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第21話 月夜に舞い散る泡沫の夢Ⅲ

30000pvありがとうございます!

これからもよろしくお願いします。

最後に某方のステータス載せてます。

「さて、貴方達の相手は私ですが……正直あまり面白そうでは無いですね」


 この時間帯では浮く色の白が目立つ少女――ディアが目の前のそれらを見て呟く。


 はぁ、でも仕方がありません。

 これはあくまでマコト様とあの泥棒ね……おっと、つい本音が漏れてしまいましたね。

 あの二人が主役なのはわかっていますが、それでもこの仕打ちはあんまりですよ。

 後でマコト様成分を補充させて貰わなければ割に合いませんよ?

 ですが、今はこのガラクタの相手です。

 マコト様によれば相性はそんなに良くないとの事でしたが、なら頑張らなければなりませんね。

 あの小娘にばかりいい顔はさせられませんから。


「それじゃあ、私のストレス解消に付き合って下さいね?」


 妖艶に嗤うディアは、いつもの短剣を右手に逆手で持ち、ゴーレムの集団へ駆ける。

 一方のゴーレムは、剣を持った個体が壁になり、後ろには杖を持ったゴーレムが魔法の準備をしていた。


(これは、先に後ろから……でしたね)


 誠から伝えられていた注意点を思い出し、その為に、ディアは地を蹴り、闇夜に舞った。

 ディアには誠程の経験も、ルーナ程の成熟した魔法の技能も無い。

 だから、その二人には無いものを磨くことにした。

 レヴィアから貰った力を自在に操る為に、幾つものパターンや、応用法を考え、修正し、作り上げた。


「それでは、試させて下さいねッ! ――『水獄』」


 ディアが使用したのは、空気中の水分を膨張させて、その中へ対象を閉じ込める『水獄』。

 ゴーレムが持つ杖へ同時に水の牢獄が出来上がり、魔法の使用を妨害する。

 だが、これだけでは終わらない。

『水獄』で捕らえていた部分が、徐々に腐り落ちた。


 これはディアの力で『水獄』に使われていた水を、腐食毒へと変化させた結果だ。

 自分の魔力さえ混ざっているのであればその効果を及ぼすことが出来るディアの『魔毒濫水』は、非常に使い勝手の良い力だ。


 五本の杖がこれで使い物にならなくなり、魔法での援護が出来る個体の数が減る。

 しかし、まだ十体は残っている。

 その魔法が完成し、空中に留まったままのディアへと殺到する。

 繰り出されたのは土の槍を撃ち出す魔法――『土槍』。

 一体から三本、それが十体分で、総数三十本の土の槍が発射される。


「……これは、 全部溶かしてしまいましょうか」


 一瞬でディアの周囲に水の層が出来上がり、それがディアを守る隔壁となる。

 その水は溶解性の毒であり、鉄辺りまでは一瞬で跡形もなく消しされる程の効果がある。


(名付けるなら……『溶壁』でしょうか。名前なんてあまり関係ありませんが)


