1枚目 拝啓
※どのページにも画像がついています、挿絵表示機能をONにして読み進めることをお勧めします。1ページ500字にみたないのでクリックがたくさんですが、ぜひ読んでいただければと思います。
拝啓
えっと、寒さが一段と厳しくなってまいりました今日この頃ですね。
って、改まりすぎちゃった。あ、身構えないでね。いつもの私だから。
長々と書くけど、最後まで飽きないで読んでくれると嬉しいな。
さて。
少し前の、昔話を今日は君にしたいと思ってお手紙を書きました。
近頃お見舞いに行けなくてごめんなさい。
「よぉ、何してるんだ?」
そう声をかけて、同じ病棟の女の子と二人で、私の病室にやってきたのを君は覚えていますか?
体は骨折とヒビだらけだったから、固定されて動けない私を、笑った君に怒鳴ってしまったのを私はしっかり覚えています。あの時手首動かしたせいで、治りが悪くなったんだよ!?
病院生活の長い二人は、私の先パイのような感じでしたね、同い年だったけど。
そういえばあの時、君と彼女は私にこう尋ねましたね。
「どうして入院したんだ?どうしてそんなに骨折したんだ?」って。
私はごまかしてしまいましたが、それには深い深い、訳があったんです。