表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/52

no4...奈落の底の剣

「はぁ、びっくりしたぁ……」


 何が起こったのか私にもわからないけど、地面がトランポリンのように跳ねた。わからないことがあったら調べよう。私は地面に対して《ちょっと鑑定》を実行した。


=======================

地面:付与[ 衝撃吸収&やわらか素材 ]

=======================


「なんでだろう。衝撃を吸収する属性?が付与されている」


〉なんだよ! 剣山でも立てておけばいいものを

〉ま、どうせそこからは出られないだろう


 残念がる声が多数届いております。えーえー、死ななくてすみませんね。辺りを見回すと古ぼけた骸骨が何体か落ちていた。


「私だけが運良く衝撃吸収の付与された地面に落ちられたのかな……」


『ふむ 生きたままの人間は久しいな』


「だ、誰?」


 どこからか男の人の声が聞こえた。

 相変わらず周囲の壁は目玉だらけで気持ち悪いけど、人影は見えない。


『我の声が聞こえるのか』


「どこにいるの?!」


 目を凝らすと目玉の壁面の先に通路が見える。でも声はすぐ近くから聞こえる。どこから……。狭い部屋を目玉の壁に沿って少し歩くと、腰ほどの大きさの岩に一本の剣が突き刺さっていた。


『ようこそ 奈落の底へ』


「け、剣が……。喋ってる?!」


〉なんだあの剣!

〉あんな形状の剣は見た事ないぞ!

〉うおー! 欲しいー!

〉上級鍛治師……いや! 宮廷鍛治師呼んでこい!


 岩に突き刺された剣は、日本刀に似ていた。剣には詳しくないけど、両刃の剣を真っ二つに割ったような形だから、日本刀だよね? 中世ファンタジーの世界なのに何故日本刀が?


 そして喋ってる。私はこんな注文はつけてないけど。


 疑問しか湧かない状況で戸惑っていると、剣は勝手に自己紹介を始めた。


『我が名は 神剣カグラ・マサラ 神級鍛治師マサラの作りし神剣だ』


 カグラ・マサラと名乗った日本刀は、いつからここにあるのか。持ち手に巻かれた赤黒い布はボロボロになっているが、刀身はルーメンの光が反射し見事な輝きを放っている。


『さぁ 我を抜け』


「抜けって、抜けるわけないでしょ。こんな岩に刺さってるのに……」


 私はひ弱な悪役令嬢よ? この細腕で抜けるわけないでしょ。

 でも、この剣があれば……。

 あれ? これって……。私は神剣カグラ・マサラの柄を握ると魔法を唱えた。


「《モブテイム》!」


『なっ?!』


 私がテイム魔法発動させると、神剣カグラ・マサラが輝き出し、配信スライムをテイムした時と同じく頭の中にメッセージが流れた。


【神剣カグラ・マサラをテイムしました】


『待て いま 我をテイムしたのか?!』


「そうみたいですね。あなたに近づいたら〈テイム可能〉って出たから思わず……」


『神剣である我を まさかモンスター扱いとは……』


 なんだかカグラはすごくショックを受けているようだ。そりゃ自称神剣と呼ぶくらいなのに、テイムされるなんてショックだよね。でもテイム可能って出ていたんだもん。


『解せぬ』


「でも出来ちゃったんだもん」


〉おいおいおい、剣をテイムしたぞ?!

〉意味わかんねぇ、擬態モンスターだったのか?

〉ミミックって剣に擬態すんのか?


 コメントもザワザワしてる。しかし仰る通り、私は剣技なんて習ったこともない。


――配信累計時間:25分

涼音が出会ったのは、喋る剣だった。

自らを神剣カグラ・マサラと名乗るこの剣は何者なのか

なぜここに刺さっていたのか、なぞは深まるばかりですね!

―――――――――――――――――――――

◆大切なお願い


この作品を読んでいただきありがとうございます。


執筆の励みとなりますので

『面白かったよ!』や『がんばれ』と思った方は


「いいね」や「ブックマーク」

最後に広告の下の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎→★★★★★へ

お願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] コメント視聴が面白いですね。 異世界だけど雰囲気は現実世界気味。 というか神剣をテイム!? その発想はなかったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