」

最悪の事態へと向かっていた。

アリス「だんだんと酷くなっていきますね…」

「あぁ…、これじゃあ最後の都市と呼ばれるこの日本も僅か1週間足らずで飲み込まれちまう…」

なんて短い一生なんだ。しかも地球滅亡と同時に一生を終えるのだ。…多分。

アリス「義父様、研究上手くいくといいですけどね…」

「…そうだな。」

アリス「そういえば、“本当に”最後に残る都市はこの施設周辺だと観測されているそうですよ。」

「それは凄いな…親父が?」

アリス「いえ、これは義父様のお友達からお聞きいたしました。ここを本格的な研究所に選んだのも、最後の最後まで間に合うよう研究を続けられるようにとの配慮なのだとか。」

「ふ〜ん…って、それじゃあ研究は間に合わないんじゃないのか!!?」

アリス「えぇと、それは………私からは、なんとも…。」

「くそ…大人しく滅亡ってか。笑える…いや、笑えねえな、正直。」

アリス「でも、完全に望みがなくなった訳では無いんですよ?…きっと、大丈夫です。例え最期が来ても、家族だった思い出だけは一緒に残して欲しいです…」

「…あぁ、悪い。そうだな、まだ会って“2日しか”経ってないもんな…なんだか、とても長く感じたけど。どうせ、月曜日(あした)の休みが終わったら学校だから、それまでに色んなところに行っておくか!…って言っても、別に本当にあと1週間くらいしか無い訳じゃ無いだろうけど。」

アリス「えぇ、そうですね。今は、義父様に頑張っていただきましょう。」

「今日は流石に遠出したくないな…とりあえず、近くの商店街とか見に行って、明日はもっと都会まで遊びに行こうか。」

アリス「なんだか、今から楽しみですね♪」

「ああ。そんじゃ、商店街にでも行きますか。」

アリス「はい!」

朝日と共に、終末の楽章の調べが奏で始められる。

残された光は徐々に消え失せていき、やがては隆仁達を取り囲む。

そんな中、2人が見た最後の光とは…?

次回、終末電脳アリス楽章「ラスト・ホリディ」

今、怒れる悪魔は復讐を遂げる…

(*半分嘘です。)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