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[0]とある魔女っ娘の証言

 わ、私はロロチカ。

 自分で言うのもど、どうかと思うんだけど・・・・・・。き、気弱な魔女の小娘で、です。

 そ、そのー・・・・・・。わ、私には分からないんだけど、魔法が扱えるに、人間ってかなり少ないらしいんです。で、でもお母さんがい、言うには魔女はみんなま、魔法が使えるそ、そういう種族みたいなんです。

 そ、そのお母さんが言うには、ま、魔女の祖先は魔族と人間のハーフだったらしいです。そ、それでそのハーフと人間の子供のく、クウォーターですか?そ、そのクウォーターと人間の子供・・・・・・。その子供と人間の子供・・・・・・。さ、さらにその子供と人間の子供・・・・・・。さ、さらにさらに、その子供と人間の子供・・・・・・。え、えーと。さらにってな、何回まで続けていいんですか?


 も、もうよく分からないので、省略させても、貰いますね?そ、そんな感じで人間の血が入り続けてで、出来た種族との事です。


 そ、そんな魔女の子は基本女しかう、生まれないんだとか。な、なので子供を作るにはに、人間の男とそ、そのえっちな事をし、しないといけないんだとか・・・・・・。わ、私にで、できるでしょうか・・・・・・?

 お、お母さんが言うにはそれはか、簡単ではないらしいんです・・・・・・。ふ、普通の人間の人は魔女をこ、怖がって嫌がるんだとか・・・・・・。ぼ、冒険者の人達には魔法は便利らしくてな、仲間として歓迎されるらしい、です。け、けど、それでも女としてはなかなか見て貰えないんだとか・・・・・・。

 せ、世界にはわ、私みたいな魔女のこ、小娘がいるわけで・・・・・・。ま、魔女はそのう、うち絶滅する気が、します・・・・・・。


 こ、これから話す事は珍しくわ、私みたいな魔女の小娘をい、嫌がる事も怖がる事もなく接してくれたあ、ある男の子の話です・・・・・・。




「こ、こわいです・・・・・・。な、なんで私お、追われているの?」


 わ、私は人間の町までお、お母さんにお使いをた、頼まれて行った時です。わ、私はよく分からないに、人間の大人達に追われていたんです

 そ、そのお使いはさ、裁縫で使う布やは、針でした。お、お金は森で取れるめ、珍しい薬草やお母さん特製のく、薬を売ったお金です。お、追われる理由がわ、分かりませんでした。

 ま、魔女をよく思わないひ、人がいるのはた、確かです。け、けど、普通にしててお、追われるなんてよ、よっぽどな事がないとない筈なん、です・・・・・・。


「も、もしかしてよ、洋服屋さんでか、可愛い服を長々とみ、見てたのがダメだったの?そ、それともま、町の猫ちゃんとあ、遊んだから?」


 わ、私は何が何だかで、でした。


「おい!あっちだ!あっちに逃げたぞ!!」

「町の外に出られる前にとっ捕まえるんだ!!」


 そ、そんな声が聞こえてきても、もうダメだーと思いながらひ、必死に走ったんです。

 ぜ、前方不注意にな、なるほどに・・・・・・。

 か、角を曲がったと、ときでした。


 ドンッ!


