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イーブン・イフ  作者: 裏柳 白青
6. Rail Way
95/108

第95話

 だいぶ盛り上がってきてから各テーブルに自己紹介のマイクが回り、1年生と部長副部長の挨拶が終わったころには宴会も終盤。


 最初の座席配置に関係なくみんなバラバラになっていた。いまテーブルにいるのは、私と栄美ちゃんと伊勢先輩と宏林先輩と自家先輩。


 その話題を出したのは宏林先輩だった。


「キャンパス出る時、深里ちゃんと一緒に歩いてたの誰?」

「え? 四ツ橋くんじゃなくてですか?」

「違う違う、背が高くて日焼けしてる方!」


 すっとぼけてみたけど、まさか宏林先輩にまで見られていたとは。栄美ちゃんが頷いた。


「そうです、私それで聞きたかったんです! 元カレがどうとか聞こえたんで」

「えっ付き合ってたの!?」

「伊勢先輩声大きいです!! しかも付き合ってないですよ!」


 吃驚して大きな声を出した伊勢先輩に、慌てて人差し指を唇に当てた。伊勢先輩は「えー」と不満そうな顔をする。


「でもかなーり仲良さげだったじゃん? ほっぺつねったり」

「あれは中学生のときよくされてたんで…」

「あとは元カレ疑惑」

「それは別の人でして…」


 凪砂くんが絡んでくると話がごちゃごちゃになる。あぁもうっと頭を抱えながら、とりあえず先輩達に弁解した。


「確かに私、中学のとき彼氏いましたけど! それは来るとき話してた人とは別の人で、というか高校から違ったんで結構長い間連絡も取ってないんです!」

「そーなの? まぁ現状元カレと仲良しじゃないなら別に…」

「ちょっと伊勢」


 宏林先輩が伊勢先輩の脇腹を肘で小突いた。どういう意味だろう、と目を瞬くと、伊勢先輩は溜息をついた。


「なんか面倒くさいからぶっちゃけ聞くけどさー、久重とどこまでいったの?」

「………はい?」


 ひくひくっと、頬がひきつるのを感じた。自家先輩、セクハラですよと宏林先輩が顔をしかめる。栄美ちゃんは驚いて私を見た。


「えっ…やっぱり付き合ってらっしゃるんですか!?」

「違うの違うの! 伊勢先輩、どういう意味ですかそれ…」

「隠さないでいいじゃん。だってお前ら、いつくっつくのかなーってみんなで言ってんのに」


 …え。


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