なんにも もたずに
まちのひと ぜんいんってきいて きっと すごいにんずうだ って おもってる ひとが おおいと おもう
けど それは まちがってるんだ
ぼくが いう ぜんいんは まちの くぎられた ばしょの ひとつの ひとたちなのだ
だからといって すごく すくないわけでは ない ぼくてきには たくさんいた ほうだとおもう
でも ひとつの ひとたちさえ ころしてしまえば ぼくの かんがえたとおり ほかの ばしょの ひとたちは ちがうところに いってったんだ
だから ほかのばしょも あわせて このまちは ぼくいがい だれも いなくなったのだ
そんなことより さいきん ほんとうに だれもこない きがする
まえまで しらない おじさん だとか きてたけど さんにん ぐらい きてから だろうか ほとんど こなくなってしまった
そのなかの ひとりの ひとが もっていた けいたいでんわの がめんが すこしだけ きになったことが ある
そのがめんには 『〇〇町について語るスレ』 ってかいて あったんだ
そのまちの なまえは このぼくのまちの なまえで なんでかは わからないけど うわさとかが はなされていて その ほとんどが あっているんだ
なかには なんと ぼくのことについても かかれていたんだ
はんにんは おとこのこだとおもう とか いろいろかかれていて そのけいたいでんわ いちおう しまってあるんだ
で たぶん その すれとか なんとかで みんな ここに きてたんだと おもうけど ぼくが ころしちゃってるから きっと みんな こわくて これないんだと おもう
『気をつけて逝ってこいよ』なんて ぶんしょうを みて いみは よく わからないけど おもしろかった
きょうは ちょっと なんにも もたずに あるいて みることにしてみた
ばっとも はさみも ほうちょうも なんにも もたずに こうえんへ いくことにした
さあついた そんなぼくの めせんのさきには
しらない おんなのこが いたんだ