 わ、私は誰かとぶつかりし、しりもちをつ、つきました。

 こ、これで捕まってし、しまうと思ったわ、私はぶつけたお、おでこを両手で押さえつつい、命乞いをしたんです。


「ご、ごめんなさいごめんなさい!な、何もしないのでた、助けてくださいー・・・・・・」

「助ける・・・・・・?」


 そ、その声は子供の声でわ、私の言った事がわ、分からない。そ、そんな感じでした。


「魔女のガキどこだー!隠れても為にならねーぞ!!」

「ひっ・・・・・・!」

「なるほど。追われてるのか」


 そ、その子供はわ、私の置かれた状況をさ、察したようでした。

 て、手を差し出してわ、私を立たせてくれました。ま、魔女のこんな小娘のわ、私に手を差し伸べるな、なんて優しいこ、子供なんだろうと思ったんです。


「よし。やるか」

「えっ?」


 わ、私は意味が分からなくてく、首を傾げま、ました。

 そ、その子供はわ、私の服のす、スカートを掴みい、勢い良く上にひ、引っ張り上げました。

 じ、上下一体型のわ、私の服はそれでぬ、脱げてしまいあ、あられもない姿をさ、晒してしまったんです。


「っ!!」


 わ、私は咄嗟にさ、叫んでしまいそうにな、なってなんとかこ、堪えます。だ、だって人が来てもは、恥ずかしいしわ、私はそもそもお、追われていた身でしたから。


「なるほど。5年後が楽しみだ」

「・・・・・・?」


 こ、この子供の言ってるい、意味が分からなか、かったです。

 わ、私は中腰にな、なりながら両手で前をか、隠したんです。


 ぬぎぬぎっ。


 そ、その子供は次にじ、自分の服をぬ、脱ぎだしました・・・・・・。

 わ、私はその様子をみ、みて何をする気かさ、察しました。

 き、きっとこの子供はわ、私にえ、エッチな事をす、する気なんだと・・・・・・。そ、その時のわ、私は場違いにもきょ、興味が無かった訳でもな、ないので『い、痛くないといいな』な、などと思っていたんです。

 で、でも実際はち、違ってて。い、今にして思うとは、恥ずかしい勘違いで、でした。


「僕の着ていた服を着るといいよ」

「えっ・・・・・・?わ、私にエッチな事をす、するんじゃ・・・・・・?」

「き、きみは何を言ってるんだ?僕はきみの服を着て囮になって逃げるから、きみは僕の服を着て町外れの大きな杉の木のとこに先に行ってて。そこで落ち合おう。あ、あとこの荷物もお願いね」

