喪失
葬儀の後は何もかもが変わってしまった。
おじ様は長野さんを許せないと嘆き、瞳は意気消沈ぶりが激しかった。ロックをしていた男の子達も何かを背負う事が耐えられなかったらしく、葬儀以降は店に顔も見せなかった。
そして、だんだんとみんな来なくなってしまった。
そして由美は、誰一人とも連絡先を交換していなかった事に気付いた。
由美はまた1人になった。
朝になっても由美は部屋から出れなかった。
自律神経の辛さもあったが何もかもを一度に失ったショックがあまりに大きかった。
「由美、朝ごはんだけでも食べて。もう何日も食べてないじゃない。」
母が声をかけてきたが由美は返事すらできなかった。
ショックというのは、何故こんなに後々響いてくるのだろう。
母は、何も言わずに部屋を後にした。
何も気付かなかった、自分が長野さんを好きだった事も、どれだけ助けになっていたかも、長野さんが苦しんでいた事も、無くなる事がどれだけ辛いかも。
何も気付かなかった。
「耐えられない…」
何度涙を流してもその辛さは取れなかった。
ガバッと起き上がると洋服を着替えてコンビニへ走った。そしてワインを買って家で飲み干した。
何がキツいのかすら分からない、ただ意識を飛ばしたい。そんな事しか考えてなかった。
どんなに嘆いても長野さんはもう居ない、お店に行っても誰も居ない。
由美は泣きながらトイレで吐いた。
「長野さん、なんで!?なんで置いて行くのよ!なんで死ぬのが私じゃなくて長野さんなのよ!なんでよ!」
由美の深酒は昼夜問わずになって行った。