[0]とある兵士の証言
あーコホン。自分はオモガというッス。勇者の剣があったランドリウスという城下町で兵士をしていた者ッス。
勇者の剣がバキッと折れた件の騒動で、悲しい事に近くの村に情報伝達係として行かされたッス。
酷くないッスか?自分は何も悪い事してないのに、これもう左遷じゃないッスか?
まぁ、事が事なだけに理解はするッスけど・・・・・・。同期も先輩達もあちこち行かされてるらしいので、自分だけ文句を言うわけにもいかないしというのもあるッス。
えーと、どこまで話たッスかね?
あーそうそう、自分の行かされた村はランドリウスから近い位置にあるノームンという村ッス。農業ばっかりの村で都会だったランドリウスに近いとこにあるとは思えないくらいの、もうザ!田舎!ッスね。
というのも農業主体の村で、ランドリウスに向かう旅人や商人がちょっと一休みする程度の村だから仕方ないッスけどね。
宿だけはなぜかやたら立派なのが一軒あるッスけど、あとは民家しかない所ッス。
これから話す事はこの村にやってきたある少年と少女の苦難の話ッス。
「あのーすみません」
「ん?なんスか?」
自分は村の入り口で見張りをしていたッス。
ぶっちゃけこんな田舎だと暇で他にする事なかっただけッス。
「僕達は王様から勇者を探すよう言われている者なんですけど」
「おお!!待ってたッス!こんなに早く来てくれて感謝ッス!」
自分達兵士は情報伝達係以外にもう一つ実は仕事があるッス。勇者を探しをしている少年が町や村を訪れたかどうかを確かめて報告する事ッス。
その少年が来てくれない限りランドリウスに戻る事ができないので、何もない田舎だと正直暇で死にそうになるッス・・・・・・。
「それでですね。勇者確認の為に手を貸して欲しいのと、この村の事教えて欲しいんです」
「OKッス!まかせろッス!この村は村人男女合わせて24人の小さい村ッス。宿屋が1軒あるのと・・・・・・、あとは見ての通りの民家ッスね。殆どが農業をして暮らしてて、昼間はみな仕事に出てて静かでノドカー!で死にそうになるッス!!」
「ご、ご苦労様でッス・・・・・・」
自分の苦労を分かってくれるとはいい子ッスなぁ。でも、この子がそもそもの原因なんスよな。
少年はそう言いながら、自分の人差し指に銀色の指輪をつけたッス。
何のへんてつもないただの指輪だったッスなぁ。ほんとに勇者の持ち物とは思えない平凡な物にしか見えなかったッス。
「ありがとうございます助かりました。・・・・・・ミリー大丈夫?」
「だ、大丈夫よ。ちょっと疲れたけど・・・・・・」
「もしかして歩きできたッスか?近いとはいえ子供にはきついッス。無茶しない事をオススメするッス!」
「地図見たら近いし、行けるだろうと思ったんですけどね」
「ここはまだ、ランドリウスに近いし大丈夫ッスけど野生の獣や魔獣が出る道もあるッス。注意するッス!!」
「次から注意します。色々教えてくれてありがとうございました。ミリー宿屋で一旦休もう。勇者探しはその後だね」
「そうするね。レオル気を遣ってくれてありがとう」
こ、子供なのに彼女連れとかすごいッス!うらやまッス!あー、彼女ってどこで生まれてくるんスかねぇ・・・・・・。
そんな感じでレオルとミリーとかいう子供は宿に向かっていったッスな。
今からランドリウスに行くと夜中になるッスから、しばらく見張りを続けて宿に行ったッス。
そしたら宿の前でレオルとミリーというさっきの子供が座り込んでいたッス。
「こんな所で座り込んでどうしたんスか?」
「それが――」
話を聞くと、どうやら宿に泊めて貰う事が出来なかったらしいッス。
しかも、問題なのがお金ではなく少年が勇者の剣を折ったから泊めて貰えないということらしいッス。
自分は知らなかったッスが、勇者の剣を折ってしまった事への民衆の怒りは相当な物のようッスな。
「他の当てはあるんスか?」
「野宿用の道具もあるですけど・・・・・・」
少年は隣に座る少女を見てたッスな。
自分の審美眼を解放して少女を見てみたッス。服で分かりづらいッスが、上から50、41、47といった所ッスかね。目算だけど自信あるッス!