「・・・・・・」


 わ、私は恥ずかしいか、勘違いをしていた事にき、気付いてか、顔を真っ赤にしてたと思います。だ、だってか、顔から湯気がでそうなほどあ、熱くなったのをか、感じたから。


「誰かきちゃうよ!急いで!」

「は、はい!」


 そ、そう言うとその子供はは、走り去って行きました。

 じ、実は私足にじ、自信があったんです。け、けど、その子供の方が足が速くてじ、実はたいした事ないだという事をお、教えられました。


「おい!いたぞ!あっちだー!!」

「逃がすなよ!!」


 そ、その子供はあえて見つかるようにに、逃げてくれたみたいで、でした。

 で、でも私は不思議でした。な、何で私をた、助けてくれたんだろうって・・・・・・。


「お、重い・・・・・・。こ、この荷物重い、です・・・・・・」


 わ、私は何度も休憩をは、挟みつつ持っていた大きめのつ、杖を突きながらな、なんとか荷物を背負いは、運びました。

あ、諦めずに運んだ事をほ、ほめて欲しいくらいで、です。


 カァーカァー。


 と、遠くからく、黒い鳥が鳴いてました。ど、どうやら夕方のようで、です。


「や、やっとつ、付きまし、た・・・・・・。はぁはぁ・・・・・・」


 ま、町外れの杉の木そ、その木にもたれ掛かるようにあ、あの子供は寝ていました。

 す、すれ違う事はな、無かったのでお、恐らく遠回りしてきたんでしょう。

 と、歳は10歳前後だとす、推理しました。む、無防備に口を開けてね、寝る姿は見ててあ、飽きなくてか、可愛いと思ってつ、ついイタズラしたくなったんです。


「そ、そーっと、そ、そーっと・・・・・・」


 わ、私はその子供の近くにし、しゃがんでひ、人差し指をそ、その無防備な頬に近づけました。

 な、なんだかちょっとい、いけない事を楽しむよ、ような気分でした・・・・・・。


「ふあぁぁーーー・・・・・・」

「ひゃっう!」


 も、もう少しで頬をゆ、指でつつく事ができるそ、そんなタイミングでこ、子供は起きました。

 わ、私は思わず驚いてう、後ろに仰け反ってそ、そのまま後頭部をじ、地面にぶつけてい、痛くて手で後頭部をさすったんです。


「い、いたたた・・・・・・」

「ああ、やっと来たんだ遅かったね」


 そ、その子供はわ、私の苦労をし、知りもしないそんなた、態度でちょっとムムムっ!ってか、感じです。ご、ご褒美に寝ている頬をそ、そのつつかせてほ、欲しかったです。


「ま、また寝たりし、してくれませんか?」

「なんで!?」

「な、なんでもな、ないです・・・・・・」


 そ、その子供は囮になったときの事をは、話してくれました。

 な、なんでもす、少し走り回った後にあ、あえて捕まってま、魔女のマネをして遊んでいただけと、という事にしたそうです。そ、そのついでに何でま、魔女を探していたのかもき、聞き出したとか・・・・・・。か、賢いです!わ、私より賢いかもし、しれません。わ、私は14歳でと、年上のはずなのに・・・・・・。ちょ、ちょっと悔しいで、です。


「でねー、何で君が追われていたかというと・・・・・・」

「ご、ゴクリ・・・・・・」

「魔女の生血が必要なんだってさ。ある壊れかけ魔道具を直すのに魔力が篭った魔女の生血が」

「い、生血ですか・・・・・・」

「そ、生血」

「す、少しくらいなら――」

「止めた方がいい。たぶん死ぬ」

「え、ええ・・・・・・えーと・・・・・・」


 お、お先真っ暗です。わ、私もお母さんもた、たまにだけどあ、あの町にはお、お世話になってたんです。こ、困っているならて、手をかしてあげ、あげたいですがさ、流石に命まではか、掛けれません・・・・・・。

 も、もうあの町にはい、行けないんでしょうか・・・・・・?


「あの町の中央の噴水あるよね?あそこの水を町の人は汲んで生活用水として利用してるらしいんだけど、その噴水の魔道具が壊れかけてるらしいんだ。地下にある水脈から水を綺麗な状態で、地上まで引っ張り上げ続けるという強力な魔道具。たぶんだけど、そんな魔道具を直すんだからちょっとで済むとは思えない」

「ど、どうしたら・・・・・・」

「僕にも分からないけど、魔道具については魔女である君の方が詳しいんじゃない?」

「ご、ごめんな、さい・・・・・・。わた、私にもさっぱりです・・・・・・」


 ま、魔道具は確かにま、魔女である私達のぶ、分野です。

 こ、この世にある魔道具のほ、殆どは魔族と魔女あ、あと、妖精が作ったらしいですから。

 わ、私はみ、未熟な小娘ですからき、期待は困ります・・・・・・。


「お、お母さんなら、な、何か知ってるかも・・・・・・です」

「うーん・・・・・・」

「ど、どうしたんですか?」

「んーと、気のせいかもしれないし気にしないで」


 な、何かを知っていそうなそ、そぶりがすごくき、気になったんです・・・・・・。け、けど気にしないでそ、そう言われたらそ、それまで・・・・・・。き、気弱な私にはそ、それを追求する度胸はあ、ありません。

 わ、私はお、お母さんの所にい、急いで行く事しそ、その子供とお、大きめの杖に跨りそ、そらを飛びました。

 ち、ちなみにあ、あの町中では飛ぶことはできません。ま、魔獣避けの結界がは、張ってあってそれがじゃ、邪魔してしまうから・・・・・・。

 ・・・・・・ま、町を出た辺りでと、飛べばよかった。う、うっかりしてました・・・・・・。


「お、お母さんた、ただいまです」


 わ、私の家は森のお、奥にあります。お、大きな木の根元にひ、人が住めるようお、大きな空洞を作った物です。こ、この家のす、すごい所は木がい、生きている事です。

 た、多少の傷ならか、勝手に治りますしみ、水だって勝手に地下からく、汲み上げてくれるんです。


 そ、そんな家に着きわ、私はお母さんにこ、声を掛けました。そ、そのお母さんはわ、私が帰って来た事にお、驚いた様子でした。

 か、考えてみればむ、無理もあ、ありません。だ、だってこ、子供とはいえお、男の子をつ、連れ帰ったんですから。き、気弱なわ、私がそんな事をするなんてゆ、夢にも思わなかったんだと思います。


