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フライ・フィッシャーズ  作者: カカオ
アイ・アム・クリステル
14/69

はんぺん

 古道具屋からの帰り道も、クノイチはプール開きに雨に降られた小学生みたいに元気がなかった。ついさっき成川とやりあった地点を過ぎ、とぼとぼと『民宿熊島』へと続く海岸沿いの国道の歩道を進む。

 潮風がぶあっと吹き、前方十三メートルほど先にいる女子大生風の女子二人のスカートがめくれる。内部構造がしっかりと視認できるほどに。

 しかし、まことに信じられないことに、クノイチは全く動じなかった。

 ――重症だ……。

 滝川は事態の重さに改めて気付く。そこまで成川にコテンパンにやられてしまったのだろうか。

 ――仕方ないなー。今日は特別、ご褒美だゾ。

「クノイチ」

「ん」

「おっぱい揉ませてあげよっか」

「えっ! いいの!?」

 ――それでこそクノイチだぜ。

「おうおう。どーんとこいや」

 滝川は胸を張る。通行人の痛い視線は心の壁でガードする。

「で、ではオトコバに甘えて」

 知らない言葉を無理に使いたいお年頃だということで、今回はスルーしておく滝川。ちなみに言うまでも無いが『お言葉に甘えて』です。

 クノイチの両手がすっと滝川の胸を鷲掴みにする。――む、躊躇が無いなコイツ。

 そして天然バイブレーション的動作に移行、滝川の左右の乳がふにふにとされる。――うおー久々に乳揉まれたーよー。

「どーよ、あたしのパイオツは」

 クノイチに訊くと、手をぱっと離し、悩みだしてしまう。そんなに難しいことを訊いただろうか。

「例えて言うなら」

「例えて言うなら?」

「はんぺん」

 クノイチの頭部に手刀を叩き込んだのは言うまでもない。

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