天才の策士
そして、こんなコメントがついた。
ーそもそも、どうやってやるんだ?ー
白墓は答えた。
ー迷惑電話やDDoS攻撃を大量に仕掛けて、徹底的に嫌がらせをする。名付けて、“嫌がらせキャンペーン”だー
すぐに別のコメントが入った。
ーでもそれって違法じゃないのか?ー
白墓は少し間を置いてから、こう書き込んだ。
ー確かにグレーかもしれない。でも、6ちゃんねらーには人数がいる。烏合の衆でも、何か“面白くて”、それでいて“正当性がある”ことをやりたいんだー
しばらくスレッドは静まり返った。
やがて、一つのコメントが現れる。
ーいいじゃん。やろう。俺は賛成だー
それをきっかけに、賛同の声が一気に広がった。
ーやろうぜ!ー
ーおーーーー!!ー
ー俺も田中春は大嫌いだ!!!ー
こうして、田中春襲撃作戦は動き始めた。
ー俺の名前はクリスだ。よろしくなー
その書き込みに、すぐ反応が返った。
ーで、決行はいつにする?ー
クリスは少し考え、こう提案した。
ーどうせなら意味のある日にしよう。もうすぐクリスマスだろ? その日に特別番組があるらしい。だが、あいつにクリスマスを祝う資格なんてない。12月25日、午後0時でどうだ?ー
ーいいね!ー
ーOKー
ー賛成!!ー
さらに別のユーザーが尋ねた。
ー具体的な作戦は?ー
すると、“ハンス”と名乗るユーザーが現れ、こう書き込んだ。
ー12月25日午後0時、ニホン放送のカスタマーセンターに一斉に電話をかける。つながった瞬間に切る。それを1時間繰り返す。同時に、ラジオ配信サービス『Radico』へ大量アクセスを仕掛けて、サーバーを落とす。これでいけるはずだー
白墓は、その明確な計画に思わず息をのんだ。
このスレッドに、ここまで頭の回る人間がいるとは思っていなかったのだった。