「・・・・・・どうしたの?遅かったじゃない。それにその子は?」

「初めまして。僕はレオルといいます」


 れ、レオルと言うんですね。は、初めて知りました。

 そ、そういえばな、名前も知らない子をつ、連れ帰るなんてなんかす、すごい事をしたようなき、気がします・・・・・・。


「初めまして。私はロロチカの母ローチです。それにしても、魔女の家にまで来て堂々としてるなんて珍しい子ね。魔女に対する抵抗がないようなら、将来ロロチカを任せるのもいいかもしれないわね」

「お、お母さん!な、何をい、言ってるんですか!」


 そ、それってつまりこ、この子とえ、エッチな事を・・・・・・。い、痛くないならいいか、かもですけど・・・・・・。

 じゃ、じゃなくてい、今はそれどころじゃな、ないんです!


「5年後にまた検討させてください」

「ご、5年ってど、どういう意味な、なんですか?」

「なら5年後の為に一つだけ忠告しておくわね。魔女の町には近づかない方がいいわよ」

「魔女の町?」


 わ、私を無視しては、話が進んでいきます・・・・・・。

 し、しかも私もま、まだ聞いたことの無い話でした。


「そうよ。魔女の町では、年に一度サバトと呼ばれる魔女の集会があるんだけど、その集会では人間の男数人を攫ってきて、ある儀式をするのよ」

「儀式?」

「やる事は簡単。ある薬を使って攫った男を特殊な興奮状態して、一晩中集まった魔女達の相手をしてもらうの。子作りの相手をね。でも、夜が明ける頃には精も根も尽き果てて大抵の男は死ぬわね」

「それは怖いですね・・・・・・」

「だ、大丈夫で、です。わ、私はそんな事し、したりしないから!」

「ロロチカの言うとおり。魔女全体で言えばそれをやるのはごく一部の魔女だけよ。と、言っても私はその魔女の町の出身ではあるんだけどね」

「お、お母さんこ、怖がらせる事い、言わないで!」

「必死ね。そんなにその子が気に入ったの?」

「ち、違うの。れ、レオルは私をた、助けてくれた恩人な、なだけで・・・・・・。そ、そんなんじゃ――」

「なるほどね。昔を思い出すわね・・・・・・」


 こ、この時お、お母さんの視線がす、少しだけ鋭くなったき、気がしました。

 い、いつものわ、私をからかうようなか、感じではなくてちょっとこ、怖かったんです。


「昔ですか?」

「そう昔よ。私はその魔女の集会で攫われて来た男に恋をしちゃってね。危うく死に掛けたし、魔女の町の魔女から追われる身になったけどその男を助けたのよね。懐かしいわ」

「じゃぁ、その人がロロチカの?」

「察しがいいわね。ええ、父親よ。今はあの町の町長をしているわ」

「は、初耳です・・・・・・。わ、私のお父さんがあ、あの町に――」

「ロロチカ。お母さんから離れた方がいいかも・・・・・・」

「えっ?」

「何を知ってたかしらないけど、本当に・・・・・・。本当に察しがいいわね。私の娘はこんななのにね。気付かないまま用を済ませて立ち去ってくれれば楽だったんだけど・・・・・・」


