アントール家 ミューの願い事はなんだって叶うの!! 当然でしょ? カウント“4”
私以外に時計塔の針が動いた時になる鐘の音は聞こえないことを知って三日ほど経った。
ここでの生活に慣れてはきたが、この世界には日本には無かった変わった食べ物が多いこと、携帯電話という物が無いことと以外は余り変わらないみたいだ。現代人にとって携帯電話が使えないことが辛い。
ログインボーナスぅぅぅぅうう
私財布も携帯電話も持たずにこの世界に来ちゃったんだよなぁ
はぁ ガックシ
持ってる物はどこかの学校の腕章だけだし。。。
え?わらしべ長者みたいに何処かで交換でもしてこれば良いですかねぇぇぇぇぇえええええええ?????
神様??
どうすればいいんだろ??
私はリビングルームの新卒の私には到底 到底手が出せぬであろうお高そうなアンティーク調のソファに座っていると後ろから声が聞こえた。
「おはよぉ ももちゃん」
「おはようございます。 と言っても、もう11時過ぎなんですけどね。。。」
「ふふっ うん♡ あっあれ? ももちゃんが持ってるのってカンカンやアインが通ってる学院のものだね。 どうしたの? それ。」
朝からマイペースなサク君でだなぁ。あっでもこの人本当に美人さんだなぁ~ 雲の様な白髪。センター分けの緩くパーマのかかった儚げな美青年。萌え袖が儚げをより一層感じさせるぅぅう 萌え袖の手を口元に置いてコテッとか正直狙ってるとしか感じられないぃぃいい
え??? これ襲ってくださいってことですか? 旦那??? え??そうゆうことですよね???
ごめんなぁ 私は日本に旦那も彼氏も息子も(複数居る)待っているんだよなぁぁああ
まぁ照れ屋さんなのか画面から中々出てこないですがね!!!! (泣)
しっかしこの屋敷基本顔面偏差値たけぇんだよなぁ
オルフェスさんは大人なダンディーな感じだし。あの大人の色気ってオルフェスさんにしか出ないだろうし
お手伝いすると皆には内緒なって言ってお菓子をくれる事とか、あれって大人って感じなんですよねぇ
ぜひとも見習ってほしいわぁ
アインスさんは言わずもがな美少女 ゲフンゲフン 美少年☆ アインスさんは月のようだなぁって感じるんだよね。髪は月の様な優しい黄色で瞳は月を目立たせる空の色の様なグレー
普段は敬語なのに焦ったりすると、口調が荒くなって僕から俺になったりするんだよぁ~
これこそギャップ萌え♡ 最高ぉぉぉおおお
カノンは・・・黒メガネ? というのは置いといてチャラそうに見えるんだけど、意外と。意外と優しいんだよねぇ しかも林檎の様な赤い髪と桜の様な淡いピンク色の瞳って言うのがズルいよね。似合いすぎてるぅうう
強いて言えば、ミューズさんへの態度だけが気になるんだよなぁ
女の子にあんな態度はなぁっ
女の子はなぁ 愛と綿菓子で出来てるから優しくしてあげなきゃいけない存在なのにぃ
惜しいなぁ カノン。この屋敷に招いてくれたのもカノンだし、なんだかんだピンチの時に助けてくれるいいやつなのに。。。何か訳があるかもしれんしなぁ よし!!!! 今度カノンと喋る機会があったらそれとなく伝えよう!!
ももちゃん ももちゃん!!!!!!!!!!!!!
「あっすみません。」
いかんいかん 考え事しててサク君がいること忘れちゃってた。
「こないだのお菓子の時といい。僕のこと蔑ろにしすぎ!!」
ボソッ これじゃ僕が君の瞳に映らないじゃん。
「すみませんでした」
何かボソッと聞こえたけど、これは私が完璧に悪いしなぁ。聞くに聞けないな
「もう いいよ。 次僕のこと無視したら知らないからね!」
サク君の頭からプンプンって文字が出てそうなぐらいポップな怒り方だ。綺麗な人の怒り方ってホント絵になるわぁ。。
「もう!! 僕ホントに怒ってたんだからね!」
そういうと私の頬っぺたを引っ張った
「すみまぁせぇーーーん」
サク君は頬っぺたを引っ張ったりコネコネしたりと一通り頬っぺたを堪能した後手を放した。
頬っぺた私落ちてないよな??
私は自分の頬っぺたが落ちていないか確認していると
「それで、ももちゃんは何でカンカン達の学院の物持ってるの~??」
「へ? サク君知ってるんですか? これ」
「う~~ん うん♡ 多分カンカン達の学院の腕章だよぉ」
「ありがとうございます!! 二人に聞いてみます!」
「え? うん。 いってらっしゃい。。 僕のご飯は??」
私はサク君が何か言ったような気がしたが、カノンと話す口実を見つけたのが、嬉しくてカノンの部屋へ向かうことにした。
サクレ・クイーンは李葉がさっきまで座っていた虚空に手を伸ばし、掴むふりをした。手は李葉を幻影さえも掴むことはできず、握りしめた手は力なく、落ちた。
はぁ 面白く無いなぁ。
項垂れた頭は重く、重力に逆らう気すら失せたようにさらに下がっていく。サクレ・クイーンは吸い込まれるようにソファにもたれ掛った。
私は深呼吸をし、木目調の扉を叩くことにした。
よしっ
コンコン
シー――――――――ン
あっれ??