「ミリーの調子が悪いみたいで、ここで休ませてるんです。野宿の準備をしたいけど、動かしたくなくて」
「レ、レオル。私に気を使わないで・・・・・・。大丈夫だから、野宿の準備を――」
「ミリーは休んだ方がいい。ごめん。一人にしちゃうけど、僕が準備をしてくるからさ」
あー、なるほどッス。目の前でイチャつくんじゃねーーーッス!子供のクセにジェラしくしくワールドっす!
というのは3割冗談でー、ここは手を貸すべきッスよな。彼女持ちが憎いッスけど。
相手は子供ッスからなー。
「仕方ないッスなぁ。自分が泊まっている部屋で休むといいッス」
「ありがとうございます」
「気にしなくていいッス。勇者が見つかんないと結局みんなが困る事になるッスからなぁ」
子供二人を自分の部屋に案内して女の子の方をベッドで寝かせてやったッス。
もう日が暮れて夜中ッスな。でも、夜中こそ騒がしいさが出てくるのがここの宿ッス。
なんせ、宿兼酒場ッスからな。仕事を終えた男達が酒を飲み始めるッスよ。
「その子大丈夫そうッスか?」
「さっきよりは顔色はよくなったと思う。初めて町を出てここまで歩きで来たから、無理させちゃったんだと思う」
女の子のおでこに手を置いて熱の有無を見てみたッスが、少し熱いかも知れない程度ッスな。
微熱程度なきがするので休めば明日には元気になるかもッスとこの時の自分は考えてたッスな。今考えれば甘い考えだったッスが・・・・・・。過去の自分を殴りに行きたいッス!!痛くない程度に!!
「お腹は空いてないッスか?何か用意するッスよ」
「大丈夫です。ご飯は食べたので暖かくして休ませてあげれば良くなると思います」
「体力の回復には栄養も必要ッスからな。ご飯じゃなく果物の飲み物を持ってくるッスよ。それ呑んで少年も安むッス」
「じゃあ、お願いします」
自分は、柑橘類のジュースを少年に持っていってやったッス。
少年は自分より先に少女に飲ませてあげてたッス。紳士ッスな。これがモテる秘訣なんスかね?
少年もそのあとジュースを飲み・・・・・・。って!間接チュー!このーーーーー!イチャイチャしやがってーーーー!
ま、相手は子供。ましてやもう一人は病人。堪えるッス自分!!
そんな感じで少女はベッドで少年はその横で椅子に座り上半身をベッドに乗せて寝てたッス。
ん?自分ッスか?自分は酒場で酒飲んでそのまま寝てしまってたッスな。
リア充滅びろー!とか酔いながら叫んだらしいッス。まったく覚えがないんスよな。
「あー・・・・・・。頭がいたいッス。これは今日もここに泊まった方がいいかもッスな。あー痛い・・・・・・」
「おはようございます。昨晩はありがとうございました」
酒場の方へ降りてきたのは、自分の部屋に泊めてあげた少年だったッス。
少女が一緒にいない辺りまだ風邪が治りきってないんスな。
「気にしなくていいッス。それより、あの少女は大丈夫ッスか?」
「まだ寝てますけど、熱もあるようなのでそのまま寝かせてます。それと、ごめんなさい。もう一晩泊めてくれませんか?」
「いいッスよ。自分ももう一泊する予定ッスから」
「ありがとうございます!」
「あー!大声はやめてッス!頭に響くッス!」
「・・・・・・ごめんなさい」
少年は一礼して外に向かったッス。何をするかは言わなくても分かるッスよ。一軒一軒回って勇者探しする気ッスな。
ただ、外から雨の降る音がしてたので大変そうだったッス。
「くそー。頭が痛いッス。お粥作って貰ってきたッスよー」
自分は酒場で朝食に粥を2人分頼んだッス。一つは自分の、もう一つはあの少女の。
泊めて貰えなかったと言ってた事もあるので、2つとも自分のと言い張ってみたッス。
「二人分とかお前はまだ酔ってんのか?」などと、2つ頼んだ程度であらぬ疑いがかかったッスがなんとか作って貰えたッス。
「コホッ、ありがとう。それより、レオルを知りませんか?」
「少年なら勇者探しに行ったッスなー」
「そんな!こんな雨の中を?」
「大丈夫ッス。男の子は雨くらいに負けないッスよ。それに、こういう時は男の子に格好つけさせてやるものッス!で、戻ってきた時に沢山褒めてあげるッス!!」
「そ、そういうものなの?」
「ッスな。という訳で少女は食べて寝ておく事ッス。早く良くならないと少年を余計に心配させるッスよ?」
「分かった、そうするね」
少女は食べて寝たッスな。
ついでに自分も寝たッス。壁に寄りかかり座りながら。
バタンッ!
