♯2
「で、どう作りゃいーんですか。」
「まあまあ。単純な話ですよ。国民の共感を得た歌詞を作る。。そしていろんな年代層にアピールする。」
「共感・・・?」
「例えば、わが国の女性は美しいだとか、働く女性を応援しますとか、僕たちはほんとは一人一人素晴らしい存在なんだ、とか、恋しちゃって幸せたくさんつかんじゃおう、とか。」
愛は驚いた。政府の要求なのに意外とマトモではないか。むしろ今後書く手助けになる。共感を得させる、とは、つまり愛飢男が愛を得るということだ。愛はにんまりしていった。
「すばらしいアイデアではないですか!いままで気づかなかった・・・。ありがとう!いやいやこれからも手助けしてかまいません!変なこといってすみませんね!」
歪もにこにこして握手し、愛の家を去った。
さて、垣・紅毛子は弟子入りするために愛の家の前にいたのだが、会話を聞いていた。そして出て行く歪が異常に歪んだ笑みを浮かべたため、これはどうもおかしいと察した。これはただ事ではない。垣・紅毛子はその紅毛=赤毛を振って愛のドアを叩いた。
「なんだ。」
「垣です。」
「ああ、赤毛の垣ちゃんね。どうぞどうぞ。」
「さっきの方は・・・・」
「ああ、僕のパートナーになった人だよ。」
「そうですか・・・・。」
垣は疑念を抱きながら愛のレッスンをしに家に入った。
そしてしばらくして歪の指導のもと愛の新曲が出た。「幸せのあいうえお」という歌だ。
~
♪幸せをつかもう。あ・い・う・えお~
そうだー幸せ考えよう。あ・い・う・えお~
そうだー本当のしあわせーそれはみんなが笑顔になるー。
にこにこ笑って、ほら。そうすれば輝くよー。
(サビ)
笑うために 金稼ごう そう 自分を磨こう ラブラブドッキュン
笑うために 愛稼ごう
だって 世界は 幸せだもの
~
その愛の卓越した演出テクによりこれも大ヒットした。そして国民達は歌詞をかみ締めていた。
「やっぱりさー。幸せって愛だよねー」
「うん!僕達も幸せつかむためがんばろう!」
「なんて深い歌詞なんだろう!感動した!さすが愛飢男!」
「はっ、何言ってるんだし。ばかじゃね。こんなんで幸せといえるなんてちゃんちゃらおかしいや。」
「何言ってるんだよ。」
「そうだよ世界は幸せなんだよ。君はただ悲観しているだけだ!」
「そうだそうだ!」
その会話を聞いて歪はにやりと微笑んだ。




