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ここに住まわしてください。ここに住みたいんです!!

「でっかいぃぃー」


これはビックリした。居候の人が何人かいることは聞いていたが、こんなに大きな家とは想像してなかった。私の家何戸分何だろう。


「ねぇ。入らないの?」


ユチーフさんに言われ、急いで敷居を跨いだ。

言わずもがな屋敷の中も凄かった。一体お家賃いくらって感じですかね。住んでいいよと言われても、家賃が払えない説あるなと、ボーっと考えていると、ユチーフさんのお顔がドアップに。いいなぁ。イケメンってドアップでも耐えれるって。って違う


「な、何ですか。いきなり顔面を近付けてきて。ビックリするじゃないですか。イケメンって自覚してないんですか。ユチーフさん」


「その、ユチーフさんっての俺、嫌だなぁ。それと敬語。御菓子食べてる時とか、意識してない時だけタメ口って、李葉ちゃん気づいてる?」


「いやぁ。初対面ですし、多分ですが、ユチーフさんの方が年上だと思いまして。流石に年上にタメ口はいけないかと」


徐々に声が小さくなっていく私に対し、ユチーフさんの顔には悪魔の微笑みがぁ。あっこれ。いい案思いついた顔だ。


「一緒に暮らすんだしぃ、タメ口の方がいいと思うなぁ。それと李葉ちゃん。俺18だけど」



  え?


耳を疑った。


「俺18歳で学生だよ☆ 服装だって、何処から見ても学生服でしょ」


いや。日本ではそんな学生服は見たことないんだが。茄子紺色で全体が染まっていて、肩や留め金に金の刺繡が。

まるで日本で当てはめるなら、軍服。それも陸軍大将の様な装い。どっからどう見ても成人男性に見えるんだがぁぁl。とりあえず、


「・・・ユチーフさん。18歳だったの」


「カ・ノ・ン」


顔を見ない。顔を見ない。


「カノンは年下だったの」


「うん♡」


語尾にハートでもつきそうな勢いで答えた。


「李葉ちゃん年上だと思ってるんだろうなーって思いながら対応してたぁ。それとぉ、バカ犬の様にキョロキョロお店見てて滑稽だなぁとも~ 思って見てた」


あっこいつ性格悪い奴だわ。元々裏がありそうだとは思ってたけど、宿紹介してくれたし、ホントは良い奴かもと、一瞬でも勘違いした私を殴りたいぃぃぃぃ。

カノンと玄関口で騒いると、




カノンさん。お帰りなさい。そちらの方は? 


部屋から出て来たであろう美少女が階段から降りてきた。


「ユースちゃん♡ たっだいまー」


カノンは、美少女に抱きつきに行った。あっイケメンと美少女のハグ、良い。絵になるなぁ。


「ちょっと、カノンさん。お客さんの前ですよ!! 離れてください」


アッ気にしなくていいですよ。ホント私空気扱いでいいので。空気を読んだか、読まないか分からないが、カノンは


「あぁ。忘れてたぁ。まだオルフェスさんに承諾は得てないけど、今日から一緒に夜を共に過ごす予定の池途李葉ちゃんだよ。因みに池途がファミリーネームみたぁいー」


語弊を招きそうな言い方すんなや。


「へぇー。珍しいですね。ファミリーネームが先にくるなんて」


アッ良かった。彼女さんは気にしてなさそうだぁ


「だよねぇー。俺面白そうだなって思って連れてきちゃった☆」


語尾に星が見えるぞぉ。星が。


「で、李葉ちゃん。この可愛い子がユース・アインスちゃんだよ」


あっ可愛いぃぃ。黄色い髪に、グレーの瞳。美少女だわ。


「初めまして。池途李葉です。男性ばかりだと思っていたので、女性が居てうれしいです。女の子同士仲良くしてください。」


美少女とお友達になれるのは嬉しい。


「あっ李葉ちゃん。ユースちゃんはね『゛あ?』」



あれ。ボブの髪がプルプル震えて、


「俺は男だ」


「え? 男の子?」


あれ。あれれれ。おい。お前笑ってないで、助けろや。目線で訴えると、再度爆笑しやがった。(怒り)