次に起きたのは部屋の扉が閉まる音だったッスな。
「・・・・・・んあ?」
音で目が覚めた自分は部屋を見渡したッス。
てっきり少年が戻ってきたのかと思ったッスが、少年の姿は無くベッドに寝ていた少女の姿もなかったッス。
ベッドが空いてたなら自分に譲って欲しかったッス!
等と今起こっている事を知りもせずに思っていたッスよ・・・・・・。
「オラァ!!」
外から雨音や部屋の壁を突き抜けるかのように男の怒号が聞こえたッス。聞いた限り頭ぶちギレな感じだったッス。
自分は部屋の窓から外を見たッスよ。そしたら、中年のガッチリした男が少年を執拗に蹴っていたッス。
これはまずいと思って急いで外に出たらさらに酷い事になってたッス。
「もうやめて!レオルが死んじゃう!!」
「なんだぁ?この俺に文句があるってのかよ!!」
「ミリーよすんだ!」
「文句なんて無い。ただ、もうやめて欲しいだけ!」
「うっせぇんだよ!ガキがぁぁ!」
「ミリー!!」
バシャン!!
中年の男は少年を庇った少女を殴り飛ばしたッス。少女は雨で濡れた地面に倒れこみ泥にまみれたッスよ・・・・・・。
「けっ!ガキがでしゃばるからこうなんだよ!あとよ、金の足しになるかはしんねーがこの指輪は貰っておくぜ」
少年は指輪を蹴られてる間に落としてしまったんスなぁ。
中年の男はその指輪を拾い上げたッス。
「だ、ダメだ!そ、その指輪だけはやれない!」
少年はなんとか立ち上がって指輪を手にした男の腕に取り付き、なんとか指輪を取り返したッスがさらに殴られダンゴムシのように丸まって指輪を死守してたッス。
「てめー!まだ抵抗するか!よこせよ!オラオラオラ!!」
自分は子供に対してあまりにひどい状況に棒立ちしてしまってたッスが、ここで慌てて止めに入ったッス!
