10・謎
ふあらと合流して後、商店街そばの公園の「べんち」に座り情報を交換した。
とは言いつつも、ほとんど一方的に情報を受け取るだけであったが。
「整理するわよ。エレメント4は早朝から商店街のあたりに居た。周囲の住人への聞き込みでも、理由は不明。多くの人はたまたまパトロールしていたのでは、と。実際窃盗犯を捕まえたしね」
「それは不自然であろう。まるで最初からわかっていた……否、自作自演なのか?」
「既に十分な名声がある彼らがわざわざそんな点数稼ぎをするかしら。おそらくあれはイレギュラー。何らかの目的の途上で偶然遭遇してしまったのでしょう」
一理ある。あの程度の雑魚では首級には値せぬ。
「しかしでは何の目的であそこに居た? 皆目見当もつかぬ」
「そこであの車止めね。商店街の協会長によれば、行政から工事の都合でどかすように指示されたらしいわ」
「行政……ではきゃつらとは無関係か」
「そうとも言えないわ。エレメント4は環境管理局の協力者として知られているわ。反環境管理主義テロリストの鎮圧によく参加しているしね。政府とも近い存在よ」
確かに純然たる風来坊というわけではないらしい。
「ならば、てろが起こるかも知れぬという事か」
「起こるのか、起こすのか……」
「!?」
起こす……とな?
「考えが飛躍しておらんか?」
「そうかもね。……でも嫌いなのよ。あいつらの目」
意外だ。よもや同様の考えの者がいるとは思えなかったゆえ。
ふあらに興味が出てきた。
修羅場を潜り抜けし拙者と同じ物が見ゆるとすれば、この女人はいかな経験を持つか。
「……いずれにしろ、今日はもうわかる事はなさそうね」
結局、何も掴めぬまま、帰宅の途についた。
大いなる疑念だけ胸中に残して。