 わ、私はわけがわ、分かりません。ほ、本当に何がどうなって・・・・・・。


「ただの推測だったんだけどね・・・・・・。まさか当たるなんて・・・・・・」

「ど、どういうことで、ですか?」

「ロロチカ。君はわざと町に行かされたんだよ。あの町の為の・・・・・・、じゃなくて町長さんの為かな?生贄にする為にさ」

「そ、そんな・・・・・・。ど、どうして・・・・・・」

「決まってるでしょ?あの人の為よ」

「ロロチカが嫌いなんですか?」

「嫌いじゃないわ。けど、あの人と娘を比べたらあの人が上なだけよ!」

「ぐはっ!!」


 は、お母さんはた、立てかけてあった杖を手にしてれ、レオルを魔法で壁に叩きつけました。

 わ、私はこ、怖くて手足が震えてど、どうしたらいいかも分からずた、立ち尽くしてました。


「レオルと言ったわね?あなたは賢そうだし良い種馬になりそうね。魔女の町の連中に差し出して見逃して貰うのもいいかもね」

「ぼ、僕の知る親ってもっと子供を大事に、するもんだと思ってたけどね・・・・・・」

「大事よ?大事な生贄だもの」

「お、お母さん・・・・・・」

「ロロチカ・・・・・・。あなたが男の子だったら良かったのよ・・・・・・」

「えっ・・・・・・」

「そしたら、あの人はもっと喜んでくれた・・・・・・。他の女の元に行かずに済んだのよ?私は魔女・・・・・・。魔女は魔女しか産めない、その苦悩をあなた達子供には理解できないでしょうね」

「り、理解は出来るさ。僕は見た目よりも経験豊富だからっっグぅ!!」

「黙りなさい!!分かるわけないわ!!」


 わ、私はこ、怖かったんです。こ、こんな怒る姿のお、お母さんは今までみ、見たことなかったんです。

 お、お母さんはれ、レオルを魔法を使ってか、壁に押し付けていました。た、たぶん風のま、魔法だと思います・・・・・・。れ、レオルはく、苦しそうでした。

 わ、私を助けてくれたれ、レオルを助けたかったしお、お母さんを止めたくてわ、私は手足は震えたけどと、止めに入る決意を固めたんです。


「や、止めて!」

「ロロチカ!あなた私に逆らうつもりなの?」


 と、とても怖かったです。ま、魔女特有の色白なは、肌がさらに真っ青になりそうなほ、ほどです。


「れ、レオルは私のお、恩人です・・・・・・。わ、私は生贄で、でもいいからた、助けてあげて!」

「そう、良かったわ。それならいいでしょう」


 お、お母さんは杖をお、下ろして風の魔法をと、解いてくれました。

 ほ、ほんとは生贄なんてい、嫌だったんです。し、知らない事も多いしに、人間の可愛い服だってき、着てみたかったです。そ、それにエッチな事にもき、興味もありましたし・・・・・・。

 え、えーとは、恥ずかしいので最後のはき、聞かなかった事にしてく、下さい・・・・・・。


「やめるんだ!ロロチカ!」

「これは親子、それも魔女の。あなたには関係ないから黙ってなさい!」

「いいや、黙るわけにはいかないね。だってあなたの言うあの人はロロチカの父親で人間で男なんでしょ?僕の方が君達より数倍理解できるからね。断言するよ、ロロチカを生贄にしてもあの人は喜ばない!」

「黙りなさい!!」


 お、お母さんがれ、レオルに向かってか、風の魔法を放ったのでわ、私は咄嗟に魔法でそれをふ、防ぎました。

 で、でも、魔法の力はお、お母さんの方が上なのでな、何度も防ぐのはむ、無理かもしれません・・・・・・。


「それに、あの人とやらもあなたの元には戻らない!」

「戻ってくるわ!他の人間がどう思おうと、あの町には私が必要であの人は町長なんだからっ!!」

「く、くぅー!!」


 お、お母さんが杖をか、構えてさっきよりも強い魔法をつ、使いました。わ、私はそれを防ごうとし、したんですけどう、うまく防ぎきれなくてか、風が私とレオルに少し吹き付けてきました。

