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龍の巫女   作者: SEI
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第二話

お待たせしました。第二話です。

「ねぇ、シロちゃん、大丈夫だよね?」

「案ずるな。ワシのかけた回復魔法がしっかりと効いておる。傷も癒えておるだろう?じきに目を覚ますさ」



私が目を覚ますと同時に、そんな会話が聞こえてきた。

片方は普段から聞き慣れた友人の秋菜の声。もう片方の声は聞いたことのないものだが、声の感じからするとどうやら女性のようだ。

会話の内容から察するに、怪我を負って意識を失なった私に秋菜の会話の相手の女性が回復魔法をかけて傷を癒したもののなかなか意識が戻らない私を見て心配した秋菜が女性に声をかけたらしい。

人見知りをする秋菜にしては珍しい。

女性の話では私の傷はもう治ったらしいのだが、まだ体が重い。どうやらまだ本調子ではないようだ。

しかし、なぜ私は意識を失う程の怪我を負ったのだろうか?


・・・思い出した。何故か上空にいて、そこから落下したのだった。落下中に見た限りでは地上はかなり離れていたし、遠くに地平線らしきものも見えたので、そこから落下したとなれば即死は免れないとおもったのだが、どうやら生き残れたようだ。何故かは分からないが。

そういえば、意識を失う直前に何か獣のような叫びが聞こえた気がしたのだが、それが関係しているのだろうか?



「くしゅん!」



あの叫び声のことについて考えていると、何故かくしゃみをしてしまった。風邪だろうか?ここ数年ひいたことはなかったのだが。

そういえば、少し肌寒い。まるで裸で外にいるような・・・。



「・・・裸?」



思考がまとまってきたところで、服を着ている感覚がないことに気付き、慌てて飛び起きて自分の格好を確認する。


着ていなかった。

意識を失う直前まで着ていたはずの制服も、その下に身に付けていた下着も。あるのは秋菜のものと思われる制服のカーディガンだけだ。どうやら秋菜が気をきかせてくれたらしい。いや、その前になんで脱がす?



「あ!シロちゃん起きたんだ‼よかった〜!」



私が軽く混乱していると、先程の女性と会話していたはずの秋菜が抱きついてきた。

ちなみに、彼女がさっきから言っている「シロちゃん」というのは私のことだ。望月白夜の白をとってシロちゃん。実に分かりやすい。



「おはようございます。心配をおかけしました」



抱きついてから離れようとしない秋菜の頭を撫でながら、安心させるために優しく声をかける。


しかし、聞かなければならないことはきっちりと聞いておこう。



「それで、なんで私は服を着ていないのですか?」



私がそう聞くと、秋菜は何故か気まずげに目をそらしてしまった。



「・・・秋菜?」



私が再度問うと、観念したようにため息をついて私の後ろを指差した。何があるらしい。


秋菜か指差した方向を見ると、そこには見るも無惨な私の制服の姿があった。

あちこちが破れ、最早服としての役割を果たさない。それに加え、白いシャツもクリーム色のブレザーも真っ赤に染まっていた。



「・・・なんでこうなりました・・・?」

「それはワシが答えよう」



突然聞こえてきたその声に驚いて振り向くと、そこには巨大な龍がいた。喋るということは古代種か?



「あの、あなたは・・・?」



この声には聞き覚えがある。先程秋菜と会話していた女性だ。



「ワシは神龍アスディーク。この世界を統べる四柱のうちの一柱なり!」



古代種の龍かと思いきや神龍だった。何故そんな大物が私たちの前にいるのだろうか?

なんとなく、嫌な予感がする。

何故普通の女子高生だった白夜が古代種だの神龍だのを知っているのか?それは次回のお楽しみです。勘の鋭いかたはもう気付いてるかも知れませんか。

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