 そうは言うものの、効果は抜群で、発射された土の槍は一つたりとも水の層を抜けること無く消え去った。

 中のディアにはなんの影響も傷もなく、ふわりと着地する。

 そこへ群がるように剣を持ったゴーレムが押し寄せる。

 十五体の不気味なフォルムのそれの動きは、人間と比べればぎこちなさが残るが、その力は人間を大きく上回る。


 技なんてものはなく、ただ力で叩きつけられる豪剣を回避し続ける。

 地が割れ、土が舞う視界の先には、鈍色の暴力が迫っている。

 一度でも食らえば、華奢な身体のディアは骨が砕け、血肉が撒き散らされ、その命を散らすだろう。


「クフフッ、ですが、これですッ! 私だって、まだ遊び足りないですからねッ!」


 ディアが使うのは右手に逆手で持たれた短剣。

 しかし、このゴーレム相手では、些か分が悪い武器ではある。

 なので、刃へ溶解毒を纏わせ、ツルリとした体面を持つゴーレムへと当てて、溶断するような形で断ち切る。

 ジュっと音がして、泡立ちながらその腕、脚を切り落とし、場合によっては首を刎ね、その人型としての機能を失わせていく。

 このゴーレム達には人と同じように目で見る必要がある機構の関係上、頭部が無くなれば相手の視覚を奪うことに繋がる。

 ただ、それだけでは破壊に至らない。

 胸元に輝く核を破壊しなければ、幾ら手足を失おうと動き続ける。


 ……私にはまだ核だけを破壊するのは難しそうですね。

 マコト様なら、あの剣技だけで圧倒してしまうのでしょうか。

 私もそうやって戦えれば良かったのですが……でも、これはこれで良いものです。

 上手く斬る練習にはなりますから。

 それに、ダルマにしてしまえばもう関係無いですからね。

 その後に一つ一つ核を壊すのも良いでしょう。

 ……ですが、それだとちょっと遅れそうですね。

 それは何だか……嫌です。

 もう少しだけ遊んだら、あれを使いましょうか。

 力のセーブはまだ甘いとマコト様には言われてしまいましたが、何事も実戦あるのみです。


 遠目に、戦い続ける誠とルーナを見て、そんな事を考えた。

 そんなディアの事情を無視するように、ゴーレム達は次々と押し寄せる。


 ――少しだけ、楽しくなってきましたね。


 頬を緩ませ、吊り上がる口元を実感しながら、またしても魔力を練り上げた。



 ◇



 一方、中央で戦う三つの影。

 金色(こんじき)の長髪を揺らし、座り込むエリィの前に佇む、酷く場違いな程に華奢な少女。

 しかしその身に纏う雰囲気は本物で、ピリピリとした緊張感がそこにはある。

 その対面にいる二人もまた、純然たる殺意の塊をぶつけるべく、その感情を煮えさせていた。


「ルーナ、お前は恩を仇で返すのかッ!?」

「……恩? その分を仇で返されたからノーカン、でしょ? ……それに、私が貴方に拾われたのが始まりなら、それは恩じゃ無い……よ?」

「……生意気な小娘ッ」

「……私、何百年も生きてるけど?」


 記憶は少し無くなってしまったけどね、と付け足して言う。

 軽口を叩く余裕のあるルーナと違って、アルムとディーナのそれは、もう臨界点といった具合だ。


「……じゃ、始めよ? 私、もう、疼いて、熱くて――我慢出来そうに無いのっ」


 ルーナの叫びに応えるように、風が巻き起こり、草木を揺らし、開戦の合図となる。

 変化があったのは、二人の周囲。

 キラキラと輝いたと思えば、その一つ一つが瞬時に小さな粒状の氷へ変化し、その先端が二人へ向けられる。

 続いてそれらを閉じ込めるような風が起こり、蒼の小規模な嵐を作り出す。


「――『氷嵐』」


 そして、その氷の粒は風によって加速、無数の蒼のラインが闇を斬り裂くようにして、二人へ襲いかかる。

 触れれば服なんてものは簡単に裂ける威力のそれは、僅かに二人の肌へと裂傷を刻み込んだ後に、その効力を失わせた。

 その理由は、二人を守るように現れた鉄の壁だ。

 流石にその壁は突破出来ないので、すぐさま魔法を破棄、一度様子を伺うことにする。


「……逃げるだけ? そんなのつまらないな、私」


 ちょっとだけ、つついてみよう。

 あの二人の魔法なんて私には届かないのだから、少しでもやる気にさせてあげなきゃ。

 だって、マコトから譲って貰ったんだもの。

 直ぐに殺しちゃうなんて、勿体ない。

 死にたいと思わせるくらいに甚振って、あの二人の全力を搔き消して、後ろの人形で遊ぶのを跪いて見せるんだ。

 私が、マコトが受けた傷を、そっくりそのまま返してあげるんだ。

 その力が、今の私にはある。

 マコトに出会って、全てが変わった。

 だから、お願い。


 ――この程度で、壊れないでね?


