トロワンズ学院 モテル男はストーカーがいる それって鉄板??
「えっっとトロワンズ学院は、ここかな?」
私は手に持っている地図を確認して、何とか学院までつくことが出来たが、カノンのクラスを聞くのを忘れたーーーー
しょうがないので学院内を探索がてら探すことにした。確か18歳だから、三年生かなぁ。どうしよう。この広い学院でカノンを見つけることは、砂漠の中から金を探すことと同じだと考えて歩いていると、人だかりを見つけた。何となくその人だかりを覗いてみるとアインスさんを複数の女学生が取り囲んでいた。
いた、いた、いた。んーーーー。だけどこの集団の中に入るのはやだなぁと考えていると、一瞬。一瞬目が合った気がする。いや。がっつり合ったわ。だってあの顔ニコッて笑ってるけどあの顔は違うと私の脳内が言ってる。これは逃げるが勝ちだ!! 取り敢えず、逃げよ。私は踵を返す様に後ろを向こうとした
李葉さん
終わった。
取り囲んでいた女学生が一斉に私の方に注目していた。やられた。いつの間にか、腕をアインスさんに掴まれていた。イタイ、イタイ腕痛いっすよ。アインス大王
この状況をどの様にして打破しようか考えていると、取り囲んでいた女学生の一人がアインスさんに話しかけていた。
「あの この方はアインス様とお知り合いでしょうか」
わぁ この子絶対アインス大王のこと好きじゃん。めっちゃ顔赤くして聞いてるし、、、
「あぁ この子は、僕の大切な人。だからみんなごめんんんっね」
黄色い声援と共に私はアインスさんに腕を引かれた。
「とりあえず、巻いたかな」
あのぅ、そろそろ腕話してほしいなぁっとアインスさんを見ていると
「あっごめん。 そういえば、どうしてここに?」
アインスさんは照れた様子で来た理由を聞いてきた。ほう かわいいな
「えーと、遡ること朝。
お二人が学院に行かれたちょっと後の話
オルフェスさんって朝から大人の色気があるなぁと考えていると
李葉さん、李葉さん
「え?」
「すまないが、これをカノンに届けてはくれないだろうか。本当は私が届けに行ってやりたいのは山々なんだが、あいにく午後一に仕事があっていてね。地図はお弁当の下に挟んでおくから準備が出来たらお使い頼んだよ」
オルフェスさんと私はゆっくりめの朝ご飯を食べていると、あのチャラ男ことカノンがお弁当を忘れたらしく届けることとなった。
「あっはい! かしこまりました!!」
「うん。お願いね」
私の声が大きすぎたのか、オルフェスさんは目を丸くしたのち、微笑んで答えた
って感じですね。」
「なるほど。あれなら僕が連れて行ってあげようか? 別にあんたがどうしてもってならの話だけどね。。。」
「えぇ お願いしますぅ もうほんとこの学校広すぎて正直困ってたんですよ。これじゃあお昼ごはんに間に合わないかもって思っていたので助かりますぅ」
アインスさんは少し照れた様子で、腕を組んでいたが、なりふり構わず私は懇願した。そんな私をみて、はにかんでいた。
ほら 手
と何故か手を出されたので、私はカノンのお弁当を渡した。が返ってきたのは大溜息だった。
え?どうしようか。私は考えた。
あっ金か。金。それなら財布にって、
あああぁぁぁぁぁーーーー
「? 何 うるさいんですが。」
私お金なくって、カノンに奢ってもらった人間なのに。私お金ない。
「あっあの。ごめんなさい 私お金ないです。」
私は頭を下げた。この光景傍から見ると、美少年の告白を断っている感じに見えるわ(笑)
あっははは 「頭 あげてくださいよ」
まだ出会って数日だが、今までで一番優しい声。・・・にもかかわらず、取り巻く空気は氷点下だった
え?さむっ 頭を上げると、優しい声からは想像が出来ない。目に光が無いのに、口元は笑ってる。こわっ
「あっあのアインス、、さ、ん、、?」
「あんたバカ? 普通手を出されたら手を繋ぐのではと、考えるでしょ」
あっなるほど。それは思いつかなかった。
「ほら んっ 早く行きますよ」
「あっじゃあ、、、 お願いします、、、」
アインスさんに手を引かれ、学院の中を進んでいくと白を基調としたテラスが見えた。
「ほらっ あそこにカノンがいるよ」
アインスさんのお弁当を持った指先を覗いてみるとカノンの後ろ姿が見えた。
「あっほんとですね。 ここまで案内ありがとうございます!!」
頭を下げ、再度覗いてみると、カノンの奥にもう一人いるように見えた。
「あれ? なんか二人いませんか?」
「え? あぁ あの子ですか。」
「これ 持って行って大丈夫ですかね? 見た感じ女の子ですし。。。」
「さぁ いいんじゃないですかね? あんたもオルフェスさんのお使い終わらないですし、あの子はカノンのストーカーなんで。」
・・・ストーカー ストーカー スー・トー・カー??
