孤独
ある秋の日の話です。
27歳の彼氏が危篤状態でした。
重度のアルコール依存症で、それを止められなかった私も悪いけど、内臓が既に粉々でした。
死ぬ直前急に元気になって、ワンオクロック?とか(私はあまり音楽聴かない)ウーバーイーツとか聴いてる彼が
多分人生で偶然1回か2回くらいしか聴いていないはずの、なんなら曲名すら知ってるかどうか危うい、ジョージ・ウィンストンの「あこがれ/愛」を聴きたいと言うので、サブスクで検索して流してあげたんです。
そしたら彼、ピアノの旋律と家族に囲まれて、ゆっくり目を閉じてひっそりと息を引き取りました。
ある秋の日の話です。
その話を聞いた看護師さんは「本当にそんな人いるんだ笑」って笑っていました。
私は「本当にそんな人いるんだ」と思って涙が出てきました。
ここまで読んで既にお気づきの方もいると思いますが
このお話真っ赤な嘘なんですよ。
なんなら私は男だし
恋人なんか今まで居たことないし。
友達もいません。
アルコール依存症は、それこそ私自身です。
そういう人もいます。
少しずつ、夏が近づいています。
夏が近づいている今日、このお話を書いています。
まあ、そんな日もあります。