正直すぐに行くべきだったのは認めるッス。ひどい有様に頭が追いつかなかった自分を恥るッスよ。
「もう!やめるッス!!相手は子供じゃないッスか!!」
「なんだぁ?テメーも俺に文句があるってか!!」
中年の男はどうやら酒によってたみたいッスな。
けど、酔っていれば何をやっても許されるそんな筈はないッス。
男は自分にも殴りかかってきたッスが、自分は兵士でその手の訓練も積んでるッス。たまーにお前サボリ過ぎだとか言われなくもないッスけど。
素人相手なんで軽くかわして腕を掴み足を払って地面に押さえつけてやったッスよ。
「なんでこんな酷い事したッスか?」
「そこのガキが俺の女に指輪をつけようとしたからよ!ぶん殴ってやっただけだ!」
酔っていたとはいえ、少年が自分の女に指輪を出して求婚したと勘違いしたようッスな。
で、その女は男が怖くて何もしなかったようッス。正直ご愁傷様ッス。こんな男の女になるなんてッス。
自分は男にとっとと家に帰るよう言い聞かせて、少年と少女の方を改めて見たッス。
「ミリー!しっかりして!!ミリー!!」
少年は泥だらけになりながら、体中痛いはずなのに少女の傍らで声を掛けていたッス。
「少年!歩けるッスか?少女は自分が運ぶッスから付いてくるッス!!」
自分は少女を抱えて自分の泊まってる部屋に運び込んだッス。治療所があれば良かったッスけど、この村はランドリウスに近い事もあって何かあればランドリウスで治療する為に治療できる施設が何もないんス。
少女は息はあるんスが意識は無い状態だったッス。
「少年は大丈夫ッスか?だいぶ蹴られてたみたいッスが・・・・・・」
「体中痛いですけど大丈夫です。この程度の痛みなら慣れてるので。それよりミリーが心配です。雨の中飛び出して僕を庇って・・・・・・」
「痛いのに慣れてるってどんなご家庭ッスか・・・・・・。まぁ、大丈夫ならいいッスか。ただ少女は確かに心配ッスな。せめて濡れた服を代えて暖かく寝かせてあげた方がいいッス。代わりの服が無ければ、自分のを貸すッスよ?サイズが大きいだろうけどマシだとは思うッス」
「ありがとうございます。なら1着だけ貸してください」
「OKッス!!」
自分は少年に一着服を貸して部屋を出たッス。少年が少女を着替えさせるつもりなんでしょうなぁ・・・・・・!てぇー!どんなラッキースケベッスか!!クッソーーーーーーーッス!
なんか悔しいのでちょっとだけ聞き耳を立てるッス。ドキドキするッス!
「レ、レオル・・・・・・?」
「起こしちゃって、ご、ごめんね」
「どうして謝るの?」
「僕を庇ってミリーが殴られた訳だし・・・・・・。それに、そのー・・・・・・」
「そのー?」
「勝手に着替えさせちゃったし」
くそー!もう着替え完了ッスか!
もうちょっと脱がす過程の音声あっても良かったと思うッス!!
「み、見たの?」
「見ないと着替えが出来なかったから・・・・・・」
「・・・・・・レオル」
「なに?」
「どう、だった?」
キターーーーーーーー!!盛り上がってきたッスーーーー!!
もう、ドキドキッスな!!
「あー、その・・・・・・」
「・・・・・・ドキドキ」
自分もドキドキッス!!!!
「目立った怪我が無くてよかった」
クソがーーーーーーーーーッス!!もうなんでそんなつまらない逃げをするッスか!!
聞き耳立ててるオーディエンス側を楽しませて欲しいッスよ!
このヘタレ少年がぁぁ!!!自分なら「最高だった。君の裸に乾杯」とか言うッスよ!
え?最悪?なんでッスか!!
「むーーー。もっと違うのが聞きたかったのに・・・・・・」
自分もッスよ!!
「ほ、ほら!ミリーはもう寝たほうがいいよ」
「・・・・・・そうね。そうさせてもらうね」
「お昼ご飯もまだだったし、何か用意してくるよ」
「ありがとうレオル」
ちっ!もうちょっと甘酸っぱい青春みたいな話が聞きたかったッスな。
怪我が無くてよかった発言で台無しッス。
ガチャッ、キィー、バタン。
「何してるんですか?」
「な、何もしてないッスよ!盗み聞きとか全然まったくしてないッス!!」
「じぃーーー」
「そ、それより昼ごはんッスよね?少年だけだと買い物も出来ないんじゃないッスか?さぁ!一緒に行くッスよ!」
「やっぱり聞いてるじゃないですか・・・・・・」
「ギクッ!!」
「いいですよ。僕達はこの部屋に休ませてもらってる側ですし。感謝してますから」
「許してくれてこっちも感謝ッス!ん?少年のその服自分のッスね?少女に着せたんじゃないッスか?」
「ミリーには僕のを着せました。ミリーは勢いで僕に付いて来たのでもろもろ準備が足りてなくて・・・・・・」
「ほほう?」
自分は勘が働き壁に耳を当てたッス。もうファインプレーだと褒めてもらいたいほどッスよ!!
「すぅはぁ・・・・・・。レオルの匂いがする。なんだろ、ドキドキしてうまく寝れない・・・・・・」
ふぉーーーー!!いいセリフ頂きました!!