「ストーカー???????」
私の余りも大きな声に、思わずアインスさんは両耳を塞いだ。
「うるさいっ あんたが余りにも五月蠅いからカノンも目かっぴらいてみてますよ」
「あれぇ~? ユースちゃんにぃ、李葉ちゃんじゃん☆ どうしたのぉ??」
カノンは大きく手を振りながら聞いてきた。うっわぁ なんかそのテラスに行きたくねぇ。 後ろの女の子なんかめっちゃ睨んでね?親の仇の如く。わぁーめんど☆ このまま帰っていいかな。お弁当だけその場に置いて。
う゛っわ 近寄ってくんな。
「カノンがお弁当を忘れたから、届けに来てくれたみたいですよ」
「あぁ~ ありがとう☆ ユースちゃんにぃ、李葉ちゃん!! ユースちゃんが、ここまで案内してくれたんでしょぉ? やっさっしぃね~
・・・でさぁ いつまで 手 繋いでるの?」
急に流ちょうになるなや。
「「あっ いっやぁ あっはっはっはぁ それもそうですねっ」」
ストーカーの方が印象が大きく手を繋いでいたことなんて、忘れていた。思い出したら繋ぎっぱなしだ。恥ずかしい。。。ストーカー。ストーカー!!
「ストーカー!!」
「あっバカ」
アインスさんが止めようとした時には私の口は開いていた。
「ストーカー?? あぁ この子ねぇ この子は「将来カノン様のお嫁さんになるミューズ・アントールです!! ミューズとお呼びください!」いやっいやいやいや違うよ。俺のお嫁さんではないかなぁ~」
腰辺りまで、靡くクリーム色の艶やかな髪、パッチリ二重のオレンジピュール色の瞳。守ってあげたくなるようなウサギ系女子。あっこれ普通に可愛いぃぃ。美男美女じゃん。いや普通に。いやマジで。
「ところで、あなたこそ、カノン様のなんですの!!」
ミューズさんに指を指されたが、私か?
何だろう?宿を提供してくれた人?それとも奢ってくれた人?え?友人?・・・何だろう?
「え゛私? ただの知り、合い?」
私はアインスさんとカノンの顔を交互に確認していると、あろうことかカノンは私の肩に腕を巻き付け
「えぇーーー そんなひどいこと言うのぉ 同じ屋根の下で暮らしているのにぃ」
離せ離せ ミューズさんの射貫く視線が痛いわ
若干 目に涙が溜まっていませんか?? もうプルプルしちゃってんじゃん
傍から見たら私が悪女じゃん
パンッ
「ここまでにしてください。カノン!! 悪ふざけが過ぎますよ。ミューズさんもカノンの悪ふざけに、わざわざ反応しないでください。同じ家に住んでいるだけです。」
「えぇ ミューもカノン様と一緒に暮らして、毎日おはようのキスからおやすみなさいのキスをしたいですぅ!!」
いや。同じ所に住んでるだけで、私はおはようのキスからおやすみなさいのキスをした記憶は無いんだがwww
・・・もしかしてアインスさんとカノンはそういう関係なのかも
私はほんの少しの希望を込めてアインスさんを見ていると
はぁ? バカなの
という目をされた。。解せぬ
「ん~ ごめんねぇ それは無理かなぁ☆」
「あの方は良くて、何故ミューはダメなのですか!!私は、私はカノン様をこんなにお慕い申しておりま
「チ゛ッ 黙れよ ミューズ 何度も言わせないでくれないかなぁ」っん゛ ひどいです。ひ゛どいです こ゛ん゛なに こ゛ん゛な゛にぃぃぃ 愛しているのにぃぃぃぃぃいいい」
聞いたこと無い低い声のトーンでカノンの腕に巻き付いていたミューズさんの腕を、勢いのまま強く床に向かって振り落とした。ミューズさんは絵に描いたようにオレンジピュールの瞳から涙を流していたが瞳は親の仇如く私を睨んでいるぅ え? 私を恨むのはお門違いだと思うのですが。。。
え?? えぇぇぇーーーー
「ちょっと 言い過「あなたの出る幕ではないですよ。これはカノンとあの子の話。カノン。ここにお弁当置いていきますから。 ほら 行くよ」えっちょっと待っって。」
私は黙っていられなかった。どんな理由があろうとも女の子に対しての態度では無いと感じ、カノンを咎めようとしたが、それはアインスさんによって憚れ、腕を引かれテラスを後にした。カノンの後ろ姿が何だか寂しそうに見えたのは気のせいだったのだろうか。
「ここ真っ直ぐ行ったら門に着くから。」
それだけをいってアインスさんは門とは反対方向へ進んだ。私は何も言えず帰路することにした。
その時学院内に大きな音がなった。
昨晩と同じように
“ボー――――――ン” っと