「どうやら本当に死にたいみたいね……ッ!」

「あぁ、そうだね。あの悪魔から、エリィを取り返さなければッ!」

「……私が悪魔? ……うーん、惜しいねっ」


 私は悪魔じゃない、吸血鬼。

 まぁ、悪魔でも良いけれど、あの人達の言う事を聞く気はもう無いの。


「……じゃあ、その悪魔から、取り返してみる?」

「死ねッ!」


 ルーナが挑発的な微笑みを浮かべると、激昂したアルムとディーナが魔法を練り上げた。

 ディーナはルーナの周りに土壁を形成し、閉じ込められたルーナへアルムが火の玉を投げ込み、火柱が上がる。

 ルーナに逃げ場は無く、どうやっても焦げ死ぬか窒息するかの二択……だった筈なのだ。


 暴風が巻き起こり、土壁は見るも無残に砕け散り、炎に至っては時が止まったかのようにルーナの頭上の寸前で渦を巻いていた。

 呆気に取られる二人、変わらない微笑みを浮かべる少女。

 そのコントラストが戦力差というものを如実に語っていた。


「……粗末な魔法だったから、返すねっ♪」


 ルーナが行ったのは、アルムの放った魔法のコントロールを奪う離れ業。

 魔法を別な人間が制御下に置くのは余程の技量の差が無ければ不可能であり、それをこのように行える者は一握りだ。

 今のルーナに関して言えば、この現象にもう一つ関わっているものがある。

 ベルとの契約で手に入れた力だ。

 その名を――『血召纏変』。

 その力の一つが、魔力の変質・転換である。

 これによりアルムが放った火の玉に使われていた魔力を自分のものと変換させ、その制御を完全に奪ったのだ。


 ルーナが放つ炎は風に導かれるように、草原の一帯を全て焼き尽くす。

 草木は一秒たりともその熱量に耐えることが出来ず、灰色の大地へ切り替わる。

 バチバチと所々には火種が残り、一気に気温が上がり、夏の夜のような纏わりつくねっとりとした空気がその場を支配する。


「グッ……こんな、ことが……」

「ふざけ、ないでよ……」

「クスクスっ、……ねぇ、力で捩じ伏せられて見下ろされる気分、どう? 悔しい? 苦しい? 痛い? ……小指の先くらいは、私達の気持ち、わかってくれた?」


 全身を焼かれ、服も所々が燃えて爛れた肌が露出する二人へ、そう聞いてみる。

 小さな身体の少女に見下ろされる経験なんて、殆どの人は無いだろう。

 しかし、ここは力が全ての世界。

 持つ者は立ち、持たぬ者は地を舐める。

 それだけのことだけど、きっと二人は立ち上がるはず。

 立ち上がってくれないと、困る。

 消化不良を訴える私の血が、その赤を求めて蠢いている。

 もし死にたいと願うなら、その身体を癒そう。

 何度でも、何度でも、繰り返して。

 魂へ刻み込んで、消えない時を紡ごう。

 まだ、始まったばかりなのだから。


 ―――


 ルーナ【真祖】


 HP515/515 MP799/799

 レベル42


 筋力258

 体力274

 耐久298

 敏捷312

 魔力517

 魔耐506


【固有技能】

『血召纏変』『霧化』『血操術』『血盟』


【技能】

『全属性魔法 lv4』『魔力操作 lv5』『痛覚耐性 lv2』『恐怖耐性 lv2』『魔力視 lv3』『召喚術 lv3』『幻術 lv4』『特殊魔法 lv4』『再生 lv3』『魔纏 lv3』……



 《素質》

【能力値補正】

 成長補正:3.5


【魔法適正】

 火属性:55 水属性:55 地属性:55 風属性:55 

 光属性:55 闇属性:75 無属性:50

 系統外魔法:90


 《契約》

『暴食』『強欲』(眷属)


 ―――


ただのオーバースペックです。

誠の対極だと思ってくれればいいかと

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