コンコン コンコン
今日は休日だからこの時間でもいると思ったんだけどなぁ
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン
「だあ゛あ゛ぁぁぁぁあああああああ う゛るせぇぇええええ なんなんです?? 折角の休日ぐらい静かに過ごさして貰いたいんですがね???」
「あっ アインスさん 朝食ぶりですね。 いやぁ~ カノンさんにお聞きしたいことがありまして部屋を訪ねたんですが、いらっしゃらないみたいで。。。」
「「あっ アインスさん 朝食ぶりですね。」じゃねぇーよ このバカ!! そのノックはなんなんですか! 人様の折角の、折角の!! 静かな一時を。」
「もしかして寝ているかもと思いまして、何回ノックしたら出てくるかなって~って。途中からゲーム感覚でやってまして。。。 てへぺろ☆」
「はぁ゛?」
「あっちなみに数え始めてからですけど、28回でアインスさんが出てきました~ そろそろ限界だったので良かったです。強いて言えばもう少し早く出てほしかったです。」
「あっそうなんですね。それはすみません。 なんていうと思いましたか???? このドアホ!!! なにが「28回でアインスさんが出てきました~」だ。その前に諦めろ。五月蠅いノック音を我慢してた俺に感謝してほしいぐらいです!」
「ごもっとも すみません。」
「で、カノンに用事だったんですよね。」
「・・・はぃ」
「今日はアントール家に行っているので、帰ってくるのは遅くなると思いますよ。今日は確か23日なので。」
「アントール・・家」
「僕は部屋に居ますので用があればノックしてください。次はさっきよりも早く出ますよ。では」
「あっはい。お昼に声かけますね」
「えぇ お願いします。」
バタン
カノンside
「カノン様 お待ちしておりました!!」
「叔父様はどこに?」
「お父様は書斎に居りますが、来られるまでの間私がお相手させていただきますわ♡ 今日のカノン様は前髪を下ろしていて、いつもと雰囲気が違いますね♡ 素敵です♡」
ミューズは俺の腕を掴むと椅子に座らせた。対面にソファがあるにも関わらず隣に座っている。腕は離さないといわんばかりに俺の腕を掴んでおり、従兄妹同士の距離では無いなぁ
「ミューズ ちょっと近いかなぁ」
目に光が無くなり、ミューズはつぶやいた。
「・・・お父様」
「え?」
座っていたソファから、しなやかに降りると両手を胸元に置き口角を上げた。
「カノン様はお父様に用があるのですよね。 義母様。。。 お元気ですか。」
ニコッ
「母は、変わらずだよ」
「そうですか。 良かったですわ♡」
「待たせたね。カノン君」
「いえ。つい先ほど来たばかりなので。」
「もう!! お父様ったらカノン様との時間を邪魔しないでくださいませ」
ミューズは頬を膨らませるやいなや、叔父の隣に腰を下ろした。
「まぁ ミュー そう怒るな。 ところでカノン君今日はどういったご用件で?」
「何のご冗談を。月に一度このアントール家へくる様決められたのは叔父様ではないでしょうか。」
「あぁ そうだったね。すまないね」
「いえ。叔父様もお変わりなくて良かったです。では無事にお会いできましたので、そろそろお暇させていただきます。」
カノンが扉に手をかけた時
「そろそろ二人について話を進めようと思うんだが、どうだい? 僕の時みたいにならない為にも」
「失礼します。」
「カノン様まってーーー あ~あ お父様のせいで帰ってしまったじゃないですか!!」
「そうなに。気にするな。 もう少し待てばカノン君はミューの物になるよ。」
「そうでしたね。」
ミューズは座っていた席から降りると窓際の椅子に腰を下し、肘を置き手に顎をついた。窓からは馬車に乗ろうとしているカノンが見えた。
カノン様は一生死ぬまで、ミューの物♡
「・・・アントール家かぁ」
アントール家って確か。。。
私は何時の間にか、お昼も終わりベッドに横たわっていた。
――― 将来カノン様のお嫁さんになるミューズ・アントールです!! ミューズとお呼びください!―――
ミューズさんの苗字だ。
ストーカーってアインスさん言っていたけど普通ストーカーの家に行かない、、、よね。
けどホントミューズさんって女の子の中の女の子って感じで可愛らしいんだよなぁ。
あんな可愛い子に迫られたら誰でもコロッといっちゃうよね・・・
付き合ったのかな。どうなんだろう。なんで家に行ってるんだろう。
考えれば考えるほど。。。 はぁ。。。いかんいかん
胸が痛いのは気のせいだ。これはきっと食べ過ぎて胃が痛い
きっとそのせいだ!!!
はぁ。。。カノン。いつ帰ってくるかな。
手に持っている腕章を高く上げ太陽を隠した。
ボー――――――ン
カウント“4”