じめんに すわって
おんなのこ
このまちから だれもかれもが いなくなってから はじめての こどもだ
としは ぼくとおなじ じゅっさいぐらいだろうか あと すこしで じゅういっさいに なるけど
ふたつくくりで こうえんの ぶらんこに すわっていて あそんでいる
ああ なんで ぼくは おいてきたんだろうか ひとがくるなら もってくれば よかった
ぼくは すこしずつ ちかづいた けど あしもとにあった なにかにぶつかって きづかれてしまった
おんなのこは ふりむいた
いままで いろんな じょゆーさんとか てれびで みたけど このこ いままで みたなかで きっと いちばん きれいだと おもった
ぼくと おんなじ かみのけのいろで めが ぱっちりしてて どこか みたことのある かおだった
だれ ? なんで ぼくの まちに いるの ?
なんで いきてるの !
いろんな ことが あたまに あって うまく はなせない
けど おんなのこは ちかづいて ぼくに はなしかけてきた
あなたこそ なんで いきてるの ?
ぼくは いっぽを さがった
だって
ここは ぼくの まち だから
おんなのこは いっぽ すすむ
じゃあ わたしは きみの まちの “じゅうにん”ね ?
?
なんで ?
なんでかは わからないけど
いっしゅんだけ ぼくは くちと めが すこし ひらいて
そう すこしだけ わらったのだ
いや
みとめない
ぼくは ひとり だから
そう ちがうんだ
でも なぜか あしに ちからが はいらなくって
じめんに すわって
ねえ
ぼくが こわくないの ?
さんざん いろんなことを いわれたのに
このこは はなしかけて くるんだ
こわくないよ
だって
きみのなかの じゅうにんが きみを こわがるわけ ないじゃん
そっと おんなのこは てを さしのべた
そっか そうだね
うん こんどは しっかり わらっちゃってる
でも おんなのこも わらうから なんだか そう
うれしいんだ
うらぎらないよね だいじょうぶだよね
ぼくの はじめての ともだち
それは ひとりぼっちの おんなのこです