少年は期待ハズレッスが少女はいい感じに青春してるッスな!!
少年はいい彼女を持ったッス。
「なにしてんですか・・・・・・」
「な、なんとなくッス・・・・・・」
少年は呆れた顔で自分を見てたッスな。他人の恋路は面白いんでそこんとこ理解して欲しいッス!
ま、バカップルにまでなるとリア充爆発しろッスけど。
少年と自分は粥を3人分作って貰って食べて寝たッス。明日にはランドリウスに帰るつもりだったので酒は無しッス!
「ケホッケホッ!」
「ダメだ・・・・・・。昨日より熱が上がってる」
「ごめ、ごめんね。ケホッ!」
「こうなると医者に見せるべきッスが、ランドリウスまで行くには体調が悪すぎッスな。医者を連れてきた方がいいかもッス」
「確かにそうですね」
少年はそう言って部屋から出て行こうとしたッス。
何をしに行こうとしたかなんて聞くまでもないッスな。
「待つッス!!まさか少年がランドリウスまで行って来る気ッスか?」
「でも僕が行かないと・・・・・・」
「往復何時間かかると思ってるッスか?その間少女を一人にする事になるんスよ?」
「じゃあどうやって医者を連れて来るんですか!」
「自分が行くッスよ。元々今日戻るつもりだったッスから」
「いいんですか?」
「任せろっス!それに、今日もここで足止めとかそっちの方がひどいッスからね。丁度いいッス。あと、ご両親とかに言伝があれば伝えるっすよ?」
自分は一応明日までの宿代を支払い馬に乗ってランドリウスに戻ったッス。
馬がいたのかよって?当然ッスよ情報の伝達は早くなければいけないッスからね。情報伝達係りで行かされた人はみんな馬で向かったッス。
ランドリウスに戻った後は少年の両親のとこに行き伝言を伝えたッス。
伝言を伝えると、少年の父親は血相を変えて飛び出していったッス。
しかし驚いたッスよ。少年の父親はレグニスさんだったんスねぇ。自分がもっと若かった頃その武勇伝にちょっと憧れてたもんスよ。
ちなみに医者の手配はレグニスさんがしたッス。手配も自分がしても良かったんスけど、少年からの伝言にそうあったんでお任せしたッス。
その後、お城の方で少年の報告をして城下町入り口の門の警備をしたッス。
んで、その日の夕方の事ッス。
一台の馬車がやってきたんスが、ものすごい泣き声を響かせていて同僚が何事だー!って、馬車を止めて中を調べることになったんスが中にいたのは・・・・・・。
「おお!レグニスさんじゃないッスか!!あとそこにいるのは風邪で寝込んでた少女ッスか?」
少年の親父さんであるレグニスさんと、少年が連れていた少女だったッス。
そして何を隠そう泣き声の正体はその少女だったッスよ。
それはもうわんわん泣いていてレグニスさんが必死でなだめていたッス。
正直こっちまで悲しくなりそうになったッスよ・・・・・・。
「レオルのばかーーー!どうして一人でやろうとするのよ!私は一緒に居たかったのに!レオル一人にこんな旅をさせるなんて!みんな酷すぎるわーーー!!」
レグニスさんに話を聞いたところ医者に診せて寝かせた後、少年と話をして少女を連れて帰る事に決まったそうッス。
んで、寝てる間に馬車に乗せられて起きた時には少年の姿はなく泣き叫び、今に至るそういう事のようッス。
少年は一人で勇者を探す旅に出るつもりなんスな。あの田舎町ですらあんな目にあったのにすごいッス。けど、流石に心配になるッスな。
さらに数日後の事ッス。
奇妙な噂を聞いたッス。
ノームンの村である酒を飲んでた男が、子供の男の子にボコボコにされ中指をボキっと逆向きに折られたって話ッス。
その男は指輪が怖い指輪が怖いと連呼してたとか。
なんとなーく、あの少年が脳裏に浮かんだッスがそんなわけはないッスよね?
自分はその時そんな事を考えていたッス。
後に勇者を探す亡霊とか指輪の悪魔とかの噂を聞くまでは・・・・・・。