「ごめん。ごめん。ユースちゃんはねぇ、正真正銘男だよ。しかも、17歳だから男の子よりは、野郎♡が正しいかな」え?少し私より身長が高い美少女だとは思ってたけど、カノンと頭一個分ほど違うぞ。


「あんた なんか失礼なこと考えてない?」


アインスさんは可愛らしいお顔をこれでもかと頬を膨らましていた。怒っても綺麗な顔っていうのは様になるんだなぁ。いいな。。。。


「きっとねぇ。李葉ちゃんはユースちゃんの身長が気になってるんだと思うよぉ」


あっ余計なことを。ニヤニヤすんなや。


「はぁ? まだ知り合ったばっかの人に言いたくないんですが」


そりゃそうだな。うんうん。


「じゃあ俺が代わりに答えてあげるね。ユースちゃんの身長はぁ、俺の身長引く18㎝だよ。因みに僕は181だよ☆彡」


なるほど。163㎝か。アインスさんの方をそれとなく見てみると、先程よりも頬が膨らんでいた。


「取り敢えず、カノンさん一度でいいので死んでくれませんか?」


「しょうがないじゃん。可愛らしいんだから☆ 」


うわぁ。カノンとアインスさんがイチャツイテル。






カノン。ユース。何をしてるんだい




めちゃくちゃダンディな声が後ろから聞こえた。


「オルフェスさん!! カノンさんをどうにかしてくだい」



「そんなぁ。ユースちゃんひどい。俺ちゃん泣いちゃうよ。あっオルフェスさん。ただいまです」


あっどうしよう。今絶対アインスさんと同じ気持ちだ。というより、あの方が家主のオルフェスさんかぁ。オールバックの短髪黒髪。良い。何より瞳が淡い紫色をしている。なんて美しいんだろ


「カノンは年下をイジメない。そしてお帰り」


「はぁーい」


「ユースもいちいち反応しない」


「・・・はぁい」


二人共小言を言われる始末か。これは雲行き危ないなぁ。何処か他人事のように感じながら見ていると、


「ところでカノン。そちらの女性は?」


「あっこの子は池途李葉ちゃんっていってね。宿無し仕事なしの可哀想な。かっわいそうな子なんだけど、部屋も空いてるんだし、、、どう?かな ちなみに池途がファミリーネームなんだぁ」


言い方。言い方。けど、どうにかしようとしてくれてるのは、ちょっと嬉しい、かも。。。。


「ふむ。池途がファミリーネームは珍しいね。李葉さんはどう思う。男だらけの暮らしで、居づらくは無いかな」


優しい口調ではあるけど、牽制を掛けられていることは分かる。


「家事や洗濯・雑用まで、何でも行いますので、ココに住まわせてください。お願いします」


私はなりふり構わず、伝えた。


「オルフェスさん。僕からもお願いします」


カノン。。。。


「いいんじゃないですか。俺は賛成ですよ」


声の方を向くとアインスさんの声だった。


「何故か。聞いても?」


オルフェスさんの視線がアインスさんへ向いた。


「今までは男だけで順番に洗濯や家事を回していましたが、そろそろ新学期も始まりますしね。なんていったって、学生は勉学が本文なので。その時間、勉強に当てれると思います。」


「ふむ。一理あるな。では李葉さんには主に家事や洗濯、雑用を行う対価として宿を提供することで、皆さんよろしいかな」


「「はい」」


「と、いうことで李葉さん。改めまして。この宿の家主 オルフェス・アールと申します。皆からはオルフェスさんと呼ばれることが多いかな。良ければそう呼んでくれ。他にもう一人がいるが、あの子はあまり外に出ない子でね。私の方から伝えておくから会った時、仲良くしてくれると助かるよ」


ハミカミながらの笑顔はずるいです。オルフェスさん。(泣き)