 れ、レオルだけはた、助けてあげたいんですけど・・・・・・。わ、私はやはりお、お母さんには勝てそうにもあ、ありませんでした。


「はぁ・・・・・・。なんでこうなったんだろうなぁ。僕は魔法について色々知りたかっただけなのに。あと勇者探しもだけど・・・・・・」


 れ、レオルは下を向いてこ、小声で何か言ってたみたいな、なんですけど吹き付ける風のせいでな、何も聞こえませんでした。


「ロロチカっ!逃げるよ!!」

「え、えっ?」


 わ、私は動けませんでした。お、お母さんの魔法をふ、防ぐのにいっぱいいっぱいだったので。も、もし、動こうものなら防げなくてか、風の衝撃波をもろにう、受けてしまうでしょうから。

 そ、それを知ってか知らずか、れ、レオルは私に体当たりをしわ、私は目を閉じましたそ、そして衝撃波の範囲外までふ、二人でコロコロとゆ、床を転がったんです。

 め、目を開けると、木の壁はお母さんのま、魔法で木っ端微塵でした。で、わ、わた、私はというとか、体が暖かくてめ、目の前にはれ、レオルの顔があってか、体も密着しててか、顔が熱くなってました・・・・・・。


「ロロチカ!立って!逃げるんだ!!」


 そ、その一声で危ないじょ、状況を思い出してわ、私は熱が無かったかのようにか、体を動かします。


「は、はい!!」


 わ、私とレオルはお、大きく穴の開いた壁からそ、外に飛び出し夜空をと、飛んで逃げたんです。

 と、当然それをお、お母さんが黙ってみ、見ているわけも無くてう、後ろから魔法をバンバンう、撃ってきました。し、しかも加減をわ、忘れたかのような威力でした・・・・・・。


「ど、ど、どこに逃げればいいんですかぁ!」

「落ち着いて。考えがあるから、まずはあの町に向かって!」

「わ、分かりました!」

「待ちなさい!ロロチカっ!!」


 お、母さんも当然のようにう、後ろから私達を追ってき、きました。し、しかも暗い中私達を見失わないた、為だと思うんだけどう、後ろから撃ってくるま、魔法は炎魔法でした。


「次は左に避けて!」

「は、はい!」

「次は右!」

「は、はいー!」


 れ、レオルが後ろをみ、見てくれていたのでた、助かりました。わ、私一人じゃあっとい、いうまに撃沈してたと思います。


「次は上上下下右左右左ダッシュ!!」

「え、えっ?」

「急いで!!」


 わ、私は突然の上下下右左右左ダッシュ!にお、驚きちょ、ちょっと混乱しそうにな、なりながらもなんとかよ、避けきります。


「うわっ。危なかったー」

「ご、ごめんなさい!!」

「大丈夫当たってないから」

「ち、違うんです!」

「何が?」

「や、やっぱりな、なんでもないです!」

「どういうことぉー!」


 ふ、不謹慎というやつだ、だと思うんですけど、さ、最後当たりそうになった時にそ、そのれ、レオルが私にだ、抱きついていた手に力を入れて、ぎゅ、ギュッと体を密着させてきて・・・・・・。な、なぜかわ、私はそれでドキドキしてか、顔がまた熱くなってたんです。

 そ、そうやってしばらくと、飛んで町が近くなってくるとお、お母さんからの魔法は飛んでこなくな、なりました。た、たぶん町に被害をだ、出したくなかったんだとお、思います。


「ま、町がみ、見えてきました!」

「あそこ!町の一番高い建物の横のデカイ家に行って!!」

「で、でも町中はうまくと、飛べないんです!」

「飛べなくなったら着地して!そこから走るから!」

「わ、わかりました!」


 ま、町の上空になるとや、やはりうまくと、飛べませんでした。つ、杖がガタガタと揺れてバランスをく、崩しそうになります。わ、私は仕方なく高度を下げてさ、下げて滑空するようにと、飛んでいきました。

 う、後ろを見るとお、お母さんは普通に飛んでました。よ、よく見ると飛行の魔法以外にか、風の魔法も使っているみたいでした・・・・・・。す、すごいんですけどず、ズルイです・・・・・・。


「ロロチカ!こっからは走るよ!!」


 だ、だいぶ速度がお、落ちていた私の杖かられ、レオルが飛び降りて走りだしわ、私の手を取ってひ、引っ張ってくれました。そ、そのおかげでわ、私も立ち止まる事無くう、うまく走り出せたんです。

 て、手から伝わる体温があ、暖かくて何をしようとしてるかわ、分からなかった私ですがふ、不安を感じずに安心できたんです。


「あそこの門を魔法で壊せないか!」


 あ、あれがレオルのも、目的地なんでし、しょうか?

