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フライ・フィッシャーズ  作者: カカオ
恋のぼり
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掃除終了。

 203号室の掃除が終わった。――って、ただ掃除機かけてテーブル拭いただけなんだけど。

 整理整頓が行き届いた部屋は、こちらとしては助かるけど、それはそれでやりがいがあまりない。クノイチのカオス部屋と春日井の部屋を足して二で割ったぐらいが丁度いいのではなかろうか。

 窓から外に顔を出すと、春日井の姿はもうなかった。実は今日子がまた来ていないかと期待していたけど、そんなこともなかった。心に無視できないダメージをくらった。

 新は掃除機をしまい、少し遅い朝食を取った。客が多くいるときの朝は、ばたばたして食事する時間がないのだ。――まあこの時期にお客さんがいるのも珍しいんだけどね。今日って六月二十五日でしょ? ううん、今年はいつもと一味違うなぁ。クノイチはともかく、滝川さんも春日井さんも凄い長期間宿泊してるし、ワケありってやつなのかもしれない。

 そんなことを思考しつつ、食事を平らげる。時計を見ると、午前十一時を少し過ぎたところ。昼食は各自で勝手に取ることになっているので、新にとって少し余裕がある時間だ。

 新は自分の部屋に行き、起動しっぱなしのパソコンに向かい、スクリーンセーバーからデスクトップに戻す。

 こいのぼりの壁紙を見て、嘆息する。

「こいのーぼーりぃぃぃ……」

 調子外れなメロディで歌ってみた。虚しいだけだった。

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