「こちらこそ改めまして。池途李葉です。よろしくお願いします」


「詳しい仕事内容や事情などは李葉さんの部屋を案内した後。夕食の時にでも話そうか。カノンは李葉さんを屋敷の案内と、使う部屋に案内してやってくれ。確か、カノンの右隣が開いていたはずだ。ユースは私と一緒に食事の準備を手伝ってくれ」


「了解☆ 李葉ちゃん。行くよ」


カノンと行く前にアインスさんに聞きたいことが。


「はい。オルフェスさん」


あっアインスさんがオルフェスさんの所へ行ってしまった。まぁ聞く機会は何時でもあるかな。でも何で了承してくれたんだろ。






「ここが。李葉ちゃんの部屋だよ」


部屋にはベットと、机が配置しており机の上には桜色の時計が置いてあった。


「カノンさん。ありがとうございます。助かりました」


私はカノンに頭を下げた


「李葉ちゃんー。敬語になってるよ☆」


カノンはベットに腰掛けた


「ありがとう」


「いいえー ところでさぁ李葉ちゃんって何者なの」


時計の秒針の音がやけに、うるさく聞こえた




カチカチカチと時計の音が部屋に響く



「・・・え?何者とは?」


「最初に会った時も思ったことなんだけどね。この国の服装をしているのに、この国の御菓子を知らないなんて可笑しいよね」



「家が厳しくて」


家が厳しくてってなんだよ。私


「ふーん。そっかぁー。じゃあ今って何年? お家が厳しいからといって流石に知ってるよね☆」


悪魔降臨しましたー

何年。何年なんだ。分からんぞ。私には。分からんぞ。背筋に汗が。


「・・・・答えられません」


「ふふっ どうして」


「記憶が無い為、答えることが出来ないんです」


間違ったことは言ってない。うん。言ってない。だって本当に日本生まれの女で、疲れた日常生活をオタ活で癒していたこと以外覚えてないんですもん。しいて言うならば異世界産デス☆

カノンの目が見れません。視線をすっっっっっごく感じますが


「なるほど」


そのなるほどと、思っていない表情されてまっせ 旦那


「なので、答えられないんです」


「家が厳しいと嘘をついた理由は?」


「身元不明で尚且つ、記憶が無いとバレてしまったら追い出されると思ったからです。。。」


手に力が入る。


「そっか。もう大丈夫だから」カノンの腕が私を包み込んだ。


「ごめんね。疑ちゃって。もう大丈夫だから」


「いえ。こちらこそ。疑わしい振る舞いをしてしまって、すいません」


「・・・」


「・・・」



え?沈黙がキツイ。後カノンの抱擁がやばい。やっぱイケメンって匂いも良いんだなぁと、明日の方向を見ていると





何やってるんですか



声の方に目線をやるとアインスさんがドアに寄りかかって、腕を組んでいた。


「いっておきますけど、俺はきちんとノックしましたからね。気付かなかったのはお二人の方ですから」


カノンは慌てて拘束を解いた。その時胸のあたりがチクッとしたのは気のせいだと思いたい。


「あはは。ごっめん☆ で、ユースちゃんは、何の用?」


カノンは手を自身の髪に置き聞いた。


「夜ご飯の準備が出来たので、オルフェスさんに二人を呼んで来てほしいと頼まれてきたんですよ。ノックをしたのにも関わらす、返事が無く人の気配は感じたのでドアを開けたら、何故か抱き合っていましたけどね」


ギスギスとアインスさんの視線が。


「そっかー。ありがとう。ユースちゃんも俺にハグしてほしかったんだね。ごめんごめん」


アインスさんの所へ向かおうと私の横を通り過ぎようとした時、耳元で


「俺に任せといて」


そう言ってカノンは手を広げアインスさんの所へ向かった。



私がダイニングルームに着くころにはカノンとオルフェスさんが話をつけた用で、


「カノンから聞いたよ。君はカノンの知り合いの所のお嬢さんのようだね」


正面に座ってパスタを食べているカノンの方を見てみると口パクで合わせてと言っていた。無一文で外に出されることだけは、したくない。


「はい」


心苦しいが・・・


「この国は初めてで心細いかと思うが、ご実家と同じように過ごしなさい。仕事内容なんだが私は弁護士をしていてね。この建物の一部を事務所として使用しているんだが、一人ではどうも滞ることもある。李葉さんは仕事も探しているといったね。良ければこの家の家事や洗濯、そして私の仕事の雑用を頼みたいと思うがいいかな」