 り、立派なや、屋敷の門でした。


「え、遠距離だとむ、無理かも。で、でも至近距離なら・・・・・・」

「それで十分だ!あの門突っ切るよ!」


 ドカァァン!!


 わ、私は威力をた、高めた炎魔法を至近距離でぶ、ぶつけて門を破壊したんです。て、鉄格子状の門はひ、ひしゃげて大きな穴がで、出来ていたんです。

 そ、そのままわ、私とレオルは門の中には、入っていったんです。

 た、ただ、私達を追いかけていたお、お母さんが静かだったのがふ、不思議でしたけど。


「魔女だー!!魔女が現れたぞーー!!」

「え、えーと?」


 や、屋敷の目の前まで来たれ、レオルは屋敷に向かってそ、そう叫びました。

 や、やはり私にはな、何がしたいのかさ、サッパリでした。


「もしかして、その子を町の生贄に差し出すつもりなのかしら?」

「違うよ。けど、僕の予想が外れるとそういう事になるかもね」

「わ、私は信じる。い、生贄の覚悟もし、してたしだ、大丈夫!」


 わ、私は無意識にれ、レオルの手を強く握ってました。

 そ、その時のことはい、未だに不思議な、なんです。わ、私よりも少し背もひ、低く年下と思われるこ、子供のレオルがと、とても頼もしかったから。


「魔女が現れたというのは本当か!!」


 り、立派な屋敷からで、出てきたのはこ、小太りで背も大人の男性にしてはひ、低く、頭の頭頂部が薄くなったお、おじさんでした。


「ええ。そこの子供が連れている娘が魔女よ・・・・・・」

「おお、ローチじゃないか。そうか君が追い込んで来てくれたんだな!ありがとう!」

「さぁ!来るんだ!」

「い、痛いっ・・・・・・」


 そ、その小太りのおじさんはわ、私の腕を掴み無理やりつ、連れて行こうとしたんです。つ、掴まれた腕が痛かったです・・・・・・。


「いいんですか?あなたの娘さんなのに生贄にしてしまって・・・・・・」

「なっ・・・・・・。な、何を馬鹿な事を言ってるんだ!私に子供などいない筈だ!」

「本当ですか?あなたはローチさんと関係を持った事がある筈です」


 え、えーーー・・・・・・。

 し、正直頭はパニック状態です。

 わ、私はお母さんとお、お父さんらしい人の顔をこ、交互に見ることしか出来ませんでした。


「ま、まさかローチ。おまえ・・・・・・」

「そうよ。その子は私の子供。でも、いいのあなたの為になるなら――」

「そんな話聞いて!!出来るわけがないだろう!!!!」

「でも魔女の生血が必要なんでしょ?この町の為に」

「そんな物はもういい!!私が馬鹿だったんだ。生贄が必要なものに頼り切って、その生贄にしようとしてたのが自分の娘だと知るまで・・・・・・。その恐ろしさを理解できないとはな・・・・・・」

「それで終わりではないですよね?」

「ああ。町のもの達は私が説得する・・・・・・。そ、それと、私が悪かった。ローチそして私の娘・・・・・・」


 お、お父さんらしいひ、人が私を見てきました。そ、その瞳は優しげでう、うっすら涙が見えました。

 わ、私は自分のな、名前を聞かれてるき、気がして答えたんです。


「わ、私はロロチカ、です・・・・・・」

「そうかロロチカだな。お前達、正式に私の家族にならないか?」

「そんな!あなたには立場があるでしょう!!だから私は身を引いて・・・・・・」

「そうだな。私は元は貴族家の三男だ。三男とはいえ貴族の出だ。跡を継ぐ事の出来る男を産めない君を嫁には出来なかった。だが、もうそれは考えなくていい。貴族なんて地位は私に必要ない!放棄する!」

