[序曲:ネクスト・ヒストリー]
下手なのでストーリー性が十分じゃ無いかもしれませんが、読んでくれたらとっても嬉しいです。
因みに、作者は現在HPでも作ろうかと悩んでいます。
のでURLはまた後々。
平和。
因みにこれは麻雀とは何にも関係無いので普通に「へいわ」とだけ読んで頂ければ結構だ。
平和。当たり前のように人々の求めるものの象徴だ。
現代の社会では地球温暖化などを通して機械文明の発達はより良い方向へ進んでいった。
その中でも、一番の注目を集めたのが娯楽系の機械産業の聖地・ドイツ。
たった一体の失敗したはずの人型ロボット(少女の人形がモデルになった)は何故か意思を持ち、動き出した。
名前は、この不可思議な出来事、つまり「Alice in wonderland」にちなんでアリーセと名付けられた。
あらゆる人々はこれを機に、「全てのものこそ皆意思を持っている」という思想より「平和」という言葉は世界中に広く伝播したのだった。
そんな豊かの社会の中で、ある問題が発生したのはいつだったか。
ブラジルの都市の一角。
その小さな空間は、音も無く暗転した。
その小さな空間は、徐々に広まった。
そして、停止した作業服の男性は…
音も無く、手の先、足の先、鼻の先から四角く空間が抜き取られていく。
と同時に、シュンシュンとその空間はしぼんで、消えて、闇色に染まる小さな宇宙を見せた。
まさにそれは、パソコンのデータが消滅するような様だった。
突如騒ぎ出す別の男性作業員は、すぐさま警察を呼んだ。
が、無駄だった。こんな現象の対処方法なんて、どこの教科書にも医学書にも警察官のマニュアルにも載ってないのだから。
そんな連絡を受けた上官は、最初冗談にしか思っていなかった。が、事態は悪化していた。
町の1区画は灰色に染まり、
―――――時間が停止していたのだから―――――
その区画の中心部には一つの球体。
その球体は、まるでドット絵のような、ブロックを積んだような、それでいて純粋な黒い塊だった。
――空間の消滅。
そして僅か半年で南アメリカを陥落としてしまったのだった。
いつしかネット上で「まるでこの世界をデフラグしているかのような現象」というどこかの思想家のコメントが広まり、その現象を、こう呼ぶようになった。
デフラグ…すなわち、“穢れの修繕”と称すようになったのだ。
こんなあまりにもありえないことが起きる世界。
そんな世界を、一体誰が“平和”だなんて呼んだんだろう…