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息抜きシリーズ

その異世界転移はおかしいだろ

作者: Tiroro
掲載日:2015/09/13

息抜きで書いてみただけの小説っぽい何か第2弾。

 えっと、あたしは田原たはらトモカ。

 ダイエットが気になるお年頃のOLです。


 突然まぶしい光に包まれて、気が付いたらゲームの世界にいました。

 ここは、間違い無く見覚えがある世界です。



 よくゲームの世界に転移する話は小説で読みました。

 VRMOとか、乙女ゲーとか、いろんなゲームがありますよね?



「HEYレディー!オレとWithダンシング!リズムを刻めYo!」


 なんでダンスゲーの世界なんだYo!



 踊り狂うパイナップル。

 流れるご機嫌なリズム。

 あちこちから出てくるステップマーク。


 違うよ!あたしの知ってる転移のお話って、そういうのじゃないから!!


 もっとこう……あるでしょ?

 勇者として召喚されるとか、逆ハーのヒロインとか、悪役令嬢はちょっと嫌だけどさ。


 それに、そこの踊ってるパイナップル。

 あんた、彼女の設定のキャラ居たでしょ?その人と踊ったら?


「あいつとは、婚約破棄になったYo!」


 そんなところで流行りのキーワードいらないから!

 っていうかお前、あのキャラと婚約してたのかYo!


 ミラーボールが、くるくる回る。

 あいつに釣られて、あたしも回る。


 回りすぎて、あたしの目も回る。


「ここからが熱いBeatだZe!!」



 ステップマークが四方八方から押し寄せてくる。

 そして、流れ出すハードトランス。


 やばいよ、あたしが越したことのない曲だ。

 最難関ともいわれる曲で、クリアできるものは一握りと言われる。


「こいつを越せなきゃ世界が滅ぶYo!!」


 さらっと恐ろしいことを言うパイナップル。

 やるしか……ないのか……。



 ステップステップ、タン、タン、タン


 ステップステップ、タン、タン、タン


 ワン、トゥ、ワン、トゥ


 ワン、トゥ、スリー、フォー、さん、にー、さん、し



 順調にグレートを重ねるあたし達。

 ここまでは良いんだ。

 ここまではあたしも経験済みだ。


 問題は、この先にある、変調――――



「きたZe……ここからのBeatは地獄Da……」


 弱気になるパイナッポー。

 自慢のヘタも下がり気味。


 せまるステップマーク。


 曲はさっきよりスローテンポになったのに、なぜかステップマークの速度は上がるし、リズムゲーなのにリズム取れないよね?

 それはまぁ良いとするよ?でもさぁ……

 

 なんで6ヶ所同時踏みとかあるんだよぉぉぉ!!

 良く考えて作れよ!足は2本しかないんですよ!?


 くそぅ、もう意味がわかんなくなってきた。

 何であたしこんなゲームの世界に転移しちゃったんだろう。



「ボブ!」


 突然パイナポーの本名を呼ぶ女性の声。


「お前は……キャサリン(キャッシィ)!?」


 たいして略せてないよね?


「私が間違っていたわ、ボブ!やり直しましょう!」


「だが俺はお前を捨てた……」


「もう、怒っていないわ」


 何か始まってしまった。


 同時踏みがどんどんせまる。


「キャッシィ……俺が悪かったYo……」


 なんだこれ、なんだこれ。



 その瞬間、目の前に光が広がる。

 パイナポーとキャッシィは、そのまま天へと上がっていく。


「お前の熱いBeat……忘れないZe……」


「あなたはあなたの幸せを掴んで……」


 よくわかんないんですけど、成仏するの?お前ら。

 あと、光眩しいんですけど。


 良い感じに締めようとしてるけど、意味がわからないYo!


 どうすんのよこれ!

 もうあたしのステップじゃ限界なんだけど!

 

 あと、リア充爆発してしまえ!

 あ、もう成仏したんだっけ?


 目の前に広がるBADの嵐。


 神様、あたしはこんな世界よりももっと華やかで落ち着いたゲームに転移したかったです。

 そして、イケメンをたくさん侍らせたかったです。


 もう駄目だ、世界は滅んでしまう!


 ごめんよみんな……がんばったけど、あたしじゃ駄目だったYo……




 ジリリリと目覚ましが聞こえる。

 あれ?世界は?パイナップルは?


 テレビのモニターを見ると、パイナップルとキャサリンがデモプレイで優雅に踊っていた。


 あれ?夢だったの?


 そういえば、ダイエットしたくてこのゲーム久しぶりにやってたんだっけ。

 疲れてそのまま寝ちゃってたんだね、あたし。


 ボロボロのマットだけど、小さい頃よくお父さんと遊んでた。

 お父さんはこのゲームのことよくわかってなかったけど、あたしに合わせて一緒に遊んでくれていたんだった。


 懐かしいなぁ……。


 そういえば、今日はお父さんの命日だ。忘れてたわけじゃないよ?

 ちゃんとカレンダーにも印しつけてあるし。

 

 でも、まぁ……お墓参り行かないとね。



 それにしても、変な夢だったなー。



 次は乙女ゲーでもしながら寝ることにしよう。

 そして、逆ハーのチートでウハウハになるんだ。


 あたしはそう誓って、実家へと向かうのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] キャサリンが来た時、そうか3人で6箇所同時踏みかと思ったら、そっちの方向に行っちゃうなんて。 笑いながら読み、楽しませていただきました。
[良い点] 面白かったですー! ダンレボ流行りましたよね。私はやったことがないのですが、友人がとてもハマっていたのを思い出しました。懐かしい。 序盤からテンポよく笑えて、ワケ分からんまんま盛り上がって…
[良い点] 開幕から激しいと思ったら、どこまでもどこまでもパイナポー! ダンスゲームのマットは我が家にもありますー! あれ自宅だと足音がすごいから、中々出来ないんですよね……。 それにしても、どこま…
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