「本当にそれでいいの?」

「君達がいるならそれでいい」


 お、お母さんがお、お父さんらしい人とだ、抱き合ってました。

 こ、これで丸くお、収まった筈なんですけどわ、私の頭がこの状況につ、ついていけてませんでした・・・・・・。


「美女と野獣という映画を見た事があるが・・・・・・。なんというかローチさんが美人過ぎて美女と妖怪にしか見えない・・・・・・」

「ぷっ、そ、そうかも」


 れ、レオルがポツリと言ったこ、言葉がツボに嵌りわ、私はおかしくてわ、笑ってしまってました。え、映画がなんなのかはし、知りませんでしたけど。


「おやおや。ずいぶん幸せそうじゃないかなぁ、ロォーチィ!!」


 そ、そこに見知らぬま、魔女らしい人がやって来てました。


「未だに私を追ってたのね。しつこい女は気持ち悪いわね」

「どうやらぶっころされてーみたいだな!」

「元々そのつもりだったのでしょう?」

「当たり前だぁ!このイロボケ女が!!」

「ロロチカ、あなたの代わりの魔女が来たわ。この意味分かるわね?」


 わ、私は小さくう、頷きました。そ、そしてやたらとこ、言葉が汚く耳だけじゃなくく、唇や舌にまでピアスを付けてたい、意味不明魔女とた、戦いました。お、お母さんと一緒に。


「な、何でこのタイミングで魔女が襲って・・・・・・」

「あー、おじさん。危ないから下がってようか」

「そ、そういえば君は誰だ?」

「うん。後で話すよ。僕も聞きたいこと多いしね。魔法とか魔道具とか勇者とか・・・・・・」

「勇者・・・・・・?」

「そ、探してるんだよ」

「そ、そうか。君が・・・・・・」

「うわっ、魔女同士の戦いは派手だなぁ・・・・・・。まるで花火・・・・・・。もしかしたら使えるかもしれないな。あの名台詞『きたねぇ花火』が」

「な、なんだい?それは?」


 そ、その後、無事にい、意味不明魔女を倒してそのい、生血をいただきました。ち、ちょっと怖かったです。

 へ、下手したら私がそ、そうなっていたかと思うとこ、怖くて身震いしました。


「も、もう行っちゃうの?」

「うん。国中探しに行かないとだし。それに魔法や魔道具とか色々聞けたし、この町も探し終わったから」

「わ、わかった・・・・・・。い、色々ありがとう」

「気にしなくていいよ。僕の父さんは、危険をかえりみないで僕を助けようとした人だったからね。もしかしてと、思ってやっただけだから」

「う、うん。ありがとう。ま、また、会えるよね?」

「そーだなぁ。5年後かな」

「え、えーと、け、結局それって――」

「ほんと察しの悪い子ね。いい女になったらまた会おうって意味よ」

「そ、そうなんだ・・・・・・。わ、わかったい、いい女目指してみる」

「楽しみにしておくよ。じゃあね」

「ま、またねーーー!!」


 わ、私はレオルが見えなくなるまでて、手を振り続けたんです。


「なかなか有望そうないい子だったわね。でも、あの調子だとライバル多そうね」

「ど、ど、どうしたら・・・・・・」

「馬鹿ね。目的がハッキリしてるんだから頑張ればいいのよ。さっき自分で言ってたでしょ?」


 こ、これが、私とレオルとので、出会いでした。

 れ、レオルは賢くてど、度胸もあって素敵でした。で、でも、私は知らなかったんです。

 れ、レオルの進むみ、道の険しさを・・・・・・。


 の、後に指輪のあ、悪魔だとかゆ、勇者を探す亡霊とかそんな怖いう、噂を聞いてもレオルとむ、結び付けなかったくらいです。

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