そして別れ。その後
よろしくお願いします。
結局、女神サマは〆られなかった。ちっ、残念。
自分で創った世界が残念なことになったからって、なんで異世界の他人に頼ろうとするかな。
自分の世界は自分でなんとかしろやって言いたかったのになー。
実際、まともな人もいるわけよ。神殿の腐敗なんか自業自得じゃん。神託なんて聞ける人に聞かせりゃいいやん、神官じゃなくてもなんも不都合ないと思わん?
まぁ、そんなことをつらつらと幼なじみと友人に愚痴った私は、スッキリまではいかないけど、ストレスを発散。魔王さまである友人のおかげで帰れることになった。
理都ちゃんの魔力がフルに溜まるまで待つこと3日。え、理由は聞かなかったよ? なんか18禁な気がしたし。
その間、私は理都ちゃんの相棒の魔虎? というホワイトタイガーみたいなビッグな猫さんに身も心も癒されとったしな! いやー、なにあの毛並みもっふもふのふっさふさのサッラサラのツヤッツヤ奇跡。
その子供たちなんて天使か!! てなくらいかんわいい生き物だったさ! 連れて帰りたいくらいにもうメロメロになった自覚はある。無理だろうけど。
そんな感じで魔虎さんに後ろ髪ビンビン引かれまくりながらも、帰る準備は着々と進んでいった。
「朱桜、家族に伝言とかは? 真桜ママにお手紙とか書きなよ」
「嫌だ」
「却下」
「すぅちゃん、真桜ママに書こ? 私も書きたい」
「わかった」
「ちょ、理不尽!」
ひなちゃんからは、はな姉への手紙も預かったよ。ちなママにははな姉から伝えてもらうそうな。まぁ、信じてもらえるかどうかもわからんしな。
魔王さまには、理都ちゃんのお姉さんが、腹黒イケメンに拐われて行ったことを話しておいた。
「やっぱりなー、ヤンデレの執念怖ー」
とガクブルしてたので、意味は通じたと思う。
「あ、結花ちゃんスマホかしてー」
「なにかするの?」
「一方通行だけど、こっちからならメール出来そうなんだよね」
「そらすげぇな!」
魔王さま無敵なの無双なのすげぇな!
「私からも送れたらいいのに」
「プライベート無視していいならできるよー。こっちから送ったついでに、引っ張ればいいだけだから。スマホにメール文作っておいて。ただ、選んで引っ張るのは無理だから、全部コピーしちゃう感じ」
「無問題さー」
ほんとは朱桜もひなちゃんも理都ちゃんも連れて帰りたい。でも、私と違って彼女達にはもうこの世界での居場所がある。逆に私の世界には朱桜しか帰れない。それがわかるから、朱桜は絶対ひなちゃんからはなれないから、だから、諦めるしかない。
多分もう会えない人達との別れを涙で終わりたくない。笑顔でさよならしたい。
「フラグ立てじゃないけど、またね?」
「元気でね、結花ちゃん」
「もう来んな」
「かなり理不尽!! みんな、元気で!」
笑顔、引きつってなかったかな。ちゃんと笑って手振れたかな。
真っ白な光に包まれてなにも見えなくなったあたりで、涙が止まんなかったけど、暖かい温もりがそばに寄り添ってくれた気がした所で、意識は途絶えた。
続きます。あと少しですかねー。