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かたつむり
今回は短いです。
雨がしとしとと降り、外は少し空気がひんやりとしていた。 家の庭に咲く紫陽花の花は雫で濡れカタツムリがどこか嬉しそうに動いている。
「♪でーんでん♪むーしむし♪かーたつむりー♪」
ハルも幼稚園の頃に先生に教わった歌を口ずさみながら、カタツムリのめだまを片方ずつつつき遊んでいた。 へこんでは元に戻るめだまがハルには面白くて仕方ないようだが、カタツムリにとっては甚だ迷惑な遊びなのだろう。
しばらく遊び、肌寒くなってきた頃にお母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
「ハルちゃーん!おやつよー。」
「おやつっ!?はーい!いまいくー!!」
ハルは慌てて家の中へかけこみ、カタツムリはゆっくりと紫陽花の上を動いた。