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フライ・フィッシャーズ  作者: カカオ
扇風機の中心でアアと叫ぶ
29/69

センプーキ?

「げっ、あたしが売ったロレックスが三千円で売られてる……」

 古道具屋『近堂』に着くなり、何やら滝川が絶句している。達磨の隣に陳列されているそれは、滝川がついさっき売った時計で、値札には『3000円』と達筆な字で書かれている。

 クノイチはそんな滝川は置いといて、店主のおばあさんに話しかける。おばあさんはノートパソコンのキーをカタカタと打っていた。

「ばあちゃんさー、エアコン欲しいんだけど置いてる?」

「あるぞい」

「いくら?」

「なななーんと驚きのお値段七千円じゃ」

 ――え、ちょっと待ってよ。高くね? 中古のゲームソフトぐらいだと思ってたんだけど。確かに驚きだぜ。

「……おれ、もっと安いのがいいんだけど」

「なななーんとこれが最安値じゃ」

 ――なんてこっちゃ。

「おいクノイチ、扇風機があんじゃん。これにしよーぜ」

 滝川が指差す先には、船のスクリューを取り付けたような変な機械が置いてあった。埃を多分にかぶり、いったいいつからここに住まわれていたのかと問いただしたい。

「センプーキ?」

 クノイチは首を傾げる。

「お前、扇風機も知らないの!?」

 滝川は驚愕の表情を浮かべ、わなわなと震えている。あまりのジェネレーションギャップに頓死しそうな勢いである。

「知らない」

 ――何それ。


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