「私に弁護士さんの手伝いが出来るでしょうか」


「なに。そんな身構えなくても大丈夫だ。主に相談者との日程調整などを頼みたい」


「はい。それぐらいでしたら、出来そうです」


多分大丈夫なはず


「では、明日からお願いしよう。」


「ちょっと待ってください。」


「なんだね。ユース」


え? ここでストップ入りましたー やっぱそうだよな。そんな簡単に上手くいかないよなぁ


「李葉さんとは玄関先でお会いした際に何も手に持っていませんでした。家出の可能性がありませんか?」


流石だよ。ここにてお隣に座っているアインスさん、ぶっこみましたね。。。。


「そういえば、そうだね。荷物はどうしたんだい」


え?家ですよ。身一つで異世界来たんでありません。そう言えたらどんなに楽か。遠い目をしていると


「俺が買ってあげるから、何も持ってこなくていいよぉって冗談ぽくいったんだけど。真に受けちゃってほんとに何も持ってこなかった。おまぬけさんなんだよねぇ。ね 李葉ちゃん」


あっ私結構バカだと思われません? これ


「あっ …はい」


「ふーん そうゆうことなんですね」


アインスさん絶対納得してませんよ。その顔


「まぁまぁ では明日はユースとカノンを連れて必要な物を買ってきなさい」


「はーい よろしくねぇ 李葉ちゃん☆」


「なんで俺まで。。。。」


そんな嫌そうな目でこちらを見ないでくださいよぉ


「ユース 頼んだよ」


「わかってますよ オルフェスさんの頼みですから行きます」


やっとやっとご飯にありつける (泣)


「ところで李葉ちゃん寝る時、どうするの?」


どうするのとは? 私が首をかしげると

え? あんたバカなの的な顔をしたアインスさんが


「何も手持ちが無いのにどうやって寝るのか聞いてるんですよ。カノンさんは」


あっなるほど。私は今一度自分の着ている服に着目したが、この服では眠り辛そう。


「俺が貸してあげてもいいけど李葉ちゃんには大きすぎると思うけど・・・着る?」


私に選択肢あるんですか? これ イケメンの服着れるってある意味合法な気がする。カノンの目線は私では無く、アインスさんの方に向いていた。


「俺のでいいですよ。一番小柄なんでね」


「え? ざんねーん」


あーうん。カノンの残念は1000%嘘だわ これだけは分かる。


「あんた 食事終わったでしょ いくよ。 オルフェスさんこの子に服を渡さなければいけないので失礼します。 カノンさんが言い出したんですから、片付けよろしくお願いしますよ」


そう言い、アインスさんは私の手を掴み部屋へ向かった。

後ろからはカノンの不満聞こえたが、バカ子設定したと思うと、ざまあと思う私がいた。


「ここに座ってて。」


アインスさんに言われるままベットに腰掛けた。白を基調とした部屋をキョロキョロと見ていると


「あんまり、見ないでくれますか。不快なんですが」


「すっすみません。」


「はぁ・・・ これでいい」


そういってアインスさんから渡されたのは、裾に花のイラストが描かれている白色のワンピースだった。


「わぁ かわいい これどうしてあるんですか」


「・・・・別に。関係ないですよね。取り敢えず、渡したんですから、ご自分の部屋に戻ったらどうですか」


ありゃ。触れない方が良かったかも。


「あはは 失礼いたしました。じゃあ部屋に戻りますね。服ありがとうございます。おやすみなさい。」


「あっはい。おやすみなさい。」


バンッ


挨拶をする前にアインスさんの扉は大きな音を立てて閉まった。

はぁぁぁ。アインスさんと仲良くやれるのだろうか。


ベッドに倒れこみ今日の出来事を思い出していると、遠くの方で大きな音がなった。



“ボー――――――ン”


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