表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イーブン・イフ  作者: 裏柳 白青
6. Rail Way
97/108

第97話

「栄美ちゃん、私と久重先輩、全然そういう関係じゃないから!」

「え? でも先輩達の話聞いてたら、」

「本当に、仲良いだけだから」


 絶対に誰にも言わないでね、と言うけれど、栄美ちゃんは不服そう。


「でもー…っていうか普通に気になります。ナギサって人と凄く仲良さそうだったのに」

「あれは…中学の頃からの友達だから、特別っていうか、」


 “特別”と、自分で言った言葉にヒヤリと背筋に冷たいものが走る。栄美ちゃんは頬に人差し指を当て、(余計に会話を引っ掻き回さないようにする配慮なのか)先輩達には聞こえないよう小声で言う。


「なんていうか、勘なんですけど、ナギサって人のほうが友達っぽくなかったっていうか、そんな感じがするんです」

「え?」

「だって、男は好きでもない女にあんな絡み方しないですよ? 私、ナギサさんが先輩の頭叩くところから見てましたけど、絶対あれ四ツ橋先輩に嫉妬してたんですよ」

「はい?」


  栄美ちゃんの推測に頭がついていかない。というか、ふんわりと愛想良い普段の喋り方にしては、あまりにも断定的な言い方。


「絡みに行ったのにすごく素っ気ない態度取ってみせるって変じゃないですか? 絶対光宗先輩のこと好きですよ、あの人」

「そんなはずは…ないんだけどね…」

「中学の恋が再燃したとかありますって!」

「ううん…凪砂くんに限ってそんなはずは…」


 中学のときに恋愛絡みのややこしい話があったことは否定できないけれど。栄美ちゃんはぐっと拳を握って見せた。華奢だけど。


「私、そういうのだけは見る目あるんです! 絶対そうだと思います!」

「う、うん…でも別に私は、」


 今更凪砂くんを好きだなんて、言えないから。


 それこそ信義則違反だったりして、なんて、知ったばかりの法律の知識をネタにして自嘲気味に笑った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