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退職願 1

平成30年8月27日。

退職願を書く事になった。

28日には提出し、9月25日で退職の予定。

さぁて、どうなる事やら。


勤務先の営業が一人辞める事が決まり、募集をかけても人が来ない事から、社員から営業に配置転換する。と社長が言い続けて早1月。

社長に対する心証は地を這うどころか地下深くに潜る勢い。というより、ずっと潜り続けている。

「立候補してくれる方がいたら。」

等と言っていたが、いる訳がない。

それなりにいた営業がいなくなった原因の大半が社長である。

身内に甘く、他人に厳しい。

それを我慢出来るだけの給料が支払われていたなら、また話も違っただろうが。

休み明けて月曜日。納期の迫った仕事を片付けるべく、仕事開始してからしばらくして、社長に呼ばれた。

「営業に回ってくれ。

慣れるまでは配達だけでいいから。」

要約するとそう言う事だった。

勿論、即行で断った。

「元の部署には戻れないと思って下さい。」だの「辞めてもらって構いません。」だの朝礼で言い続けていたのだから、遠慮なく辞めさせてもらう。

「慣れるまでは」という事は、「慣れたら営業を」という事だからだ。

そもそも、営業に回ってもいいと思える人なら、始めから営業で入社している。

直接話が来る前、配置転換の話が出た後に母親と話をしていた。

「言われる事はないと思うけど。」

「分からないよ。言われたらどうする。」

「即行で辞める。」

フラグになるとは思わなかったが、自分的には、いいきっかけになった。

なので、その場で

「9月いっぱいで辞めます。」

と、きっぱりと言ってやった。


とりあえず、辞める前提で仕事も進めるべきだろう。

同じ部署、関係部署で辞める事になったと話をした。

ついでに、社長の余計な言葉も。

自分に話が来た理由が、「中の仕事も分かってるし、事務員とも仲がいい。」と言う。

はっきり言って、そんな事は関係がない。

中で仕事をしているのだから、分かっていて当然。だし、社員同士で仲が悪かったとしても、仕事の話が出来ない方がおかしい。

そのおかしいのが十何年も営業にいた事も。

Mさん、と仮に呼ぼうか。

このMさん。ほとんど仕事を覚えなかった。

びっくりする程覚えていない。

間違いだの、意味の通らない説明だので、事務員さんや工場の人に怒られたり注意されたりがほぼ毎日。

ちょっと言い方がきつかったりすると逆ギレする。

なものだから、嫌われるし相手にされない。

なのに自分では「何でも出来ますよ。」と言い、悪い事は周りのせいにする。

今回、このMさんが辞める事になり、そして自分も辞める事になった訳である。

普通、こんな営業がいたらすぐに解雇されそうなものだが、社員の弟の嫁という立場故にずーっと解雇されなかった。

いい迷惑である。


仕事を片付けながらも、頭の中は辞める事でいっぱいである。

「自分の都合で辞めるなら、退職願を出して。」とも言ったのだから即行で出してやろう。

用紙・封筒。それと書き方。

スマホでチェックして、火曜日の朝一で提出する気満々だ。

いつも責任逃れをする社長が、どんな風に決着をつけるのか楽しみでしょうがない。



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